泣きながら歩く成人男性、ドン引きです。
結局昨日は登録と買取で終わり、市場には行けなかった。
なので、今日は朝から来ています!
朝ごはんもここで食べるんだ!
楽しみ!
「ゼノさん、ここの名物はなにかな?」
「大きな貝の焼き物だな!」
「貝かぁ。楽しみだね!」
私は終始ニコニコしていました。
屋台には列が並んでいるところもありました。もちろん並んで買いましたよ。日本で言うところの、さざえとホタテでした。
「いただきます!」
さざえを1口頬張ると美味しいです。だけど、少し物足りないの。
「……」
「どうした?美味しくない?」
「んー…少し物足りない…」
「何が?」
「味が……あっさりしすぎ!」
私はカセットコンロと網を出して、さざえとホタテを置いて少し加熱させる。さざえには出汁醤油、ホタテにはバターと醤油を加え焼いていく。ゼノさんのも引き取って焼いていく。
「美味そうな匂いがする!」
「もう少し待ってね。」
私はふつふつと焼かれる貝を見ながら、おにぎりも焼こうとアイテムボックスからだした。
空いてるとこにおにぎりを乗せて、こちらには作り置きの柚子みそを塗っていく。
ゼノさんはまだかまだかと、ソワソワしている。
ようやく焼き上がり、皿に装うとした時、ゼノさんが私の前に立ちはだかった。
「?…どうしたの?」
ゼノさんはある1点を見つめていた。そこには1人の男性が驚いた様子で、こちらを見ていた。
「何か用か?」
ゼノさんの問に男性は、喉をゴクリとして私の方を見る。
「おいっ!聞いているのか?」
ゼノさんが強めに言うと、男性はフラフラと何か言いながら、こちらに近ずいてきた。
「バター醤油…味噌…」
「ちょっ!」
男性はゼノさんを交わして、カセットコンロの前に膝まづいた。
「バター醤油!味噌焼きおにぎり!」
私はその発せられた言葉に驚いた。この世界に来て3年、醤油と味噌を知っているい人はどこにもいなかったから…
「あっ!いた!こっちにいたよ!」
そう言って走り近ずいてきた女性は、迷いなくパコーンと持っているロッドで男性を殴っていた。
男性はよろけはしたが、同じ体勢のままだ。痛くないのだろか?
「すみません。この馬鹿が何かしたでしょうか?」
「…いえ、特には…いきなり来て、このままです。はい。」
「本当にすみません。おい!ユウヤ!何してるんだ!」
「リリアー!あったんだ!あったんだよー!」
「…何が?」
リリアーなる女性の人は男性に押されています。
「醤油と味噌!それと米!」
はーっと大きなため息が聞こえました。私の前には既にゼノがいます。ゼノの背の服を掴みながら、私は2人を眺めていました。
「………あのねユウヤ。醤油と味噌があったとする。」
「あったんだよ!」
「わかったから!話聞け!あったとしてもだ!こちらの方に迷惑をかけちゃダメでしょ!」
「……あっ……ごめん。」
「私じゃあないでしょ!」
「その、すみませんでした。」
そう言って頭を下げてくれました。
残りのメンバーかな?男性2人に女性が1人、パタパタとかけてきました。
「どうしたの?いきなり走るからびっくりしたでしょ!」
「そうだぞい。」
「何があった?」
「醤油と味噌があったらしいよ。」
「それってユウヤの故郷の調味料でしょ?手に入らないって言ってなかった?」
「世界中旅して回っても、見つけられなかったではないか。」
「ここにあったらしいの」
あっ!味噌が焦げちゃう!
私は慌てておにぎりをひっくり返した。
「良かった、焦げてない…」
「ミイナ…」
「あっ……」
ゼノは私を再度背に隠し、男性達に話しかけた。
「あんたら何者だ?いきなりきたかと思ったら、焼き物を前に動かないし、何がしたいんだ?」
「すまんかったの〜。こやつの故郷の調味料の匂いに釣られたらしい。ずっと探していたものだから、見境がなくなったようじゃ」
「故郷?」
「ああ、もう二度と行けないところじゃ」
「こいつに代わって謝罪を。申し訳ないだが、その調味料を売ってくれないか?」
「お金ならいくらでも払う。お願いします。」
仲間思いのメンバーらしい。
「ミイナ…どうする?」
「別に売るのは良いけど、買って料理とか出来るの?」
男性はハッとした顔をして、そして頭を抱え込んだ。
「料理はからっきしだものね。何を作らせても炭を作るから!自分で使えないよね〜」
「「「確かに!」」」
「うるせぇー!せっかく見つけたのに!……あぁ……」
とうとう膝まづいて泣き出した。
他の方たちは頭や背中を撫でていた。
「お騒がせしてごめんなさいね。もしよろしければ、そこの料理を売って貰えないかしら?」
その言葉にハッとして、頭を上げた男性は懇願するような目で、こちらをみた。
「まぁいいですけど、さざえとホタテはあちらに売っているので、買ってきてください。ここでは周りにはに迷惑をかけるので、ギルドの駐車場に行こう。ゼノさんこれ先にあげても良い?」
私はゼノさんに問いかける。
「まぁ泣くほどの事なら、俺は後で大丈夫だよ。」
「うん。ありがとう!」
ゼノさんが大人で良かった。
皿によそい男性に渡す。
すると勢いよく食べて泣いていた。
「君たちの分も買ってきた。移動しよう。」
そう言って箱を持ち上げていた。
まぁ迷惑料として貰っておこう。
私達はギルドの駐車場に向かって歩いた。
さっきの男性はおにぎりを頬張りながら、泣きながら歩いていた。
器用デスネ。(ドン引きです)
後に分かるが、このお騒がせの男性は、勇者様だそうです。




