ガレリアに逗留される。たまには商人をやるか!
ゼノさんから連絡がありました。
25分くらい経ったでしょうか。
アンドレさんと領主館に行き、領主と会い話をしたそうです。
ホントにフルスロットルで行ったんだね。アンドレさん大丈夫かしら?
衛兵の手配をして、出迎える準備をしてくれているそうです。
ゼノさんにご苦労さまと伝え、この後のことを聞くと...
「衛兵と一緒に待つ。」
と返事が帰ってきました。
「じゃあ少し待っててね」
そう言って通信を切りました。
その後は何事もなく、私達はガレリアに到着しました。
「ミイナお疲れ様」
「うん。ありがとう。」
ゼノさんが迎えに来てくれました。
「盗賊は牢のある場所まで、トラックを走らせるそうだ。ザハークは衛兵についって行ってくれ。他はアンドレと一緒に領主館に行くぞ。」
アンドレさんは馬に乗っていました。(なんか顔色が悪い様な...)あと1人馬に乗った人がいるから、あの人が衛兵かな?
私は一応トラック全体に、クリーンの魔法をかけた。
何とは言わないけど、汚れていたらやだし!
そうして私達は領主館に向かった。
領主館の敷地に入ってから間もなくして、馬車止めの様なところにキャンピングカーを止め、トレーラーハウスから、外に出てもらった。
「ルイ!ロザリー!」
子供の名前を呼びながら、淑女が走り寄ってきた。
「「お祖母様!」」
おお!お祖母様!若いねー!
まだ30代でも通りそうな見た目だね!
「ヴィクトール、怪我は無いか?」
こちらは領主様かな?ダンディです!
「父上、ご心配をお掛けして申し訳ありません。」
「よい。帰って来れたのだ。まずはしっかり休みなさい。」
「はい。ありがとうございます。」
「して、そちらが息子夫婦達を助けてくれた者達かな?」
「そうです。S級冒険者の方達です。」
勇者一行の方たちはこの街では、冒険者を名乗るつもりらしい。
「皆さんが全員S級とは......こんな奇跡の様な事...」
「私達はエリュシオンから、彼らはアステリアから観光に来ているのです。港街ラステリアで意気投合しまして、しばらく一緒にと行動しています。たまたま盗賊に出くわしてしまい...」
前に考えていた設定です。
S級冒険者もそうそうはいないので、出身大陸を別にすることにしたのです。
「観光ですか。たまたまこちらにいらしたと!その奇跡に感謝を!」
領主様は声高に感謝されていました。
「盗賊の処理と懸賞金の準備に日数がかかる。部屋を用意するので、そちらで休んでくれ。」
「いえ冒険者ですので、ギルドに報告したあと、ギルド内の駐車場で待機をしております。」
ゼノさんが断ってくれた。
「駐車場?しかしそれでは感謝が伝えられん!」
「旦那様、皆様冒険者です。気疲れも致しましょう。しかし彼らは馬車に寝泊まりしているとの事。私達が乗ってきた馬車も、とても快適でございました。領主館の宿舎前の広場に馬車を停めて頂くのはいかがでしょう。」
メルキオールさんが救いの手を差し伸べてくれた。
領主は少し考えそれで良いか?と聞いてきた。
全てを突っぱねるつもりもないのでそれを承知した。
「それでは晩餐は一緒にしよう。」
そう言って屋敷の中に入っていった。
私達はメルキオールさんの案内で、キャンピングカーを駐車した。
「メルキオールさん、領主様への口利きありがとうございました。」
「いえいえ、この程度何のお返しにもならず、盗賊から助けてもらい、あの素晴らしいティーセットを貸してもらい、美味しいパンケーキを頂き、ここまで連れてきてもらい、恩をお返し切れない程です。」
おお、一気に畳み掛けられた。
あのティーセット気に入ったのか。
「メルキオールさん、あのティーセット気に入った感じですか?」
「ええ!ええ!あの様な素晴らしいティーセットは、初めて使わせて頂きました!」
良し!売ろう!
「メルキオールさん、私冒険者ではあるのですが、商人もしておりまして...」
私は商人ギルドのカードを出す。
そして机を出し、ティーセット、カップとソーサー、ティースプーンを数点出していく。
「これは......素晴らしい!ミイナ殿、すみません。奥様をお連れしても良いでしょうか?」
「私が伺いますよ。」
「それでは一緒に来てください!」
メルキオールさんの後ろに、ぶんぶん振られるシッポが見えるようです。
「ちょっと行ってくるねー」
勇者一行にここを離れるといい、メルキオールさんの後ろを付いていく。ゼノさんも一緒行くらしい。
「奥様もお茶がお好きで、珍しいティーセットを集めておられます。先程の物でしたら、全て頂く可能性があります。」
歩きながらメルキオールさんは話してくれました。
扉の前に来てノックをすると、マロンさんが開けてくれました。
「奥様は?」
「ルイ様とロザリー様と一緒にいます。」
そう言って中に入れてくれました。
「奥様、ティーセットの件で参りました。」
「ティーセット?あらそちらは先程の方ですね。先程は失礼しました。この度は皆を助けてくださりありがとうございます。」
そう言って頭を下げた。
「いえ、大丈夫です。頭をあげてください。」
「ありがとう。それで?ティーセットの件とは?」
「こちらのミイナ殿はS級冒険者でありながら、商人もしているとの事で、ティーセットを売ってくださるそうです!」
「あらあら、メルキオールがこんなに興奮しているのは、珍しいわね。」
「見てくだされば分かります!」
メルキオールさん大興奮です。
「でわ、見せて頂ける?」
「はい」
私は机の上に先程出した物を出していく。
「こちらがティーポット、シュガーポット、ミルクポットのティーセットです。こちらがカップ、ソーサー、ティースプーンのセットになります。」
ガラス製、陶磁器製、銀製などなどのセットを出していった。
「.........まぁまぁまぁ!なんて美しいのかしら!素晴らしい!」
「そうでしょう!そうでしょうとも!奥様、このセットで飲むお茶は格別でございます!」
「そうね!そうね!その通りよ!メルキオール!全て買取るわ!」
2人の興奮が冷めやらぬうちに、ひとつひとつ金額を伝え、請求書を発行する。
全部で50万程使ったが、聖貨1枚になるよう請求書を作った。
ぼったくりである。
「まぁまぁ!こんなにも安くして頂けるなんて、なんとお礼をしたら良いのか...」
安いらしい...もう少し上乗せしておくべきだった。
私はつまらなそうにしている子供たちに、手でこっちに来るように振りました。
「「お姉ちゃんなーにー?」」
「お利口さんに待てて偉かった2人にはご褒美です!」
そう言ってガラス製の小物入れに入った飴を上げました。
「「わー!綺麗!お姉ちゃんありがとう!」」
「どういたしまして!」
子供たちの笑顔に癒され、こうして領主館在中が始まった。
私は度々奥様に呼ばれ、珍しいものはないかと聞かれるのであった。




