第83話 3枚のカード
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・私の考えは西岡さんとは違います」
ふいに千雪が口を開いた。
「鈴木さん、
お手数ですがそこにある『クラブの2』を
見せてくれませんか?」
「う、うん」
僕はカウンターの上の『クラブの2』を取った。
そして。
千雪の前の小さな丸いテーブルの上に
それを置いた。
「ありがとうございます。
それと。
鈴木さんの『クラブの6』も貸して下さい」
「えっ?」
千雪の意図がわからなかったが、
僕は言われるがままに
『クラブの2』の隣に『クラブの6』を置いた。
千雪は2枚のカードを重ねると
ポケットから1枚のカードを取り出して
僕に見せた。
それは『クラブの8』だった。
「先ほど六条さんの部屋で拾った物です」
次に千雪は先ほどの2枚のカードに
『クラブの8』を重ね合わせた。
そしてただ一言、
「やっぱり・・」
と呟いた。
「やっぱり?」
僕が首を傾げると少女は大きく頷いた。
「恐らく。
【犯人】は六条さんです」
「はへっ!」
予想外の言葉に、
僕の口から奇妙な言葉が飛び出した。
「証拠はこれです」
そう言って千雪は3枚のカードを掲げた。
それでも。
僕には意味がわからなかった。
僕はふたたび首を傾げた。
「これらのカードですが。
『クラブの2』と『クラブの6』は
ブリッジサイズですが、
『クラブの8』はポーカーサイズです。
つまり。
六条さんのカードは偽物です」




