ふしぎな紙袋
今日は、バレンタインデー。
ふうちゃんは、昨日がんばってチョコレートを作りました。
はじめて作ったので、なんだか不格好なチョコレートができあがりました。
けんくんに渡すつもりだったけど、
(こんなのじゃ喜んでくれないよね)
とがっくりしています。
けんくんの家の前でためらっていると、めがねのおばあちゃんがやってきました。
「この袋に入れて渡してごらん」
普通の紙袋をくれました。
「えー、だってただの紙袋じゃん」
ふうちゃんは、つぶやきましたが、せっかくもらったんだからとチョコレートを紙袋に入れました。
すると、チョコレートからおいしそうないい香りがしてきました。
「おいしそうな匂いがするなぁ」
けんくんが家からでてきました。
「これ、チョコレート作ったの。食べてくれる?」
「うん、ありがとう」
けんくんは、紙袋からチョコレートをとりだしました。
ぱくっと食べて、
「おいしいよ」
と笑顔で言ってくれました。
ふうちゃんは、えへへと照れくさそうに笑いました。