第46話 確実な【市民】
宮崎がジャケットの内ポケットから
取り出した葉巻に火を点けた。
僕はたった今作ったゴッドマザーを
菅野の前に置いた。
結局。
僕の一票によって
六条は部屋のベッドに
手錠で拘束されることに決まった。
菅野はそれに対して
「甘いわね」
と笑っていた。
当の六条は
それまでの不安そうな表情は鳴りを潜め、
あっけらかんとしていた。
あの発狂した姿や、
怯えた様子など
すべてが演技だったのではないかと
僕は密かに勘繰った。
「次に話し合うべきはこの拳銃についてだな。
流石にこんな物騒な物を
このまま放置しておくわけにはいかないだろ」
そう言って西岡はビリヤード台に手をついた。
「・・それなら。
鈴木さんに
保管してもらうのはどうでしょう?」
佐藤が徐に口を開いた。
「六条さんを除いて、
確実に【市民】といえるのは
カードを所持している鈴木さんだけですから」
皆の視線が一斉に僕の方へ向けられた。
「ふむ。
たしかにそれが一番安心か。
儂はそれでも構わないぞ」
「そうね。
ちょっと頼りない所はあるけど、
他に信用できる人はいないし」
宮崎と菅野も少女の提案に同意した。
僕は西岡の方を見た。
西岡は腕を組んで何かを考えているようだった。
そして僕の視線に気が付くと
「・・気は進まないが。
そうなるか」
と小さく溜息を吐いた。
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。




