サッポロ軒2
味噌ラーメンはサッポロ軒の看板メニュー。まずはレンゲでスープを一口。うん、いつものニンニクと豚の背骨ベースのシンプルで少し甘みがある白味噌。ニンニクとゲンコツのラーメン。
いきなり炭水化物は血糖値急上昇なのでネギと、スープの中に埋もれているモヤシを先に食べてから麺を啜った。野菜がワシャワシャしているのもサッポロ軒の特徴。
麺は札幌ラーメンらしく黄色みが強くモチモチして、麦に含まれる澱粉の香りが微かにする。私はそれにのりを巻いて食べるのが好き。
メンマは甘辛いタレにじっくり漬け込んで、烏龍茶くらい茶色い。チャーシューはやや硬めで歯応えがあり、こちらもタレに漬け込まれて味が染みている。お好みで卓上の胡椒、一味唐辛子、ラー油、酢をかけても良き。
私がモシャモシャもやしを頬張っていると、まどかちゃんの醤油ラーメン、つぐピヨの塩ラーメンが着丼。
二人とも「いただきます」は言ったけど食レポはしていないので私が解説。
結論から言うと、醤油も塩もシンプル&がっつりな味で、麺とスープがよく絡む。醤油は味噌、塩と比べ少し濃い味に感じる。いずれも昔ながらのラーメンをラード、ニンニク、ちぢれのある麺でがっつりさせた感じ。
さっきからシンプルを連呼しているけれど、このラーメンはここでしか食べられない唯一無二。ほかの札幌ラーメン店にはそこの個性があり、サッポロ軒とは違う。
何より裸電球が照らす古びた狭い店での営業は残りわずか。
古いラジオから流れる最新曲、無言でラーメンを食ったりビールを流し込むオッサンたち。聖地巡礼の余韻で盛り上がるサザンのファン。
世間では『昭和レトロ』と呼ぶ、昭和を再現したものが流行っているけれど、ここは昭和の風景がそのまま残っている、純正の昭和、歴史の証明。
私たちは知らない時代だけど、タイムスリップを体験してみるのもいいかもしれないね。