表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
大学1年の日常2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

215/277

新曲『バスのりおくれ』

 藤沢駅北口から続くストリートにあるライブハウスに着いて音合わせ。私は初めて来たけど、つぐピヨは同じビル内で開かれた小説家のサイン会で来たらしい。


 今回できた曲はまどかちゃんが奏でる8弦ベースの重厚なサウンドで現実に打ちひしがれる人たちへエールを送るバリバリのパンク。作詞、作曲は私が担当。なんとなく『MAMIKO』に近い仕上がりになった。



 ◇◇◇



『バス乗り遅れ』

・作詞、作曲∶白浜沙希


 バスバスバスに乗り遅れた

 6時半のバス行っちゃった

 満員ぎゅうぎゅうぴかぴかの

 赤いおニューなカラーリング

 ギラギラ朝陽を浴びながら

 現実満載ひた走る


 時間に余裕を持ってご利用くださーい


 こちとら睡眠3時間

 帰ってきたのテッペン過ぎ

 黒光りしたクソ職場

 定時で終わると飲み会あり


 お茶代旅行積み立て飲み会代

 ただでさえ安い給料が

 想定外に引かれてゆく

 

 バスバスバスに乗り遅れた

 6時半のバス行っちゃった

 満員ぎゅうぎゅうぴかぴかの

 赤いおニューなカラーリング

 ギラギラ朝陽を浴びながら

 現実満載ひた走る


 きょうはもう行きたくない

 不正にまみれたクソ職場

 なんでなんで自分が悪者?

 黒いカラスが白になる

 色素の抜けた伽藍洞


 バスバスバスに乗り遅れた

 6時半のバス行っちゃった

 閑散スカスカボロボロの

 錆汁滴る古いバス

 きょうも朝陽は眩しいが

 現実逃避と未来あすを視る


 マイノリティー思考は善悪問わず村八分でございまーす


 きょうからあそこは行かないよ

 不正にまみれたクソ職場

 自分の道を切り拓こう

 まずは雑草刈り取って


 さっきのバスが戻ってきた

 閑散スカスカボロボロの

 反対方面向かうバス

 勇み足で乗ってみたら

 人生少しマシになった


 なんとかきょうも生きられそうだ



 ◇◇◇



 バスバスバスに乗り遅れたー、6時半のバス行〜っちゃあたぁ〜。


 先日、登夢道の行列に並んでいるときに浮かんだ詩曲。私の場合詩と曲はだいたい同時に浮かぶ。


 空腹に耐えながら並んでいたときに通りかかったニューカラーのバスと古いバス。詩ではボロボロと書いたけど、実物は新車に劣らず綺麗に磨き上げられていた。


「ふぅ、歌い疲れた」


「2分しかやってないだろ」


「2分に魂をぶち込んだのだよまどかちゃん」


「そう、まあいっか、みんなだいたい音揃ってるけど、せっかく場所借りてるんだからあと何回か練習しようよ」


「それもそうですな」


 途中休憩を挟んだり別の曲を演奏していたら、スタジオの枠を確保していた3時間が刹那に過ぎ、私たちは少し静かになった夜の藤沢の街へ放たれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=50222365&si

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ