告白
結婚式から1週間が経ちました。
私はその間、ゼノさんに2回お酒を売りました。
いや……だから、どんだけ飲むんだよ!
ヴァレンタイン様呼びからゼノさん呼びへ変更しました。
もう貴族に戻るつもりがないので、家名呼びは辞めてほしいと言われてしまうと呼べないよね。
あれからゼノさんは、毎日一度は私に会いに来ます。
お酒を買いに来たり、市場に誘われたり、ランチを食べに来たり、お茶を飲みに来たり……
暇か?暇なのか?
S級冒険者って暇なの?
殿下の護衛でこの街に来たそうだけど、殿下は結婚式の2日後には王都に帰りました。
一緒に帰らないのか聞いたら、王都に帰ったらお見合いが待っているので、帰りたくないそうです。
ご両親は危険な冒険者を辞めてほしいらしい。跡継ぎのお兄さんがゼノさんは自由にしても良いと、背中を押して家を出るのを協力してくれたそうです。
兄弟愛、羨ましいですね。
私も兄弟姉妹が欲しかったなぁ。
ないものねだりですね。
大丈夫!私にはナビちゃんがいます。カリーナさんもいるので、寂しくないです。
「ミイナ!」
どうやら今日は朝から来たもようです。
「おはようございます。ゼノさん」
「おはよう!今日は時間あるか?」
「時間ですか?」
「ああ。この街の近くに湖があるらしい。一緒に行かないか?」
「湖……」
湖って私がこの世界に来た時にいた所だよね……
「サモーンって言う魚が釣れるらしいだ!」
「サモーン……?」
サーモンに似たやつかな?
「焼いたヤツが美味いらしいぞ!」
じゅるり……
「行きます!」
「そうか!じゃあ出発しよう!」
私達はキャンピングカーをアイテムボックスにしまって、ギルドに向かいました。
「カリーナさん!」
「ミイナどうしたの?」
「湖にサモーンを釣りに行って来ます!」
「サモーンを?」
「ええ。ゼノさんと一緒に!」
「……わかったわ。ゼノ様、よろしくお願いしますね。」
「ああ。わかった。」
私はサモーンが気になりすぎて、2人が何か話をしているのに気づきはしなかった。
(ゼノ様、今日は湖ですか?)
(ああ。なかなか手強くてな……)
(クスっ…まぁ、頑張ってください。)
~~~~~~~~~~~~
私達は湖に到着し、早速釣りを始めました。
以前Amaz〇nで購入した、釣り道具を出しセットを始めます。
「ミイナ、それはなんだ?」
「釣り道具ですよ!」
「初めて見るものばかりだな……」
「私の故郷のものです。」
「故郷の……」
「はい、ゼノさんも使ってみます?」
「良いのか?」
「ええ。今用意しますね。」
私はAmaz〇nで、ゼノさんの分の釣り道具を購入した。
釣り始めて数時間経ち、お腹が空いてきた。2人とも何匹か魚を釣り上げたので、小ぶりのを塩焼きにしようかとゼノさんに聞いてみる。
「ああ、頼む。悪いな、俺は料理が全く出来なくて……」
「良いですよ。でも冒険者なら、野営とかあるでしよ?そういう時はどうしていたんです?」
私は魚を捌きながら話を聞いた。
「ダンジョンでマジックバックを必死に探した。」
「はあ?」
「成り立ての頃は、俺も頑張って料理を覚えようと頑張ってはいたんだ。でも、何をやっても黒墨が出来て諦めたんだ。」
「マジックバックが手に入るまではどうしていたんです?」
「日持ちの良い、パンや干し肉を持ってダンジョンに潜っていたよ。有難いことに剣と魔法には覚えがあったから、宝箱を探し、ボスを倒してやっとマジックバックを手に入れたんだ。それからは料理屋に頼んで、料理をマジックバックに入れて歩いているよ。」
「……あはは!ゼノさんも苦手なことがあるんですね!」
「笑い事ではない!死活問題だ!」
くすくすと笑いが止まらない。
「あー!笑った!でもマジックバック手に入れられて良かったですね。容量はどのくらいなんですか?」
「時間停止が付いて部屋1つ分、かなり大きい物が手に入った。」
部屋1つ分でかなり大きいのか。
3人に渡したバックはやっぱり世に出してはダメなヤツだね。
「そっ、それは良かったですね。」
私は焼きあがった魚をゼノさんに渡し、私も魚に齧り付いた。
「ミイナはこれからどうするんだ?」
「私は……旅に出ます。知らない土地に行って、綺麗な景色を見たり、美味しい料理を食べたりするのが私の趣味です。そろそろ出発をするつもりです。」
「そうか。」
ゼノさんは魚を食べながら、うつむき加減に何か言葉を探すような仕草をしていた。
「……ミイナ。その旅に俺も一緒に行っていいか?」
「へっ!?」
「俺もミイナと一緒に旅に出たい。もっとミイナと一緒にいたいんだ。」
えっ!一緒にいたい!?
「……あの、それって……」
きゃー!告白みたいです!
「俺と一緒になってほしい。」
真剣な眼差しで、ゼノさんはそう言いました。
「えっ?あのっ!一緒に!?」
私はパニックに落ちてしまいました。
あれ?一緒になる?ってどんな意味?あれ?
「ミイナ、落ち着いて。悪かった。いきなり言われても困るよな。でも考えて欲しいんだ。俺との事を。」
「…………え?う、うん。」
「この一週間、俺なりにアプローチをしてきたつもりだったけど、ミイナには伝わらないみたいだったから……」
「……アプローチ……」
「やはり気づいていなかったか…………はぁ。」
「……ごめん。」
「まぁ、いい。どうかな?考えてくれるかな?」
「……あ、うん。……考える。」
咄嗟に考えると言ってしまった。
「ありがとう。自分で言うのもなんだが、背は高いし、顔も整っている方だ、金もある、S級冒険者し、バックには公爵家が着いている。お得じゃないか?」
確かに…………お得だね。
この一週間、一緒にいても話をしても嫌な感じはなかった。
でも……私は彼を好きになれるのか?
私は彼をじーっと見てみた。
身長高い。顔はイケメン。S級冒険者だから腕っぷしもバッチリ。お金も持ってる。
どう考えてみても最アンド高!この上ないのだが!
あれ?意識してみると……
「……ミイナ、そんなに見られると恥ずかしいのだが……」
耳を赤く染めてゼノさんはそう言った。ちょっと可愛いかも……
「あっ、ごめんなさい……あの、その……」
「どうした?」
「少しパニックで……でも!きっ気持ちは嬉しかっただす。!」
わー!!かっ噛んだ!
恥ずかしい⁄(⁄ ⁄>⁄-⁄<⁄ ⁄)⁄
「ふふふ!……だす!って、可愛いなぁ!」
「うううう…………」
ゼノさんは私の頭の上に手を置いて、なでなでしたくれました。
私は手を真っ赤であろうほっぺたにあてて、冷ますようにさすっていた。
「ミイナにとってはいきなりのことだったと思う。でも俺にとっては一目惚れだったんだ。もし、嫌でなければ俺にチャンスをくれないか?」
「……チャンス?」
「しばらく一緒に旅をしてみないか?商人には護衛は必須だろ!」
「護衛……、S級冒険者を護衛?」
「そう!」
「うふふ。随分豪華な護衛だね。」
「ダメ……かな?」
少し自信なさげにゼノさんは聞いてきました。
「いいですね!S級冒険者の護衛!贅沢です。まだ、私の気持ちはどうなるか分かりません。でもゼノさんと一緒にいたいと思います。」
「そうか!じゃあ!」
「はい!一緒に旅をしましょう!」
「あー……良かった……」
ゼノさんはその場で手で顔を隠ししまいました。くぐもった声で、「ミイナが旅に出るまでに、どうにかしないとって……緊張したー……」
そう言ってしばらく座っていました。




