ユーサスに到着。やっと休める
作った豚汁とパンを持って外に出る。おわんに豚汁をよそい、みんなに配って食べてもらう。
食べながら自己紹介をしてもらった。
「私はミイナです。商人をしています。ユランからきました。」
「私は行商人のボリスです。ユーサスに向かって、定期馬車に乗っていました。」
「私は冒険者のルシアンです。私も定期馬車に乗って、ユーサスに帰る所でした。」
「私は大工のマリウスです。この子は息子のリックです。ユーサスに住んでる親のところへ向かって、定期馬車に乗っていました。」
「皆さん、同じ馬車に乗っていたの?」
「「「そうです。」」」
「そうなの。」
確か宝物庫にまとめてあった荷物があったな…
「ねぇ、もしかしてだけど、これってあなた達の荷物?」
アイテムボックスから荷物を出して見せた。
「私の鞄だ!」
「俺の槍だ、バックも!」
「私と息子の荷物も!」
「「「ありがとうございます!」」」
「いえいえ。持ってきて良かったです。」
皆荷物を抱えて喜んでいた。
リック君が私の服をちょんちょんと引いてきた。
「どうしたの?」
「お…姉ちゃん、助けて…くれてありが…とう!」
何だこの可愛い生き物は!
「どーいたしまして!」
私はリック君の頭を撫でながら答えた。
「ユーサスに着いたら、警備隊の方が待っているから、疲れてると思いますが、明日は早く起きてください。」
「警備隊ですか?」
「はい。先程、ユランの商人ギルドに連絡しておきました。ユランから、ユーサスの商人ギルドへ連絡をしてもらう事になりました。」
「それはミイナさんのスキルか何かで、連絡したのですか?」
冒険者のユリウスさんから疑問を投げられた。
「はい、そう思っていただいて大丈夫です。とにかく、明日にはユーサスに着きます。事情聴取などあると思いますが、頑張りましょう!」
そう言ってまとめた。
「あっ!あと夜は私の結界魔法がありますので、しっかり休んでください。」
そう言って、私は盗賊団の乗っている馬車に行った。
「サイレント解除」
「………」
「もう話しても大丈夫よ。」
そう言った途端、腹減っただの、トイレに行かせろだの、早く拘束を解けだの、ワイワイガヤガヤとうるさいいのなんの。
「サイレント!もううるさいなぁ!色々聞きたかったけど辞めた!飯もトイレもなし!我慢出来ないなら、お漏らししとけ!明日の朝、クリーンぐらいはかけたげる。じゃ、おやすみ!」
私は盗賊団をそのままにして、キャンピングカーで寝た。
「……マ……ーマスター!朝ですよ!起きてください!」
「ナビちゃん、今何時?」
「朝の5時です。朝食は捕虜の方の分も作ってあります。キッチンから持っていってください。」
「……ありがとう。顔洗ってくる」
私は顔を洗い、服を着替え、キッチンにあるワンプレートの朝食を、2つ持って外に出た。
ちょうどマリウスさんがいたので朝食を渡し、他の人にも取りに来るよう伝えた。
「朝食までありがとうございます」
それぞれお礼を言われ、一緒に食事をした。
食べ終えると、盗賊団の乗る馬車を見に行くと、臭いが酷かった!クリーンを掛け、すぐにユーサスへ向かった。
こんな奴らと一時でも一緒にいたくない!
「さぁ、あと少しです。頑張りましょう!」
馬に負担が掛からない程度に急ぎ、ようやくユーサスが見えてきました。
門番にも見えていたのか、少しして警備隊の人が何人も出てきました。
「警備隊の人が出てきたねー」
「本当ですね。これでやっと安心ですね」
門に近ずくと警備隊に声を掛けられた。
「商人のミイナさんはいらっしやいますか?」
「はい。私です。」
馬車を停めてもらい、降りて警備隊に近ずいた。
「商人ギルドより連絡をいただき、お待ちしておりました。盗賊団は?」
「はい。後ろの馬車に乗せています。」
「確認させていただきます。」
「どうぞ」
警備隊は何人かで、後ろの馬車を覗き込み確認をしていた。
「確かに、盗賊団名 黒鉄の牙 リーダーはガリアス・ヴォルグ に間違いありません。」
「ミイナさん、後ろの馬車の状態は、いったいどうなっているのでしょうか?」
「私の拘束魔法と結界で、まとめております。もしそのままでよろしければ、牢までフライで届けますがいかがでしょう?」
「それは助かります。牢屋の前で結界を解く事は可能でしょうか?多分ひとつの牢に全員は無理かと…」
「大丈夫ですよ。結界を解いても拘束は解けないので!」
「よろしくお願いします。牢に入れたら、拘束を解いていただいて大丈夫ですので。」
「わかりました。」
「このまま馬車で警備隊の宿舎まで行ってもらい、他の方は事情聴取を、ミイナさんには牢屋へお願いします。」
そう言って引率をしてくれた。
警備隊の人に連れられ、牢屋まできて、結界を解いて牢に入れて行った。全員入れ鍵が掛けられたのを確認して、拘束も解除した。
「そう言えば、こいつら随分大人しいですねー」
「もう諦めてんじゃねーの?」
「あっ…すみません。昨日あまりにもうるさかったので、サイレント魔法をかけてました。」
「あーなるほど、解除は可能ですか?」
「はい。サイレント解除!」
解除したとたん、怒号の罵声が飛んできた。
「ねっ!うるさいでしょ!」
「本当ですねー。今回は本当にお疲れ様でした。上に行ってお話を伺っても?」
「はい。大丈夫です。」
私は警備隊の人と、牢屋を後にした。
「黒鉄の牙 リーダーはガリアス・ヴォルグ の盗伐、捕縛、ありがとうございます。」
「はい。」
「他の方は軽く事情聴取を終え、宿屋へお連れしました。ミイナさんも少しお話を聞かせてください。」
「はい」
「盗賊団を捕縛するに至った経緯を教えてください。」
「はい。少し長くなりますが、私はユランからユーサスに向かって旅をしてきました。その経路で馬車が壊れ、死者が倒れていました。馬車から降り確認しようしたところに、草むらに隠れていた盗賊5人が襲ってきました。私は束縛魔法と結界魔法で盗賊を捕縛し、壊れた馬車と死者をアイテムボックスに入れ、盗賊は草むらに転がし、アジトに向かいました。アジトでも同じ魔法を使い捕縛、捕虜となっていた人達と、馬車に乗ってユーサスにきました。こんな感じです。」
「ありがとうございます。他の人達と概ね同じでした。ところでアイテムボックスに入っている、馬車と死者は出していただいても良いですか?」
「はい、広い場所はありますか?」
「訓練場にお願いします。」
私は訓練場に、回収した馬車と死者を出した。
小さな子供まで被害にあって、いたたまれない。
「この馬車は……」
「ご存知ですか?」
「はい。…多分この街に店を構えるバード商会の馬車かと…」
「もし、ご家族がいるのでしたら、お返ししてあげてください。」
「わかりました。…おい!バード商会へ連絡しろ!」
「はっ!」
1人の警備隊が走っていきました。
「馬車と死者はこちらで預かります。盗賊団には懸賞金がかけられています。支払いもありますし、しばらくユーサスに留まっていただけますか?」
「わかりました。私は商人ギルドの駐車場に泊まりますので、何かありましたら、そちらにおいで下さい。」
「わかりました。本日はありがとうございました。」
私は会釈して、警備隊の宿舎を後にしました。
商人ギルドに向かい、駐車場を借りれるか聞いてみた。
「ギルドカードの提出をお願いします。」
「はい、どうぞ。」
「…ミイナさんですか?」
「そうですよ」
「ギルマスがお待ちです。このまま2階のお部屋にご案内致します」
疲れてるんだけど…
休みたいんだけど…
……はぁ…
「ミイナさんをお連れしました」
「どうぞ!」
「ミイナさんどうぞ!」
受付嬢が扉を開けてくれた。
「失礼します。」
「おおー、君がミイナ君か!待ってたよ!」
中にはギルマス?ともう1人、副ギルマスかな?
「私がユーサスのギルマスのニルスだ!」
ニルス…何か昔のアニメにいたなぁ?ガチョウのアニメだったかな?
「私は副ギルマスのメイよ。よろしくね」
メイ…とうもろこし持ってネコバスに乗ってたな…
ユーサスはアニメ縛りか?
「ミイナです。よろしくお願いします。」
「昨夜、ユランのカイルから、水晶通信がきた時はびっくりしたぞ!盗賊団を捕縛したと言うじゃないか!警備隊に連絡入れて、上へ下への大騒ぎだったよ。」
「その節はありがとうございました。お陰様で無事、警備隊に引渡しが出来ました。」
「疲れてるとこ悪いが、事情を聞いていいか?」
仕方ない。
警備隊で話したことを、そのまま話した。
「なるほどな!よくわかった!」
「その壊れた馬車と死者というのは?」
副ギルマスのメイさんが聞いてきた。
「馬車は警備隊の人が言っていたんですけど、この街のバード商会の物だと思うと」
「バード商会ですって?それは本当なの?」
「…多分?警備隊の人がバード商会に連絡をしに走って行きましたから…」
「死者は何人いましたか?」
「男の子が1人、男性が3人でした」
「ギルマス、今日は帰ります!」
「ああ、わかった。」
メイさんはすぐに部屋を出て行きました。
私が驚いていると…
「悪かったなぁ、バード商会はメイの実家なんだ。」
「あー……それは仕方ないですね。心配でしょう。」
「ミイナ君も疲れただろ!駐車場は空いているから、休むといい」
「ありがとうございます」
私は部屋を出て、受付嬢に駐車場に案内してもらった。
キャンピングカーを出し、中に入るとソファーにダイブした。
「やっと休める!」




