バード商会
納品を終えた私はキャンピングカーに戻り、これからの予定をたてていた。
「多分、1週間くらいはここにいた方が良いから、とりあえず明日、市場に行こうかな。ナビちゃん、この街は何が有名なの?」
「この街はユランと同じ海鮮が名物です。」
「海鮮かぁ、海鮮はユランで買い漁って来たから、まだまだあるんだよなぁ。でも食べ歩きはしたいなー。よし!明日は朝から市場を見に行こう!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日は朝食は取らず、市場へやったきた。
「屋台で食べ歩きだ!」
ユランと同じような屋台が並んでいた。その中で、美味しそうな物を買っては食べた。
「うーん、お腹がいっぱいだ!」
昔から少食気味の私は、この世界に来てもやっぱり少食気味なのが怨めしい。
少しずつ量を増やしたら、胃は大きくなってくれるかなー?
そうだといいなー
私は市場を後にして、ギルドに戻る帰路についた。
帰る道すがら、大きなお店の前を通りかかった時、中から大きな声で名前を呼ばれた。
「ミイナさん!」
振り向くとメイさんが店から顔を出していた。
「メイさん!」
「ちょうど良かった。もし時間があったら寄って行きませんか?」
「それは構わないですが、お忙しいのでは?」
「大丈夫です。従業員もいますし、出来たら父にあって欲しいのです。連れ帰ってきてくれた従業員の件で…」
「わかりました。お邪魔します。」
「ありがとう。早速、父の書斎に案内しますね。」
私はメイさんの後をついていった。書斎に着くまで、私はアイテムボックスの中で、聖銅貨を5枚ずつ4つの布袋に入れ、聖貨3枚布袋に入れた。
「ミイナさん、どうぞ。」
「失礼します。」
中に入ると、ダンディなおじ様がいた。
「ミイナさん。父のフェリクスです。」
「始めまして、ミイナです。」
「バード商会のフェリクスだ。今回は従業員を連れ帰っていただきありがとう。」
深々と頭を下げられた。
うん。従業員を大切に出来る人だ。
「頭をあげてください。当然のことをしたまでです。」
「そうか、だが、君のお陰様で家族に合わせることが出来た。感謝する。」
「はい。お言葉お受け取り致します。」
「どうぞ、座って!」
メイさんに即されソファーに座った。
「父さん、ミイナさんは石鹸の納品者なんです。今回は倉庫いっぱい納品してくれました。」
「おおー、石鹸の君でしたか!」
石鹸の君?なんだそのひかるの君みたいな言い方は!
ハズ!恥ずかしい!
「……石鹸の…君?…」
「石鹸を下ろして貰っている商会の中で、ミイナさんのことを、そう言って崇めているみたいです。」
「…ぇえ…」
「石鹸のお陰様で、商会を立て直せた奴らも多いんだ。だから敬意を込めてそう呼んでいるらしい。」
「はぁ、そうですか……」
納得はいかない、でも分からなくはない。諦めよう。
「あはは…」
「商人としての商才はあり、人格者でもある様だ。天はミイナさんを愛しているようだね。」
「そんな大層な者ではありませんよ。」
「いやいや、今回のようなことはなかなかできませんよ。」
「乗りかかった船ですよ。亡くなられた方のご家族は?」
「……稼ぎ頭を亡くしたのです。これからが大変でしょうな。」
「…そうですか。…ではこちらをお渡し願いますか?」
私は布袋を4つ机の上にだした。
「これは?」
「お見舞い金です。少ないですが残されたご遺族の方へ。このお金は盗賊団の宝物庫にあったお金です。こんなお金でも、ご飯が買えます。何かの役には立つと思います。そして、こちらはバード商会へ見舞金です。」
もうひとつ布袋を出した。
「…よろしいんですか?盗賊を倒し宝物庫の中身は、見つけた貴方の財産になるはずの物ですよ?」
「泡銭身につかずと言います。そして今の私には、そこまで必要としていません。必要な方にお渡しするのが良いと思います。」
「……わかりました。お預かり致します。後で遺族に渡しましょう。ありがとう。」
「はい。お願いします。」
その後は石鹸の話や、オークションの話をした。
時間も程よく経過したところで、お暇をした。
フェリクスさんはなかなか豪快な方だった。学ぶところも多い。話が出来て良かった!
別れ際に…
「ミイナさん、何かありましたら、このフェリクス役に立ちましょう。いつでも連絡してください。」
「ありがとうございます」
そう言って、握手をしたくれた。
バード商会は大店だ。
そんなところに、ツテが出来て良かったと思う。
何かあった時、助けてもらおう!
バード商会にて
「メイ、ミイナさんは中々の人格者だね」
「そうですね。」
「宝物庫の金を泡銭と言ったり、先程の布袋の中を確認したのだが、聖銅貨が5枚も入っていたよ!バード商会へは聖貨3枚も入っていたよ!」
「そんなに?……はぁ、ギルドに行ったら、またお礼をしておきます。」
「何かと気を配りなさい。あの様な人は他にいないからね。大切になさい。」
「わかりました。」




