弱かった
パッパラーの独り言です。
俺はパッパラー
ラステリアという港街で、高ランクのB級冒険者をやっていた。
俺の他にはそうそう高ランクはいない。いても2人か3人だ。それでも街にいつもいる訳ではない。
俺は昔から腕っぷしが強くて、負け無しだった!弱い奴らは俺にはペコペコして、おこぼれに預かろうと近寄ってくる。
酒場も花街も俺が行けば、袖に金を入れてきては問題事を頼んでくる。
逆らう奴がいれば、そいつを痛めつけて街から追い出す。
街の奴らは俺を忌み嫌うが、そんな事はどーでもいい!
ギルマスや副ギルマスが、うるせぇ事を言ってくるが、俺は気にしねぇ!
俺は俺の好きなように生きるんだ!
そんなある日、俺は冒険者ギルドで、綺麗な姉ちゃんを見つけた。
今まで見てきた女なんか目じゃねぇほどの、べっぴんさんだ!
俺はすぐに行動にでた!
この女を俺のものにするんだと息巻いていたんだ。
姉ちゃんは掴んでいる俺の手首に手をかけ、嬉しそうに微笑んだ。
それは美しい笑顔だった。
だが、俺の運はここまでだった。
今までかけられたことのない、威圧をかけられ、手首を折ろうとしてきた。俺はガタガタ震えるのが精一杯だった。
そのうちギルマスや副ギルマスがきて、俺たちを降格すると言ってきた。そして誰か知らない男に、冒険者登録の剥奪を言われた。
俺はカッとなり剣を振りかざし、姉ちゃんを切ろうとした。
姉ちゃんの横にいた男に、剣を弾かれ、切っ先を首元に向けられ動けなくなった。
その男と姉ちゃんはSランク冒険者だった。
S級冒険者の殺害未遂で、俺は牢にいれられた。
街でやったことも全て調べられ、鉱山に送られることになった。
俺はどこで間違えたんだ?
あの姉ちゃんにちょっかいをかけなければ、俺はまだ冒険者をしていられたのか?
だが、1つ知った。
ギルマスの言うように、俺は井の中の蛙だってことだ。
あの二人の威圧を思い出しても、未だにガタガタと体が震えてくる。
剣を弾かれ、切っ先が喉元を狙われる瞬間の恐怖。
一生忘れないだろう。
S級とはあんなに常識外れの強さを持っているんだな。
俺は弱かったんだな……




