第57話 拳銃、髑髏の小瓶、そして手錠
「もう1つ気になることがあります」
千雪がポツリと口を開いた。
「先ほども話しましたが、
平原さんの荷物から出てきたという
アレについてです。
アレは平原さんの物だと思いますか?」
「そ、それは・・」
どうだろう。
一般人である平原が
拳銃など手に入れることができるのだろうか。
そして仮に手に入れることが可能だったとして、
どうしてここに持ってきたのか?
このゲームについては
事前に知らされてはいなかったはずだ。
それとも知っていたのか?
そういえば招待状の文面も
個々によって違うといった話も耳にした。
「六条さんの言葉を覚えていますか?
彼女はカードを引いた後、
髑髏の小瓶を門の所の女性から受け取った
と話していました」
「うん・・」
「もし彼女が真実を語っていたのであれば、
平原さんの拳銃も同じように
門の所の女性から受け取った
と考えられないでしょうか?」
千雪はそこまで話すと
グラスのドリンクを飲み干した。
「つまり。
君の考えが正しいのならあの手錠も・・」
僕は彼女の意見を肯定しつつ
空になったグラスをさげた。
「そうですね。
菅野さんは手錠については
言葉を濁していましたが、
アレも支給された物と考えると
いよいよ六条さんの話が
真実味を帯びてきます」
僕は無言で頷いた。
しかし。
そう考えると・・。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
僕は千雪が話し出すのを待った。
しかし。
少女はテーブルに肘をついて
考え込むように俯いていた。
僕はそんな彼女の姿をじっと眺めた。




