60/114
第60話 【探偵】
「一応、1人を除いて全員揃ってるようだな」
そう言うと宮崎は室内を見回してから
ビリヤード台の近くの椅子に腰を下ろした。
西岡はそのビリヤード台の上をチラリと見てから
そのまま柱時計の隣へ移動した。
菅野はグラスに口をつけていた。
千雪は不安そうにキョロキョロと
視線を動かしていた。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「儂が【探偵】だ」
ふいに宮崎が何の前置きもなくそう言った。
僕と千雪は顔を見合わせた。
菅野は興味なさげにカウンターで
グラスを揺らしていた。
西岡は腕を組んで笑みを浮かべていた。
「・・どうして今。
このタイミングで名乗り出たんですか?」
千雪がゆっくりとそして静かに訊ねた。
「お嬢ちゃん、それは簡単なことだ。
【犯人】の目星がついたんだよ。
【犯人】はこの中にいる!」
そして宮崎が推理小説でお馴染みの台詞を
高々と宣言した。




