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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の日常2

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横須賀中央駅前のとんかつ屋さん

「つぐピヨと武道! 横須賀で会うなんて今や奇遇だね」


 以前も訪れた横須賀中央駅前の地下にあるとんかつ屋さんに入ると、出入口正面のアニメキャラクターのタペストリーやイラストが大量に装飾された六人掛けの席に沙希ちゃんとまどかちゃんが二人で座っていた。ほかの二人席や四人席も一人や二人組で埋まっている。


「おう、沙希とまどかこそどうしたんだ」


「SNSを見てたらこのお店が閉店しちゃうって情報があって、私は何年か前に1回来てカツカレーを食べたんだけど、ラストにもう1回食べたくて」


「私は不入斗いりやまず行く途中で見かけて気になってたんだけど、行き損ねてたから」


「美味しいよ。私と武道くんも1回来たんだけど、名残惜しくて」


 私は梅しそ巻、武道くんはスタミナかつ定食、沙希ちゃんとまどかちゃんはカツカレーを注文。ゆったりとしたこの空間での、最後の食事を楽しんだ。



◇◇◇



 とんかつ屋さんの奥まった半個室のような座敷席。手前の広間にあるテーブル席が満席のため、僕はそこへ通された。


 僕が注文したのはこの店の最高値メニュー『イベリコ豚かつ定食』『鶏の唐揚げ』『ジンジャーエール』である。


 壁を隔てた広間の斜め向かい、ぎりぎり視界に入らない角度からはまどかさん、沙希さん、つぐみさん、相田さんの声が聞こえる。誰も僕の存在に気づいていないようだ。


 僕が大学受験を控えているためか、まどかさんは僕を遊びに誘わなくなった。寂しさあれど、仕方なし。


 先に運ばれてきたジンジャーエールとイベリコ豚かつ定食をいただく。


 さく、さく、ふわ、ふわ、甘い。


 ふわ、ふわは豚肉を噛んだときの擬音。全体的にやさしい食感。


 半分ほど食したところで運ばれてきた唐揚げは、ザクッ、パリッ、じゅわっ。衣はがっつりパリパリなのに、噛み砕きやすい。鶏肉は程よく脂が含まれている。


 横須賀は部活で月1回前後訪れていたが、道草は禁止。茅ケ崎駅まで団体行動。このお店の前を何度も通過しておきながら、プライベートでは1回しか来訪しなかった自分を悔いている。メニュー表に載っていないから提供終了したと思われる納豆キムチかつももう1回食べたかった。


 推せる店は推せるうちに推しておこう。気になったら入ってみよう。


 心に刻み、残りをじっくりいただく僕であった。

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