001.どこなんだ、ここは。
異世界に行ってしまったおばさんの話。
奴隷なんかも出てきます。
逆ハーレムとかあるかもしれない。
スピリチュアルに造詣が深いとは言わないが、ある程度は知識があり、サイキックな実体験もそれなりにある。
気功といわれる種類のヒーリングを実生活でも行ってお金を得ていたし、カウンセリングも含め占い師的なこともやっていたからそういう意味では異世界のヒーラーというのも馴染みがあるかもしれない。
が、あくまで普通の感覚を持った常識的な女性で、世間一般で言えばおばさんといわれる年代。
最近は40代でも若く見えておしゃれな人が多いから、あまりおばさんという意識はしていないが、好き好んで女の子とはいえないし、言いたくない。
自分でつっこむのは悲しいモノがあるし。
職歴は喫茶店のウェイトレスから事務、そして技術職であるシステムエンジニア、営業と幅広く経験してきた。
だから視野が狭いわけでもなく、いろんな視点からモノを見る客観性には自信がある。
カウンセリングもしてきたから、善悪のジャッジをすることもしない。
カウンセラーというのは自分の正義を振りかざしていてはカウンセリングにはならない。
相手の立場に立って物を見て、相手の価値観を損なうことなく何が一番いいのか、何が必要なのか考えることができなければならない。
そして相手の感情に一定以上同調することもしてはならない。
そんなことをしていたら心を病む。
クライアントの心の痛みや闇をいちいち取り込んでいたらとんでもないことになる。
自分は自分、相手は相手。
そう理解できて実践できないものはカウンセラーには向かないだろう。
他人に成り代わって判断を下し道を示すのは支配だ。
こうしたほうがいいとかああしたほうがいいなどと言うのは一種の支配欲。
一番効率がよく、正しいと思われる道があっても、選ぶのはその人。
その人の人生はその人が選び責任を負う。
責任を負えない他人が口を出すのは相談されてからで、でしゃばってはならない。
カウンセリングや占いで勘違いしやすいのは自分が偉いと思いがちなところ。
「先生のおかげで気持ちが軽くなりました!ありがとうございます!!」
「先生の占いが当たって彼と仲直りができました!!先生スゴイ!!」
なんて毎日言われてたら天狗になってしまう人は多い。
すごいのは、努力した本人で乗り越えようと頑張ったこと。
私ができることは問題を見せただけ。
乗り越える力が無ければ、問題は解決しない。
心を強くするのも弱くするのも本人次第。
だから、凄いのは本人で偉いのも本人。
一番えらいのは自分自身なんだと、自信を持たせ自立の手伝いをするのがヒーラーとしての私の仕事。
これを間違えて、相手に依存させて
「先生見て下さい!!」と一ヶ月に何度も鑑定をするリピーターとなってしまってはならないのだ。
占いもヒーリングも必要の無い世界が人の世にとって最高の世界なんだと私自身は思っている。
エクソシストも同じ事。
世間一般では知られていないが、悪魔憑きと言われるような症状が起こるのは9割が心と体の病である。
残りの一割がどうにも説明がつかない奇跡のような悪魔的な出来事が起こる。
普通の神父では到底処理しきれない心の闇を神父の中から任命されたエクソシストが癒すのである。
聖人、つまり神に愛されている程悪魔に目をつけられやすいという。
または、その人にとって最悪の試練が訪れるものである。
イエスも悪魔の試練があったのは聖書にも載っている。
かのマザーテレサはある時を境に神の存在を感じられなくなったという。
宗教家として、自分にとっての根源であり、存在の支えである神を感じられないというのは、愛する家族を全て亡くした以上の喪失感であろう。
生きていく意味が見出せないにも等しい。
まさしく悪夢だ。
それでも彼の聖女は生き抜いた。
神の愛を実践し続けた。
奇跡を起こし、苦しむ人に愛を与え続け、寿命を全うし、見事試練を終えた。
話は逸れましたが、そんな普通の女性である私が何故こんなところにいるのでしょうか。
ここはどこかのテーマパークなんでしょうか。
それとも映画のロケとかドッキリとか、どこかの遺跡とかなんでしょうか。
目の前には下町というか市場というか商店街が展開してあるのですが、
どう見ても日本じゃない。
こんな建物というか街は日本ではありえない。
どこなんだここはっっっ-------!!!
おばさん逆上。