3.前例がない
全体的に使い方がわからないので、試しながら手探りで投稿していきます。お付き合い頂けると幸いです。
「間違いはないのだな?」
初老の神父が修道士に尋ねる。
「間違いありません。ギフト名は結界師となっています。」
「うーむ…」
初老の神父は厚さ20cmはあるような分厚い本をペラペラとめくりながら眉間に皺を寄せ、修道士達も本を運びながら忙しく動き回っている。…
「前例がありません。」
1時間は経過しただろうか。神父ははっきりとした口調で宣言する。
「少なくとも、過去50年間に遡り調べましたが、結界師と名のつくギフトを授かった者は1人もいませんでした。」
イラついた。
1時間も待たせた結果がこれである。
それが露骨に顔に出ていたのだろう。
神父は慌てた様子で言葉を繋ぐ。
「過去に前例がないと言うことは、世界で初めてジャク様が授かったギフトでありますから、とてつもない可能性を秘めていると言う事でございましょう。」
神父は続ける。
「もしかしたら、お父様が何か知っているかも知れません。早速、ご報告に参られてはいかがでしょうか?」
その言葉に僕は少し胸が弾んだ。
父なら何か知ってるかも知れない!
「神父様、修道士様、ありがとうございました!父上に、ご報告してきます!」
僕は駆け足で教会を出る。
「ジャック様!走っては危ないですよ!?」
その後ろをメイドのメアリーが追いかける。
ホッと神父は胸を撫で下ろす。
「どうか、良き方向へ向かいますように」