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第100話 廊下
玄関を入ると廊下が左右に伸びていた。
そして。
室内は昼間だというのに若干薄暗く、
天井の照明が点いていた。
僕は男装の麗人の言葉に従い廊下を左へ進んだ。
静かだった。
物音1つ聞こえなかった。
天井も高く、
廊下もゆうに大人が5人は並んで歩けるほどの
広さだったが、
僕はなぜか閉塞感を感じた。
そしてそれは窓がないことに起因している
ということに気付いた。
変な建物。
中に入ってますますその印象が強くなった。
廊下の突き当りにドアが見えた。
アレが男装の麗人が言っていた応接室だろう。
僕はドアの前で立ち止まった。
廊下はここで右に折れていて、
その先には同じようなドアが
いくつか並んでいるのが確認できた。
ドアに手を掛けようとして僕は僅かに逡巡した。
そして僕はもう一度奥に伸びる廊下の方を見た。
次の瞬間。
僕の足は自然とそちらへ向かって
歩き出していた。




