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純白の姫  作者: こころ
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第3話

は~い!「プロローグ」で出てきたメノウです!忘れたとは言わせませんよ?今までのあらすじを説明します。オニキス大陸で1番、大きな国のお城にとても悪い王様がいました。奴隷で白い髪を持つ少女と子供達が2話までに出てきております。なんか、全然話がまとまらない。王様もなんでこんな奴に押しつけるんだろう?あっそれでは本編をどうぞ!

足まで隠れている青いドレス。

青いバラの髪飾り。

そして足には服にはどうしても似合わない足かせの鎖。


赤い垂れ幕の前でたたずむ私。

今は夜で、小さな子供達はもう眠っている時間。

窓から差し込む月の光は私の白い髪を銀色と金色に輝かせる。

「お前は本当にこれで良いのか?」

ふと朝の兵隊の言葉が頭をよぎる。

でも、あの子達を守るにはこうするしかない。

もうすぐ…あの方との約束が果たされる。


そんなことを考えていると垂れ幕の向こうからあの方の声が聞こえた。

「今日も私のショーを見に来てくれてありがとう」

ショーか。たしかにそうかもしれない。

「それでは私の自慢の奴隷を見せよう!幕を上げろ」

あの方がそう言った数秒後、幕がゆっくりとしたから上がってくる。

私がいる方は月の光だけだったためか、あちらがとても眩しい。

顔を斜め下に向ける。これで少しは楽だろう。


幕がすべて開いたことを確認し、下を向いたまま歩き始める。

裸足で、それもタイルが敷き詰められている場所を歩く。

タイルは冷たく、歩く度にジーンと来る。

「なんと美しい」

「やはり噂は本当だったか」

「光を受けてより綺麗だ」

「1本、欲しいな」

そんな私をよそに貴族達が口々にそんなことを言う。

大きなホールに30人くらいの貴族達がいるようだ。

あの方はこの人達から奴隷の値段をお金で出させるショーを毎晩、繰り返している。


だんだんと光りに慣れてきて前を向いた瞬間…

目の前を細い棒が私を横切る。

ホールの貴族達は悲鳴を上げたり付き添いの兵隊に守ってもらったり様々。

私は後ろを振り返り、飛んできた棒の方へと歩く。

棒の前まで来てしゃがみ込み、床から棒を抜く。

弓矢か…何処から飛んできたのだろう。

弓矢を見ていると尾の方に紙が結ばれていた。

私は立ち上がり、弓矢から紙を取る。

「サファイア!その紙はなんだ!」

「多分ですが…予告状です」

あの方から質問に答える。

「それではその紙の中身を読め!」

「分かりました…」

私は返事をしたあと、紙を広げる。

内容を確認し、大きな声でこう言った。


―――――――――――――――――――――

エメラルド王へ


明日、真夜中の12時に

あなた様が所有してなさる

キャッツアイと純白の少女を

いただきにまいります

       ブレイブ

―――――――――――――――――――――


私が読み終えた時にはあの噂が聞こえてくる。

「1ヶ月間、オニキスに身を潜めていた」

「王子達が怪盗になった」

「宝石を奪う怪盗達が王子だったとは」

口々に聞こえる声に1つだけおかしな言葉があった。

「王子達を逃がした怪盗がいる」

誰にも聞こえないくらいの声。

ホールにいるのは分かるけど、どこから?


「サファイア!その紙を持ってこい!」

あの方の声がホールに響いた瞬間に静まりかえる貴族達。

「はい……」

あの方のほうへと歩いていく。

歩く度に鎖がチャリチャリと音を鳴らせる。

裸足のため、ペタペタという音も聞こえる。

「どうぞ」

持っていた紙を差し伸べる。

「お前は牢屋に帰って寝ろ、分かったな?」

あの方は紙を受け取るとそう言った。

「はい…おやすみなさいませ、エメラルド王様」

1礼し、出てきた垂れ幕の方へと歩き、中に入る。


「行くぞ」

赤い髪の兵隊が出てくる。

「分かりました、怪盗・・さん」

まっすぐ相手を見ると目を見開いて驚いている。

「大丈夫です、あの方には絶対に言いません」

「だろうな、顔を見ただけで分かる」

少し落ち着いたきた偽物の兵隊は私を見つめてくる。


「そうえいば、明日…キャッツアイと私を盗むのですか?」

私が歩き始めると兵隊は前を歩き始める。

「まぁな…それより、なんで俺が怪盗だって分かったんだ?」

「それは矢を射ってきたあなた方のリーダーに説明します」

兵隊は私の方へと振り返り、先ほどよりももっと驚いた様子だ。

「あの数分で考えられるってお前…」

「一応、言っておきますが私を盗むなんてできません」


すると目の前の兵隊は驚いた顔をやめ、少し冷静な顔になる。

「私はここにいなければなりませんから」

「その理由は知っている」

兵隊は欠伸あくびをしながらそう言った。

「えっ…知ってるって?…どういうことです?」

あの方と私しか知らないのにどうして知っているの?

「仲間は全員、知っている…着いたぞ」

兵隊はそう言うと、私を檻の中に入れ、どこかに行ってしまった。


もし…明日来る怪盗が知っているのなら。

もし…明日来る怪盗が私を助けたなら。

私はここから自由になれるの?


第四話に続く




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