冒険者になりました。
冒険者ギルドに向かって歩いています。ゼノさんは1度この街に来たことがあるそうなので、スイスイと私の歩調に合わせて歩いてくれています。
「市場は活気がありますね 」
「そうだな。登録が終わったら来てみよう。」
「はい!」
私はギルドに到着するまで、あちらこちらとキョロキョロしながら、ゼノさんの後を着いていった。
「ミイナ、ここが冒険者ギルドだ」
「はい。やはり商人ギルドより、大きいですね。」
「まあ、どこの街もこんなもんだよ。」
そう言って中に入っていきます。
中も広く、ちらほら人もいます。
ゼノさんが受付嬢に移動の旨を説明して、登録の話もしてくれています。
「S級のゼノさんが推薦なら大丈夫だと思います。今ギルマスが呼びますので、こちらを書いてお待ちください。」
「わかった。ミイナ、これ書いて」
「はーい」
私はゼノさんから渡された紙に、
あれこれ書いて受付嬢に渡した。
「はい。ありがとうございます。」
「よぉー!ゼノ久しぶりだな!」
誰だろ?スキンヘッドのマッチョがきた。
「ファルコン!久しぶり!」
ゼノさんの知り合いらしい。
「しばらくこっちにいるのか?」
「ああ。しばらくこっちを旅するつもりだ。」
「そちらの女性は?」
「ミイナだ。一緒に旅する仲間だ。ミイナ、こちらギルマスのファルコンだ。」
どうやらギルマスらしい。
海坊主かと思ったよ。ファルコンだけに……
「ミイナです。よろしくです」
「おぉーよろしく!」
「早速で悪いが、飛び級の申請を頼む。」
「飛び級?」
「ああ、ミイナは登録はしていなかっただけで実力はあるからな」
「へー。ゼノにそう言わせるとはかなりの物なんだな?」
「その通りだ。試験が終われば俺とバーティを組むつもだ。」
「そうか。じゃあ地下の演習場に行くか?」
そう言って、私達は地下の演習場に連れていかれた。
「ここで俺と戦って、実力を確認する。」
私はゼノさんを見ると
「ミイナ、全力は出さなくても良いよ。瞬殺でも良いけどな!」
「おいおい!俺が瞬殺って!いつでもいいぞ!かかってこい!」
「油断してると後悔するぞ!」
そう言ってお互いワハハと笑っている。
「……はぁ。わかった。」
私はギルマスの前に出て、よろしくお願いします。と言って移転を使い、ギルマスの後ろに移動して、指で背中から心臓の辺りに指を付けた。
「バン!」
「はぁ!?」
ギルマスは何が起こったのか分からず、後ろを振り向いた。
「だから油断するなって言っただろ!」
「待て待て待て、今のはもしかして移転魔法か!?」
「そうですよ。」
「マジかよ……」
「俺が推薦するんだ。生半可な実力じゃあねぇよ。」
「他にはどんな攻撃がある?」
「雷魔法」
「雷……」
「身を守るのに、結界魔法。」
「結界……」
ポカンとするギルマスを前に、ゼノさんが演習場の端にある、人型模型に雷魔法をあてるように指示をしてきた。
「はーい」
私は返事をしながら、雷魔法のサンダー・ジャベリン(雷の投槍)を打ち込んだ。
模型は跡形なく砕け散ってしまった。ちょっと威力がありすぎたさかな?
「どうだ?ミイナの実力は。」
「どうだって、飛び級の実力あり過ぎだろ!」
「ミイナは他にも解体魔法がつかえる。そして野営に便利な魔法もいくつも持っている。」
「便利な魔法?」
「ああ、ミイナ。ここにキャンピングカーを出せるか?」
「いいの?」
「ああ、とりあえずギルマスに見せる為だから、問題ないよ。」
私は頷いてキャンピングカーを出した。
「なっ!なんだこれは!?」
「自走の馬車だ。」
「自走?」
「馬がいらない馬車だ。これに乗って俺らは旅をするんだ。ミイナ、中を見せても?」
「うん。良いよ。」
私はドアを開けて、中へ入るよう即した。
私はゼノさんに付き添いを任せて、椅子と机を出てコーヒーを入れて飲んで待っていた。
ギルマスは中を見て回り、フラフラと疲れた様に椅子に座った。
「ゼノさん達も飲む?」
「ありがとう。貰えるか?」
「うん。用意するね。」
私はコーヒーを2つ用意してわたした。
どうにか落ち着いたギルマスは、私達を恨めしそうに見て、諦めたように話してきた。
「……はぁ。どれもが規格外だ。飛び級は認める。Sは無理だが、Aなら大丈夫だろう。」
「Sで」
「いや、実績がないからダメだろう。」
「ミイナ、今まで倒した魔獣の魔石はある?」
「あるよ。」
「ここに出して」
私は机の上に、鞄から出したようにアイテムボックスから、魔石を次々に出ていった。
「クラーケン、ゴブリンキング、グリフィン、ワイバーン、バジリスク……」
「もう良い、大丈夫だ。ミイナはS級で登録する。」
「そうだろ!」
私はS級になったらしい。
「それだけの魔石があるなら、素材もあるよな!」
「ええ、登録したのは素材を売るためですから!」
「よし!」
ギルマスはコーヒーを飲み干し、上に行くぞ!と言って立ち上がった。
私は慌てて後片付けをして、ギルマスの後を着いていった。
この部屋で待ってろ、と言ってギルマスはどこかへ行ってしまった。不思議に思いゼノさんをみると……
「多分、ミイナのギルドカードの発行の指示と、鑑定士を手配しにいったんだと思うよ。」
なるほど鑑定士かぁ。素材を売る時に必要になるからか。
「でも高ランクとは言っていたけど、Sとは思ってなかったよ。」
「俺はS級だと思っていたぞ!」
「そうなの?」
「前に討伐の話をした時に、ミイナの倒した魔獣を聞いて、絶対S級だと確信していたからな!」
ゼノさんが誇らしげに言った。
まぁ、良いか。
「待たせた。カードは発行次第持ってくる。素材の鑑定士を連れてきた。出してくれるか?」
「はーい」
私はこれまで解体してきた素材を次々とだしていく。
「ちょっと待て、どんだけあるんだよ!」
「まだまだだよ!」
「……ちょっと待て!」
そう言ってギルマスは扉を開けて叫んだ。
「手の空いてる鑑定士、受付嬢、全員集合しろー!」
人海戦術するらしい。
ギルマスの声がけに結構な人が集まってきた。
「よーし、これから鑑定士は素材を鑑定しろ。他は鑑定したものから順に倉庫へ運ぶんだ!箱と台車を用意しろー!」
テキパキと指示をだした。
私は机をもう一つ出して、その上に素材をドンドン出していった。
「ミイナ、何年溜め込んでいた?」
「うーん……2年ちょい?」
「そうか、これからは貯めないようにしよあな。大変そうだから……」
「あ〜……うん。ソウシマス。」
机に空いたスペースがでれば、そこに素材を出しての繰り返しをしていった。
結局お昼前に来たのに、夕方になりました。私も鑑定頑張ったよ。
ゼノさんが私も鑑定持ちだと、ギルマスにチクったのだ。
まぁ、そうでもしないと今日は終わらなかったよ。ある意味自業自得感が満載だけどね。
頑張った鑑定士さんや受付嬢さんに、お礼のお菓子の詰め合わせを贈呈したよ。
カードと鑑定明細を貰って、(お金はカードへ振込み)駐車場を借りたよ!
ようやく冒険者になりました!




