第49話 娼婦と老豚、そして死神
・郷田か平原のどちらかが【探偵】だった
たしかにその可能性を見落としていた。
しかし・・。
「そんなに都合よく【探偵】が
死んでくれるかしら?」
僕の考えを菅野が代弁した。
「まあ、あくまで可能性の話だ。
俺だってそう都合よく
【犯人】が【探偵】を
殺せたとは思ってねえよ」
西岡は「くっくっく」と笑った。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「どうしてそんなに【探偵】を
炙り出したいんだ?」
その時。
宮崎の濁声が沈黙を破った。
「たしか・・。
【犯人】の報酬に関してだが、
【市民】を殺した場合は3000万円。
【探偵】を殺した場合は5000万円だったな?」
そして宮崎はこの場にいる全員の顔を
ゆっくりと見回した。
「【犯人】にとっては
【探偵】を見つけ出すことが
報酬の面でも、
自分の身を守る上でも
最優先事項・・ということだな?」
宮崎の視線が隣の菅野の所で止まった。
「何よ?
まさか私が【犯人】って言いたいの?」
「いやいや。
深い意味はない。
ただ・・。
郷田を殺す機会は
2階を調べに行ったお前さん達3人にもあった。
その内、
1人は殺されて、
もう1人は【市民】が確定している。
となると・・なぁ?」
宮崎が大きく口を歪めて鼻息を荒くした。
老豚が「ブヒブヒ」と鳴いていた。
「下らない。
そもそもあれはアタシとお婆ちゃんが
手前の部屋から調べようとしたら、
そこのオバサンが
分かれたほうが効率が良いからって
1人で奥の部屋に向かったのよ。
わかった?」
菅野の反論に
宮崎は「チッ」と舌打ちをすると
葉巻を咥えてパッパっと煙を吐き出した。
「あまり【犯人】を刺激するような話は
やめた方がいいぜ。
【犯人】はこれ以上犯行を重ねる
つもりはないかもしれないんだからな」
その時。
2人のやり取りを傍観していた西岡が
静かに口を開いた。




