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第4話 ギルドカード

言い忘れてましたがこの物語で『人間』というのはヒューマン+亜人のことを指します。


説明回です。

「いらしゃいませ~」


 ダリルは先ほど教えてもらった三ツ木亭に来ていた。入った瞬間に元気のいい声が聞こえてきたため、良さそうなところだと思いながら部屋が空いているかの確認をすることにした。


「一部屋を借りたいのですが開いていますか?」


「あいてますよ~ちょっと待ってくださいね~これ運んじゃいますんで~。」


 どうやら忙しい時に来てしまったらしい。よく考えるともう夕方だ。宿にかえって来て料理を食べている人たちがちらほらと見える。とてもいい匂いをしているし、食べている人たちも満足そうだ。どうやら料理がうまいという話に間違いはなさそうである。そんなことを考えていると先ほど料理を運んでいた少女が戻って来た。


「すいません~おそくなりました~一部屋ですね~?」


「だったら~値段は~一日~朝と晩ど料理がついて~銅貨二十五枚になります~。」


 これはほかの店よりも少し高いといったところだ。普通の店だと銅貨二十枚ほどで安い店だと十五枚ほどだ。


「ではとりあえず二十日ほどでお願いします。」


「分かりました~では~銀貨五枚です~そのほか~体をふくタオルとかが欲しかったら~銅貨二枚なので~行ってください~。あと~ご飯がいらないときは~言ってくれれば値段を下げますんで~よろしくお願いします~。注意としては~何らかの理由で~期日が過ぎた後も~泊まる更新が~できなかったときは~部屋の中にある荷物は~三日間は預かりますが~それを過ぎたら処分してしまうので~気を付けてください~。」


「分かりました。」


「じゃあ~部屋は~二階の205号室なので~これをどうぞ~。」


 そういって宿屋の少女は鍵を渡してきた。それを受け取ったあと、少しその少女と話してから食事をし、ダリルは自分の部屋に向かった。










 ダリルが日課である魔力操作の訓練をしながら今日のことを振り返っているとカードを受け取っていないことに気が付いた。


「あっちゃあ、これは失敗したな。仕方がない、今日はもう暗くなっちゃったし明日の朝に取りに行こう」


 やってしまったことは仕方がないと気持ちを入れ替えることにして、ダリルは魔力操作の訓練に集中することにした。

 この魔力操作とは、魔力を効率よく運用するために必要なことである。魔力を効率よく運用することによって、魔法の威力が上がったり、魔法を使うために必要な魔力の量を減らすことが出来るため、ダリルはこの訓練を日課としていた。

 その訓練をおよそ一時間ほど行うと、ダリルは荷物を部屋の片隅へと置き、ベットに入り眠りについた。










 次の日の朝、ダリルは目が覚めた後に下の食堂に降り、朝ご飯を食べた。その日のメニューはジャンプピッグのシチューでなかなかおいしかった。なおジャンプピッグ危険がその身に降りかかると空を跳ぶようにして逃げるところからついた名であり、魔物ではなく、動物のたぐいである。また、魔物と動物の違いは、野生の時に人間に危害を加えるか加えないかで決まる。


 宿で朝ご飯を食べた後、カードを受け取るためにギルドへと向かった。

 ギルドの中に入ると、何やら人が密集している場所があったが、受付はすいていたため、そちらの方へと歩みを進めた。何人かいる受付の職員の中にエルフの女性であるミネアを見つけたため、どうせなら知っている人の方がいいと思いミネアに話しかけた。


「おはようございます。すいません、きのうカードのことをすっかり忘れていて、今日取りに来たのですが…。」


 ダリルがそう言うとミネアはしまった!という顔になったが、それも少しのことで、すぐに前と同じ顔になった。


「申し訳ございません。こちらの不手際でした。すぐに作りますので少々お待ちください。そのお詫びと言っては何ですが、質問があったのならばできる限り答えますので何かありますでしょうか?」


「そうですね…。あそこに集まっているのはなんなのかを教えてほしいのと、もしこのギルドならではのルールなどがあったなら教えてほしいです。あと迷宮についてもお願いします。」


「そ、そこからですか。いえ、分かりました説明させていただきます。」


 あまりにもギルドのことについて知らない様子のダリルにミネアは驚いたが、気を取り直して説明することにした。


「まずはあそこに集まっている人たちのことですが、あれは何か自分に合った依頼がないかを探しているのです。別に、探さなくても迷宮に入って魔石をギルドに渡すだけである程度の収入はあるのですが、あそこでは迷宮の中でしか取れない珍しい植物を欲しいと思っていても迷宮に入ることが出来ない、またはそれがあるところまで到達できない依頼者があそこの掲示板に依頼を張っていきます。その紙を取って私たちのいる受付に持ってくると、その依頼を受けることが出来ます。また、その依頼を受けることによってランクが上がるので皆さん積極的に受けようとします。あ、ランクを上げるために必要なことは先ほど言った依頼をある程度受け成功し、その成果をギルドに認められることと、一定の階層に到達していることです。この一定の階層に到達する、というのはこのディアン支部ならではのものです。具体的に言うと、Dランクは10階層、Cランクは25階層、Bランクは40階層、Aランクは55階層、そしてSランクは70階層となっています。」


 つまりは迷宮に篭ってばっかりでもダメで、かといって依頼ばっかり受けて最低限の実力を持っていないのもダメだということである。さらにギルドに成果を認められることということは、実力だけがあってもいいというわけではない。ギルドにこの人間は大丈夫であると思われる人物でなければならないのだ。


「それと迷宮についてですが、現在確認されている最高階層は72階層です。最高何階層なのかは、確認されていないため、いまだ分かっていません。また、迷宮は10階層ごとに迷宮内の環境が変わっていきます。1~10階層は洞窟、11~20階層は森、21~30階層は砂漠、31~40階層は沼地、41~50階層は熱帯、51~60階層は遺跡、61~70階層は凍土、71、72階層は火山帯となっています。さらに、5階層ごとにその環境に適しているモンスターのボスが存在しています。そのボスはそのエリアの魔物よりも遥かに強うので注意が必要です。ですから、そこを突破できるかどうかによって、同じランクでも差が出てきます。これが最後になりますが一番大切なことなので必ず覚えておいてください。迷宮には稀に亜種、または上位種と呼ばれる存在が生まれることがあります。その強さは通常の魔物とは比べ物にならないほどに強いので、もしも迷宮でそれらを見かけた場合は直ちにギルドへと連絡をしてください。ギルドから上位ランク者に指名依頼をし、その魔物が討伐されるまでその階層は立ち入り禁止とさせて戴きますので。迷宮に関してはこんなところです。あ、もうカードが出来ていますね。こちらをどうぞ。まだ登録したばかりなので、Eランクからのスタートです。これから頑張ってください。」


「説明ありがとうございました。とりあえずは5階層の突破を目標に頑張っていきたいと思います。」


 ダリルは一言説明をしてくれたミネアにお礼を言ってから。先ほど受け取った自分のカードを見た。




      ────────────────────────────




          名前:  ダリル


          職業:  魔法使い


          レベル:  8

 

          ランク:  E


          PT名:


          PTメンバー:


          ギルド貢献度: 0



       ────────────────────────────




 簡単に自分の情報が書いてあった。自分のレベルはまだ8なのかと少々驚きながらも先ほど紹介してもらった掲示板へと歩いて行った。

 この世界においてレベルというものはかなり大事である。しかし、普通に街で生活している分にはレベルというものはなかなか上がらず、寿命によって大往生した長生きの者でもレベルが5になっているかどうかといったところだ。では、どのようにしたらレベルが上がるのか、それは魔物と戦うことである。本来魔物というものは人間では倒すことのできない存在だ。しかし、その魔物を倒すことによって、魔物の持っていた『存在の格』とでもいうものを吸収できる。その『存在の格』とでもいうものを吸収し、自分のものにすることによって自らの格を上げていく、それを数値化したものがレベルというわけだ。そのため、レベルの差は圧倒的な力の差となり、戦いに身を置くものはこぞってレベルを上げにかかる。そして、ある一定のレベルに達した時、『転職』という現象が起こり、その者に合った職業になる。その転職の効果というものは絶大であり、一つ下の職業の者と比べると、段違いに攻撃の威力や、相手から受けるダメージが減少する。


「ふむ、やっぱりまだ一階層に入れる程度では依頼も何も無いな。」


 掲示板に書いてあるものをいろいろと拝見してみたが、一番低い階層でも3階層と、特に自分が出来そうなものがなかったため、何も依頼を受けずに迷宮に向かった。



跳べない豚はただの(ry

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