6.結界師のスキル
「ではスキルを使用してみます。」
僕は父にそう告げる。
僕の頭の中で変わった事が一つある。それは自分の能力を数値として見る事が出来るようになった事だ。
少し薄汚れた紙に横文字と数字が書いてある。
それを本を読むような視点で見ている感じだ。
内容は
名前:ジャック・モロドーム
年齢:12歳Lv1 職業:結界師Lv1
HP:12 MP:24
筋力:6
防御:6
魔法攻:6
魔法防:6
素早さ:6
知力:24
運:24
スキル:結界 付与()
正直、この数値が、良いのか悪いのかはわからないが、とにかく使ってみるしかない。
「スキル発動」
そう唱えると両の手が淡く光。
何かが抜ける感覚があった。
MPが5減ったようだ。
頭の中で言葉が小さく響く
[結界を使用する対象を選んでください。]
今のところ悪い感じはない。
「父上。頭の中でお告げのような言葉が聞こえました。対象を選んで下さいと言っております。父上を選んでもよろしいですか?」
この言葉に、一瞬、父の顔に驚きの表情が浮かぶが、こくりと頷く。
父の頷きを確認した後、僕は頭の中で対象を父上にと願う。
すると、両手に浮かんだ光が、スーッと移動して父の回りを包み込む。
[対象を選びました。どのような効果を付与しますか?]
付与できる項目がずらずらと何種類も出てきた。
その中で僕はこれを選んだ。
[呪詛返し]
包み込んだ光が一瞬強く光る。
[効果が付与されました]
ゴーン ゴーン ゴーンと美しい鐘の音が頭の中に響き渡る。
父を見れば、明らかに顔色が良くなっている事がうかがえた。