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第43話 ユダ
「どういうことでしょうか?」
その時。
これまで静観していた佐藤が口を開いた。
西岡は佐藤の方を見て「くっくっく」と笑った。
「あくまで
このゲームのルールに基づいて考えた場合、
そういう可能性もあると言ってるんだ。
ルールを思い出してみろ。
【市民】の報酬は
”生き延びた人数に応じて均等に分配される”
だったよな?
つまり。
このゲームでは
自分以外の【市民】が死ねば死ぬほど
報酬が増えるんだよ」
その言葉はこの場にふたたび静寂をもたらした。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「わかったか?
【市民】の敵は【犯人】だけじゃない。
【市民】の中にだって
裏切者の『ユダ』が
潜んでいる可能性があるんだぜ」
窓のない部屋の中で
僕は背中に冷たい空気が流れ込むのを感じた。




