1.俺はカコに戻りたい
もし過去に戻れるなら?
今まで生きてきて、過去に後悔がない人など居ないだろう そんな過去に戻れるなら?
-魔界-
「なあなあ ニンゲンカイにさ、このボタン落としてみよーぜ」
「あーその 【過去に戻れるボタン】か 面白そうやな」
「んじゃ 適当にぽーい」
-人間界-
「はあ」 疲れた体で帰り道を歩く
河川敷で少年野球をやっている 別に興味がある訳でもなかったけれど土手に腰をおろす
少年達が小さな体で元気よく野球をする姿に可愛らしさを感じる 「すいませーん ボールとってください」
転がってきたボールを掴んで投げ返そうとすると
「懐かしいな」ボールの感触を感じながらそう思う
俺も小中高大とプロを目指して努力してきたがプロ入りは出来なかった 悔しかった まあプロ入りが惜しかったかと言われればそんなことは無かったんだけれどね笑
あー懐かしいな
【もし過去に戻れたらなあ⠀】
「あのーすいません」 「あーごめんね」俺はボールを投げ返す
「そろそろ帰るか」俺は腰を上げて帰ろうとした
ぽと 空から何かが落ちてきた
「なんだこれ?」
how to use
「1.このボタンを押すと好きな時期に戻ることが出来る」
「2.このボタンは1度しか使えない」
「いやデスノートか」
空から降ってきて how to useって完璧やな
こんなボタン信じてる訳じゃないけれどな
でも、本当に
-過去に戻れたら?-
そんな、まさかな
「ないない」
家帰って頭冷やそう
「好きな物でも買って帰ろう」
ガチャ 「ただいまー」誰も居ない部屋に向かって声をかける
「ピコン」
なんだ 「がく 33歳の誕生日おめでとう 今年も元気に過ごして下さい 」
あー「お母さんからか」そういえば今日が誕生日か
この歳になっても独身で安月給
本当に過去に戻れるなら戻ってみたいな笑
手に取ったボタンを見つめる
「押してみるか」
視界が暗くな...
「どこだここ?」
何だこの黒いやつは?
「アナタのモドリタイジキはイツデスカ?」
「そんなことよりお前は誰なんだ」
「キミのネガイをカナエルソンザイダ」
なんなんだこいつ
まあ夢なんだろうな
「アナタのモドリタイジキはイツデスカ?」
夢だし付き合ってやるか
そうだなあいつだろうな強いていうなら野球が本気で好きだった中学時代かな
「中学時代に戻りたいです」
「ワカッタ」
「はよおきなさい」
窓からもれる朝日が眩しい 早く起きないとな
「ん はよおきなさい?」そういえばここどこだ?
まだ眠たい目を擦りながら状況を把握しようとする
部屋のあかりをつけて周りを見渡す
「嘘だろ...」
紛れもないここは
中学のころの
俺の部屋だったのだ
そう俺は 過去にタイムスリップした