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純白の姫  作者: こころ
3/9

第2話

「では奴隷達を起こせ!分かったな?」

「はい、かしこまりました」

頭を下げるとあの方はどこかへ行ってしまった。

「お前…本当にこれでいいのか?」

さっきの衛兵が牢の鍵を開け、手錠を外す。

その代わりに足かせを付けられる。

「あの方が望んでいることです……」



足かせについた丸い鉄球はずっしりと重く、

牢から出るのは大変だ。

「ほら…みんな起きて」

牢の中のみんなに声を掛けていく。

「お兄ちゃん…ほら、起きなきゃ」

「分かってるよぉ…もうちょっとぉ」

みんな、まだ眠そうに目を擦っている。



「サファイアお姉ちゃん…今日もお仕事があるの?」

ピンク色の髪の女の子・コーラルが話しかけてきた。

「えぇ…でも、みんなにあんなことしてほしくないの」

頭を撫でると嬉しそうに受け入れてくれる。

「みんな起きたね…じゃぁ朝食を食べに行きましょう」

「は~い!!」

みんな笑顔で返事をした。

手を繋いでいくけど、私は笑えなかった。

楽しいはずなのに笑えなかった。



「いただきま~す!!」

みんなで朝食を食べる。

パンと目玉焼きを1つずつ。

「今日の目玉焼きは美味しいね…誰が作ったの?」

「俺俺~!!美味しいだろ!サファイア姉ちゃん!」

「とっても美味しい…塩を入れたの?」

「砂糖を入れてみた!」

「ちょっと~!また実験したの~」

「いいじゃねぇか!サファイア姉ちゃんが美味しいって言ってるんだから!」

「喧嘩はやめて…あの方が怒るわよ?」

するとみんなの手が止まった。

「ごめんなさい…サファイア姉ちゃん……」

「いいの…あの方には気づかれていないから、ほら食べよ?」

私が食べ始めるとみんなも静かに食べ始める。

「ごちそうさまでした~!!」


みんなでお皿を片づけた後、お城の掃除をし始める。

来客には挨拶もしながら、楽しそうに掃除をしていた。

端から見れば子供の召使いのようだが、

この子達は奴隷なのだ。

歯を食いしばりながら掃除をする私を誰も知らなかった。






第3話に続く

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