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第3話  ギルド登録

この物語の貨幣制度は

石貨 10円

銅貨 100円

銀貨 10000円

金貨 100万円

白金貨 1億円

です。

今回は出てきませんが次回出てきませんが、次回には出てくると思うので。

 ダリルがゴブリンの魔石を回収し、ギルドに戻ってきたとき、ギルドの混雑は先ほど仮登録した時とは比較にならないほどだった。その人の多さにダリルは頬が引きつるのを止めららなかったが、このままでいても何の進展もなく時間の無駄だと自分に言い聞かせ、大人しく並んでいた人たちの最後尾に並んだ。その行動に合わせて結構な人数がこちらを向いたことに気が付いたがこの人数が居てもなお目立つ恰好であることに本人自体は未だに気が付いていないので首をかしげていたりする。


「次の方どうぞ。」


 ダリルが注目を浴びて居心地の悪い思いをしながら並んで待っているとついに順番が来た。やっとこの居心地の悪さから逃れられると速足で声のした方に向かった。









 声のした方に向かってみると、そこにいたのは仮登録をした時と同じエルフの女性だった。とりあえず魔石を集め終えたことを話してしまおうとダリルはエルフの女性へと話しかけた。


「ゴブリンの魔石を五個集め終えたのでここに来たのですがどうすればいいでしょうか?」


 すると、エルフの女性は少し驚いた表情をした。


「あ、分かりましたそれではこちらに魔石を置いてください。それにしても…ずいぶんと早かったですね。」


「そうですか?これでも結構遅い方だと思ったのですが…」


(はぁ。余りにもゴブリンが見つからなくて焦った焦った。まあ最終的に五個集まったし良しとするか。)


 ダリルはこのような考えをしているが、実際はこんなに簡単に集め終えることは新人としてはめったにない。もしも普通の新人がゴブリンの魔石を集めようと思ったならば、そこそこ多くの荷物を持っていかなくてはいけないからだ。飲み水、食料、ランタン、武器、防具、ポーション、等々多くのものを担いだ状態で行かなくてはならない。また、ランタンは常に手で持っていなくてはならないため、どうしても進む速度は遅くなってしまう。さらに、戦闘時にはランタンを置いて戦わなければいけないため、どうしても壊される可能性が出てくる。そのためできればランタンの替えを用意しておいた方がいいなど上げればきりがないことの中から自分で持っていくものを決めるのだ。そのため、普通の新人は初めて迷宮に入ったときは入り口付近で諦めて引き返してくる、またはそのまま無謀にも進み、魔道具によって助けを呼ぶことになることがほとんどだ。しかし、ダリルはその問題点のほとんどを魔法によって補ってしまった。暗視の魔法によってランタンを必要としないため通常より進む速度が速く、視界もよい。そのためゴブリンを発見しやすくなり、奇襲をかけることもできた。まあ理由は単純にこれだけではないのだが今回は割愛とする。


「いえいえ十分早いですよ。これで遅かったなら全員が遅いことになってしまいますよ。もっと自信を持ってください。あ、これで正式にギルドの所属となりましたのでこの記入場所に書ける範囲でお願いします。もしも文字が書けなかったら教えてください。こちらで書かせていただくので。」


「分かりました。文字は書けるので大丈夫です。」


 なにかさっきよりも対応が柔らかい気がするなーなどと考えながら自分の名前、天職、得意な武器などを書き入れていく。


「書き終わりました。これで大丈夫ですか?」


「これとこれとこれが書いてあるから………ええ大丈夫です。それにしてもほんとに魔法使いなんですね。初めてではないですがあまりいないので驚きました。」


「そうなんですか?」


「ええ。魔法使いは迷宮に向いていないという考えが探究者の中で広がってしまっているのでどうしてもこの支部では…」


 つまりはこういうことだ。魔法使いは詠唱がどうしても必要である。しかし、迷宮という狭い空間の中ではその『詠唱』という行為がどうしてもネックとなってしまう。短い詠唱だと威力が上がらず、威力を上げようと詠唱を長くすると魔物のいい的になってしまう。しかも魔法使いというものは魔力が切れると何もできなくなってしまう者が多い。一応魔力が無くなったの時のために近接戦闘を鍛えている者や弓などのほかの遠距離武器を鍛えている者もいなくは無いが、やはり本職のものには劣り、どっちつかずになることが多かった。このようなことが重なり、魔法使いは迷宮探索において『お荷物』と呼ばれるようになり、迷宮探索でPTに呼ばれることは無くなった。一緒に迷宮の中に入れる人数に制限などないが、どうしても最適な人数というものが存在しその人数は六人であった。六人という数が迷宮内でお互いの邪魔をせず動くことが出来、お互いのカバーもしやすいためだ。そのため『お荷物』と呼ばれている魔法使いをその限りのある人数の中に入れる者はいなくなったというわけだ。だから魔法使いはソロで探索をするか、どこかほかのPTに依頼をして一緒に探索をしてもらうしかない。また、前者は詠唱が間に合わずに魔物に接近されたらお終いなので実質的に不可能であり、後者はそこまでして迷宮に入ったとしても依頼と迷宮に入ったことによる利益の採算が合わないため、実質的に使えないことと同じである。


「そうですか…まあ最初のうちは一人でやっていくつもりなので頑張っていきたいと思っています。」


「そうですね。ギルドは探究者の個人に対して肩入れをすることはほとんどないので、どうか頑張ってください。」


 ギルドが個人に対して肩入れをすることはほとんどない。それは探究者の数が多すぎるということもあるが、一番の理由は無駄な争い事を避けるためである。しかし、高ランクのものであったり、職員が将来有望だと思ったりしたときなどの場合は、秘密にやっていたりすることはご愛敬である。ギルドも利益を得るためにやっているため、決して慈善団体などではないのだ。


「あ、そういえば少し聞きたいことがあるのですが大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫です。なんでしょうか?」


「まだ宿を見つけていなくて探しているんです。どこか良い宿があれば教えてほしいんですが…」


「分かりました。それでしたらギルドを出て右に行くとある『三ツ木亭』という宿がおすすめです。少し高いですが、料理もおいしく、親切なので高い分の価値はあると思います。」


「三ツ木亭ですね。分かりました。教えてくださりありがとうございます。」


「いえいえ、その程度のことでしたらいくらでも。ああ、すいません。最後になりましたが私の名前はミネアと申します。これからギルドの一員として頑張ってください。」


 そうエルフの女性、いやミネアさんに言われた後、了承の返事をしてから、先ほど教えてもらった宿に向かった。



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