収入源
時間かかりました。ラストは決まってるんですけどラストしか決まってないんですよね。
「キキちゃんのアプデ終わったよーお姉様」
「ありがとー流石私のメランちゃんだわ」
「でしょ、俺達天才!」
最近俺達の人形は一部販売されている。作っているのはほとんどが人形作製ゴーレムである。量産型で手を振ったり少し歩く程度のことしかできないようにしてあり戦うことはできないようにしてある。つまり子供の玩具である。但し結構高い。30センチくらいの人形で日本で言う5000円くらいはする。それでも端金に思えるような使い方をしている貴族連中は娘に買い与えていたりする。
俺達のペンネームはリリー。俺がVRMMOで使っていた名前だ。ネカマじゃないぞ。妹にちょっと強引に決められてな。
無駄に長い説明をしたがようは俺達はバレないように資金の調達をしているってことだ。お姉様から偶然知り合った少し腕のいいゴーレム作成師ってことで。その対価として手数料1割五分と護衛人形キキちゃんを収めている。これのお陰で魔石の蒐集が捗る捗る。
因みに俺の存在を知っているのは母上とお姉様だけである。あとトレニア(俺等付きのメイドね)兄上は隠し事をするには幼すぎるし父上は立場上色々知ってしまうと上の人に聞かれたとき嘘をつくことになってしまう。なので勘付いていても聞いてくることはない。確定じゃなければいいのだ。たまにメカニックなバッタや地面に人形型に穴が空いていてもそれは父上にとって気の所為なのである。
もちろん家族以外には勘付かれるようなことはしてません。お姉様はあれだ、精神年齢的に対等に話せる人が欲しかったのだ。俺達だけで喋ってても楽しいんだが少し虚しくてな。
「らーとりーの分ね」
「金貨30枚分、まあまあかな」
量産人形の売上で30万円か。材料が一体400円位しかかかっていないからほぼ純利益だ。
お金は白銀貨>金貨>銀貨>銅貨で銅貨1枚100円くらいでひとつ上の硬貨になると百倍になる。そしてそれぞれの十分の一に銅板や銀板などがある。
「俺達の評判はどうよ?」
「オッドアイで天使のように可愛い聡い子だって」
「違う。リリーの方」
「ゴーレム制作師としては地味に腕がよく、デザインはとてもいいらしいわよ」
「地味かー、まぁそんなもんでいっか。オーダーメードのほうは?」
「完璧らしいわよ、ただ何でメランポジウム?って質問は多いわよ。理由なんて説明すればいいの?」
ほほう、それは嬉しいな。因みに量産型にはリリー(ゆり)が書いてあり、オーダーメードはメランポジウムになっている。
「その質問にはお答え出来ません。って返しといて。」
「適当ね」
「いいんだよそれで。適当に、ダラダラいきようぜ〜」
「悪役としてはもっとストイックでいるべきなんだけど、あんたは似非だからね」
「そーそー」
パワーワードだな、似非悪役令嬢。
チラッと出てきましたが、生前の世界はVRMMOあります。多分スピンオフ的なのいつか書くんで。妹視点かな。




