第2話笹野夏々との日常
更新が遅くなりましたが2話目になります
「竜神君は相変わらずズルいよ」
「は?いきなりなんだ」
朝の稽古が終わり多少の汗をかいた俺と笹野は外にある水道で顔を洗っていたのだが、いきなりズルいと言われた、何故だ俺は何もしてないぞ
「 私ばっかり稽古させて竜神君は私の練習相手しかしてないじゃん!」
「あのな、大会が近いから練習の相手して欲しいって言ったのはお前だろ、逆に俺が練習してどうすんだよ」
「うっ…」
不満そうな顔をしながら濡れた顔を拭いている笹野のを見ながらため息を吐く、こいつは何も変わらないなと思う
彼女の名前は笹野夏々〈ささの なな〉竜神とは子供の頃からの友達であり腐れ縁のような存在。
知り合うきっかけはこの笹野流剣道場が最初の出逢いだった、竜神の家は元より大空流剣術を流派に持っていたため笹野の道場に通う意味はあまりなかったのだが父親が『他の流派を学ぶことが悪いわけじゃない、強くなる為に必要なことでもあるんだ』と言われ、父親そそのかされる形で 通い始めた、それが彼女笹野夏々との出逢いだ、それから色々ありお互い今に至るわけである
「大体毎朝いつもやってることだろ?それに今は大会が大事だから俺に言ってきたんじゃねーか、ならお前の練習台になるのは当たり前だろ」
「確かにそうだけど、でもでもそれじゃ不公平って言うか……」
ブツブツ不満を言いながらタオルを肩にかけて竜神を見る
「私は竜神君がまた剣道をやって欲しいとおもっ…」
「笹野、前にも言っただろ俺はもう剣道はやらない」
「でも!」
「それより時間はいいのか?もう6時だぞ朝練あるんじゃないのか?」
「あっ!」
笹野は焦ったように立ち上がると慌てて道場の中に消える、道場に入るのを確認して竜神は立ち上がりため息を吐く
「好きでやめた訳じゃないさ、守る物がないのに剣を振るのが耐えられなかったんだよ」
そっと呟いた言葉は誰にも聞かれることなく消える、
しかし呟いた竜神の本心は扉の陰隠れていた笹野が聞いていたが彼がその事に気づかない
竜神は頭を掻いてもう一度ため息を吐くと自分の側に置いていたブレザーとカバンを持ち学校に向かうため歩き出す、自分が学校に着く頃には自転車に乗って追いつく、だから竜神はいつも先に行く、過去に笹野を待っていてお互い遅刻しかけた経験があるからだ。それからは待たずに学校に行くようにしている、
「さて、今日の昼飯何食べようかな」
そんなことを考えながら歩みを進める彼の後ろに目深にフードをかぶった人物が1人、彼の後をつけていることに学校に着いても気づくことはなかった 。
かなり忙しく更新が丸1ヶ月以上経ってしまい申し訳ないです、ある程度のペースで更新はしていきますので長い目で待ってくだされば幸いです
今回は少し長めにしてみました、これから少しずつ竜神の過去に触れていきたいと思っているのでよろしくお願いします!
新キャラも次々出していくようにしたいと考えていますのでそちらも楽しみにしていてください