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B級聖女漫遊記  作者: さん☆のりこ
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ズルは恥だが役に立つ~4

ニーゴさんに背中を預け、8人の星組の面々と対決する。

<星組>ねぇ?フルフェイスマスクの為、顔が見えないので何とも言えないが・・・不細工だったら許さんぞ?星を名乗る資格はねぃ!!

お婆ちゃんは宝塚が好きだった、婆の思いを汚すのは許しがたい行為と知れ。


星組は強い貴族の集まりの様で、ノイズも強いし剣の腕も立つ様だ。

ニーゴさんは剣の腕は彼らの上を行く様だが、如何せん獣人だから魔力が無い、耐性は有るがやはり魔力を練り上げて造った魔弾で攻撃されると辛い様だ。剣で攻撃を避けてはいるが、大勢に掛かられると避けきれない・・・グフゥ。


詩乃は懐の胴巻から、フリスビーのような円盤を数枚出すと「反射」と言いながら投げ放った。イメージは自分を中心に取り巻くファ〇ネルだ、相手の魔力に反応して自動的に動き、魔弾の攻撃を反射して打ち返してくれる優れものだ。


『わが身をつねって、人の痛みを知るがいい!』


詩乃とニーゴさんの周りを縦横無尽に飛び回り、己の魔弾を打ち返して来る厄介な<皿?>に、貴族達は怒りまくった。


「卑怯だぞ!・・・痛い!!」


何をする貴様!・・・顔を真っ赤にして(多分だ・・フルフェィスだから解らんが?)どうやら格下に認定していた相手の魔弾が当たったようだ。

怒鳴られた相手はヘコヘコして謝っているのだが、腹の虫が収まらない様で、格下に向かって渾身の一撃の魔弾を放って派手に吹っ飛ばしてしまった。

・・・ご愁傷様・・・合掌。


「反射」は、魔弾を放った者に真っすぐ跳ね返って飛ぶとは限らない・・・敵と認定された者に、ランダムに飛ぶように設定してあるからだ。

その方が避けるのが難しくなるだろう?計画通り・・ニヤッ・・・だ。

思った通りにあちらこちらで仲間割れが始まった、貴族同士で魔弾の攻撃をし合っている。単純すぎるだろうこいつら、良いのかこれで?


挿絵(By みてみん)


隙を見てニーゴさんが敵に斬り掛かる、ニーゴさんは棟打ちで倒している・・・怪我でもさせると後々面倒な事になるのだろう。棟打ちでも相当痛そうだが、気絶するくらいだし・・・。詩乃もニーゴさんの背後に回ろうとする輩を、薙刀で殴って行く・・・もちろん棟打ちだ。詩乃の腕力では、敵は倒れる程の打撃は受けない(甲冑着てるしね)が、隙が出来るのでニーゴさんが止めを刺してくれる。

ニーゴさんの敵になるのだけはやめよう、密かに誓った詩乃だった。

強いよニーゴさん、虎さんとタメを張れそうだ。


大きな歓声が上がって驚いた・・・いつの間にか周囲に、この戦いを見物しようとする者達が集まり、円陣が組まれ取り囲まれていた。

大声で叫び、手を振り上げて興奮して此方を見ている、賭けでもしているのか異様な雰囲気だ、正直言って尋常じゃない熱気にサブイボが立つ。

あんたら自分の鍛錬は良いのかい?大佐まで見ているし・・・。

気分は猛獣と闘うグラディエーターだ、嗜虐趣味の輩に囲まれて、喜ばれているのが胸糞悪くてたまらない。吐き気がしそうだ。


『カポエの貴族の館で、虎さんもこんな気分だったのだろうか。』


ノンビリ観戦してんじゃぁ無いよ!ふざけんな!

詩乃はファ〇ネルの設定を変えて、見物人や大佐さえも敵認定をした。

途端に、魔弾が見物している者の中に飛び込んで行った。

「うわぁ、危ねぇ!!」

見物人達は慌てて結界を張った様だが、愚図って遅れた者には魔弾が当たった。

「痛ぇ!!」「手当を!早く手当をしてくれ!」

ちょっと掠っただけで、大騒ぎだよ・・・けっ!DV野郎ほど、自分がやられると大騒ぎするものだ。普段、魔力で脅されて生活している、平民や獣人の痛みを思い知れば良いのさぁ。


流石に学習したのか、敵は魔弾を放つのを辞めた・・・8人いた敵は自滅を繰り返し、残り3人だ。

人数が減って後ろを心配する必要も無くなったので、詩乃はニーゴさんの隣に(少しばかり偉そうに)並んだ。

「さて、どうしやしょう?」

ニーゴさんにお伺いを立てる、だって場慣れしている者に聞くのが当然だろう?

ニーゴさんは一瞬驚いた顔をしたが、

「1・2に分けられるか?奴らを分断させて、時間を稼いでくれ。」

「了」

そう答えると詩乃は<菊一文字>を、刃の着いた鞭に変化させた・・・あれだ、その昔カウボーイ達が使っていたブル・ウィップって言う長い鞭だ。鞭など振るった事など無いが<空の魔石>で造って有るので、詩乃の意思に(イメージ)に従ってくれる優れものだ。気分は女王様かイン〇ィジョーンズ。

鞭を撓らせて、一度強く地面を叩いて<バッシィ~~~ンンンン>派手な音を響かせて敵をビビらす。それから詩乃は、ニヤリと悪い笑顔をすると・・・・。


        ヒユッ


鋭い風切り音を鳴らし、敵の間に鞭を滑らせ1・2に分断する。

慌てて避ける敵たち、鞭なんか見た事ないんだろう・・・すんごく驚いている。

此処の武器庫にも無かったしな、どうもこの世界の武器は、中世ヨーロッパの変態的武器のラインナップからすると(モーニングスターとか無かったし)、随分と大人しい感じだ・・・その分魔力や魔術に頼っているのだろう。


1の方は詩乃の分担だろう?


詩乃は細かく鞭を動かすと、甲冑の彼方此方を削り取り、ビシッ・バチッと火花を散らして脅かした。

「うわぁぁ~~~。」

恐けりゃな~、高位の貴族も平民も変わりなんかない・・・。

悲鳴は皆同じ「うわぁ~~。」だ。


「そこまで!」


貴族の対面を慮ったのか、大佐からSTOPが掛けられた。

・・・ま・良いけどね。

このまま続けていたら、何だか変な性癖でも目覚めそうだったもの?


倒れている貴族の所に侍従たちが慌てて駆け寄って行く、大事なお坊ちゃんなのだろう、せいぜい労わることだ。

詩乃は鞭をヒュッと撓らせらせると、元の<菊一文字>に戻し、腰の鞘に納めた。


『またツマラナイ者を斬ってしまったゼィ・・・ニーゴさんが。』

倒したのは、ほとんどニーゴさんだったし、後は仲間割れの自爆だ。

詩乃はまぁ、後方の援護?だな・・・十分な働きだと自負するがな。





・・・ところがだ、詩乃の働きを十分では無いと思っている輩がいた様だ。

アサイー様だ・・・彼は鍛錬が解散した後、詩乃にイチャモンを付けて来た。


少し短いのですが、キリが良いので・・・。


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