81/114
第81話 【犯人】
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「こ、これは・・」
「見ての通り【市民】のカードだ」
「一体どこで・・。
まさか。
郷田さんの部屋にこれが?」
僕は恐る恐る西岡の表情を窺った。
西岡は僕の方を見て白い歯を見せた。
「ああ。
正確には郷田のズボンの後ろポケットに
入っていた」
「・・し、死体を調べたんですか?」
千雪が怯えたような表情で西岡を見た。
「そんな目で見るなよ、お嬢ちゃん」
西岡が「くっくっく」と笑った。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
僕は一度深呼吸をした。
「・・つまり。
これで。
郷田さんが【市民】であることが証明された」
それが意味することは・・。
【犯人】は西岡か千雪のどちらか一方、
ということになる。
僕はゆっくりと視線だけを動かした。
西岡はカウンターに肩肘をついて
ジンジャーエールの瓶を揺らしていた。
千雪は『カルーア・ミルク』の入ったグラスを
両手でギュッと握り締めていた。




