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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
茅ヶ崎エンターテインメントフェスティバル
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茅ヶ崎エンターテインメントフェスティバル! 序

 はいはい皆さんおはこんにちばんはー!


 ついにこの日がやって来ました茅ヶ崎エンターテインメントフェスティバル!


 私たちのほかにも茅ヶ崎のエンターテイナーがお芝居やら音楽やらイラストやらを披露する才能発掘イベント!


 空は霞み薫風が鼻をくすぐる4月、メジロは葉桜をチュンチュンついばんでいます。晴れて良かった。


 一昨日の夕方にリハーサルを行い、その夜に演劇の舞台をセット。CGも実体の舞台装置も使う大がかりなセット。演劇って手もお金もかかるんだね。


 はてはてスケジュールですが、大ホールで11時から私たちの演劇1回目、13時から2回目。


 続いて15時から小ホールで音楽の部。私たちの出番は舞台装置の片付けがあるから17時くらいの予定。舞台装置の設置、撤去には私たちのほか、湘南海岸学院が雇った人の手を借りる。


 時は現在、日曜日の午前10時、本番2時間前。私、まどかちゃん、つぐピヨ、自由電子くん、武道、まみちゃん、見学に来た巡ちゃんの六人は茅ヶ崎市民文化会館の裏手屋外に集合した。中央公園側ではなく、大型商業施設の正面。朝はのんびりしたかったりプリティー&キュアなアニメを見たかったりするメンバーなので、時間をちょい遅めに設定。


 緊張するねとかそんな会話はなく、きのう魚屋で買った貝が通常5千円のところ謎割引で千円にしてもらったとか、香川屋にメンチを買いに行ったらカラスのカァちゃんにあげちゃったからもうないってカメに言われたとか、駅ビルで売ってる矢島やじまハムの弁当が美味かったとか、いつもの感じの話題だった。


 前二つの話題について巡ちゃんは困惑してたけど、これが茅ヶ崎のリアル。そのうち慣れるさ。


 裏口から文化会館の中に入り、エンタメフェスに出演するバンドやシンガーソンガー、イラストレーターたちと挨拶。その後、楽屋に入ってまみちゃんと巡ちゃんを除く五人演者は衣装に着替える。私はオレンジのアロハシャツを着た茅ヶ崎の軟派野郎、武道は肉屋のデニムエプロン、機関士役のまどかちゃんと自由電子くんは国鉄の制服を参考に仕立てた機関士用の菜っ葉服、雪国から出た来た少女役のつぐピヨは過酷、白いもふもふコート。


 衣装は殆ど市販品。菜っ葉服は古着屋に売っていたそれっぽいものをまみちゃんが改造した。意外と器用なのね。


 十数のドレッサーがずらりとならぶ白い壁の質素な楽屋。武道と自由電子くんは隣の楽屋で着替えている。


「わああ、まどかちゃんイケメン」


 菜っ葉服を纏ったまどかちゃんのイケメンっぷりに見惚れる巡ちゃん。スーツとかタキシードとか現代の鉄道会社の制服も似合いそうだけど、昔ながらの菜っ葉服もサマになってる。これは私が着たらコスプレ臭プンプンだ。服は着る人を選ぶ。


 私も着替えたけど特に誰からも感想なし。つぐピヨは暑苦しい恰好でかわいそうだから本番ギリギリまでコートを着ない。


 そんなこんなしているうちにそろそろ11時、さあさあいよいよ演劇スタートです! 雪国から茅ヶ崎に出てきたお嬢さんのラブロマンスがいま、幕を開ける!

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