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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
高校3年4月

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いろんな事情と闇

「あとな、これは一応心に留めておいてほしいんだが、いくらかマナーを守ってないからってそいつの全部が腐ってるとは限らないし、マナーを守るけどクソなヤツもいる」


「うん、そうかもね」


「それとな、SNS地獄から抜け出せなくて不本意で歩きスマホをしているヤツもいる。これは闇の深い問題だ」


「それな。私もその片鱗を見てるよ。私は即レスしないし、それで嫌われても構わないと思ってるけど、そうじゃない子もたくさんいるからね」


 即レスしないとひずみが生じる関係なんて、本当の仲間じゃない。


 それは強要されている本人もわかっていることだと思う。


 だから、仲間をつなぎ止めるためじゃなくて、いじめられないために即レスする。


 結果、歩きスマホをする。


「そうだな、私なんかそんなのとつるむくらいなら一匹狼上等だし、メリケンサックで目ん玉潰してやるが」


「それは犯罪でしょ」


「まぁな。沙希にマジな話をすると、香織と志保とは心の距離を置いて、深い話はしないほうがいい。沙希が傷を負うだけだ。


 けど、悪口を言われたり嫌がらせをされたり、何らかの攻撃をしてこない限りは沙希からシカトしたり遠ざけたりするな。


 悪いことには同調しないで受け流す術を身に着けるのも、いい人生を送る材料になるし、不自然に振る舞えば沙希がイジメられかねない。


 それに、あんなヤツらでも観察してれば、親友みたいに分かり合える仲間内だけじゃわからないことが見えてくる。理解の範囲が広がれば、誰かが何かをやらかしたとき、頭ごなしに否定するようなクソになりにくくなるんだ。最近ワイドショー見てて不快なんだろ? 否定的なネタが多いから」


「人のことよく見てるね」


「こんなでも教師だからな。自分なりに人のことは見てるし、遅刻するわ他人に突っかかるわの出来損ないでも、どこかしらでは模範的な人間でありたいと思うのさ」


「人間って、完璧にはなれないもんだね」


「そりゃそうさ。完璧人間だらけだったら人間は何も考えなくなる。すると脳も感受性も退化する。だからこうして会話したり、コミュニケーションをとって互いを刺激し合うんじゃないか」


「だね、人とのふれあいもハッピーへの道だ。よし、そろそろ部活の時間だ。頑張るか!」


 そう思った矢先、私はまた、人間の闇を見ることになる。

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