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3 二人で装備を買おう

 武器屋に着くと早速店主に話しかける。髭を生やした気のよさそうなおっちゃんだ。


「長剣と軽量の鎖帷子を探しています。値段よりも品質重視で」


「あれ、お前さん勇者のとこの。どうしたんだ?」


「まぁ、色々ありまして」


 苦い顔を作って、返す。やはり早めに街を出よう。


「そうか、少し待ちな見繕う」


 商売人だけあってそれ以上は突っ込まず、店の奥に入っていった。


「あれ杖買わないんですか?ライノさん」


「あー、俺元々は前衛の方が得意なんだよ。勇者がギルドに魔力量多い奴ってオーダーして、紹介されたから後衛してたけど」


「へ、あの魔法の腕で前衛??」


「うん。魔法も近接戦闘も、爺ちゃんに小さな頃から叩き込まれて」


「デバフ回しとか芸術的なのに、凄いですね」


 ほへーと言った顔をしている。


 だが誇れる程の話ではない。たまたま身内に教えてくれる人が居たというだけだ。


 そうこうする内に店主が戻って来る。手には剣と鎖帷子。まず剣を見せてくれる。


「うちに置いてあるものだとこれが一番高品質だ」


 受取り、鞘から抜いて眺める。鋼鉄製の良い剣だ。特別な要素はないが、使った鉄も鍛冶師の腕も一級品。


「幾らです?」


「小金貨で80だ」


 提示される金額はまぁ妥当なところ。


「鎖帷子も見せて貰いますね」


 鎖帷子を手に取り、確認する。剣程ではないが、こちらも良い品だ。これを布の服の上に着ておけば最低限の防御にはなる。


「鎖帷子は幾らで?」


「小金貨で30。両方買うなら合わせて100にしておくよ」


「では両方買います」


 小金貨100枚となると若手職人の半年分ぐらいの収入だ。そこそこの出費だが、良いものが買えた。


「先にごめんな。スティナはどうする?」


 自分の買い物を先にしてしまったが、スティナも当然装備が必要だ。


「杖とローブを見せて下さい。杖はルチル水晶かサファイア付きのものがあれば、それを。ローブは防刃性の高いものを探してます」


「なるほど。杖の材質は金属と木どっちが好みだい?」


「そうですね……中空の金属製が理想ですが、石を重視で選びたいです」


「よし、一通り持ってくる」


 そう言って店主のおっちゃんは再び奥へ。


「お買い物、ちょっと楽しいですね。私も良いものがあると嬉しいですけど。これが終わったら宿引き払って、どこかで昼食食べて移動ですかね」


「そうだな。携行食とかは手持ちがあるし、最低限の武器と防具があれば他は追々考えよう」


 店主が杖とローブが乗った台を押して出てきた。杖三つがローブも三つだ。


「この辺かなってのを集めた。見てみてくれ」


 スティナは真剣な面持ちで、品物を確認し始める。命を預ける装備だ、集中できるよう一歩離れて黙って待つ。


「お嬢さんから見て左の杖は楓にルチル水晶だ。真ん中のが金属製でサファイアだが中空じゃない。右のが中空の合金製でサファイア、希望には一番合うがミスリルを含有していて値が張ってしまう。値段は左から小金貨で30、50、200だ」


 最後の良いなぁ高いけど。


「ローブは左が妖羊毛製、真ん中がアラクネ糸混の絹製、右はアラクネ糸混のウールだ。どれも小金貨20枚」


 スティナは杖をじーっと眺めて迷っている。

 パーティー離脱時の小金貨200枚に加えて手持ちの現金もあるはずだから一番高い杖も買えるだろうが、相当な出費になる。


「スティナ、右の杖買っちゃおう。俺の財布からも60枚出すから」


 俺はそう提案した。一緒に行動するなら装備は二人の生存に関わる。俺の小金貨100とスティナの220、合計額の半分を俺が負担する計算だ。


「でも……悪いですよ」


「良いって。俺のためでもあるし」


「なんか良い感じだね、お二人。右の杖買うならローブはタダで付けよう」


 店主が笑って言う。厚意半分、高いのを買って欲しいのが半分、といったところか。


「分かりました。じゃあ右の杖と絹のローブで」


 絹のロープは無染色で少し地味だが、お洒落で防刃ってのも少ないので仕方ない。


「おう。お買い上げありがとう」


 会計を済ませ、店主に見送られて店を出た。

 評価や感想いただけたら、凄く嬉しいです。

 ブックマークされたら小躍りします。


 執筆初心者ですが、頑張ってみますので、よろしくお願いします。


 今日中にもう少し投稿したいです。

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