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第99話 些細なこと
温めのシャワーで全身を綺麗に洗ってから
僕はユニットバスを出た。
ドアを閉める時、
浴槽で窮屈そうに体を歪めた娼婦の死体が
目に入った。
イイ女でイイ体だったが、
Sっ気が癪に障る女だった。
やはり女は素直で従順なMがイイ。
服を着乍ら
僕は床に転がっている六条の死体に
ぼんやりと目を向けた。
未亡人の着ているジャージが乱れて
ふくよかな白い腹が覗いていた。
その時。
ふと些細なことが気になった。
六条を殺したのが西岡だったとして。
六条の死を聞かされた時の西岡の反応には
違和感があった。
それに。
髑髏の小瓶はどこに消えたのか。
それとも消えたというのは六条の嘘で、
彼女がどこかに隠したのか。
千雪の推理によると
髑髏の小瓶を支給されたのは
六条ではなく郷田ということだった。
つまり。
あの時。
もっと念入りに郷田の部屋を調べていたら・・。
どちらにせよ。
今更どうでもいいことだった。
「ふぅ」
僕は大きく息を吐いた。




