2 人数調整で追放(クビ)になりました
「さて、ライノそしてスティナ。両名をパーティーから除外させて貰う」
冒険者ギルドの二階にある個室に入ると、勇者フロックスにそう言われた。
部屋の中には勇者パーティーのメンバー全員と、見たことのない少女が二人。
見知らぬ少女二人は双子のようで、そっくりな姿をしていた。小柄で、童顔で、だが出るところはしっかりと出ている。端的に言うと、双子のロリ巨乳だ。
「えーと、突然だな。理由を聞いても?」
「よりバランスの取れた強力なパーティーにするための人員の入れ替えだ」
確かにパーティーのリーダーであるフロックスにはその権限がある。
冒険者パーティーでメンバーを入れ替える必要が生じることは、ままある。成長速度が違いメンバー間の熟練度が大きく離れてしまった場合や、成長するうちにやたらと後衛戦力が充実してしまった場合など、適切に人を入れ替えるのはリーダーの責務とも言える。
しかし、これは……
「この二人が新たにメンバーに加わる。それに伴いライノとスティナには抜けて貰うというわけだ。いままでご苦労だったな。俺達勇者パーティーは日銭を稼げればそれで済むそこらの冒険者とは違う。力を磨き魔王を倒さなくてはならない。諦めてくれ」
パーティーメンバーは通常8人が上限だ。回復魔法や補助魔法は「全体魔法」と呼ばれるものでも8人までしか効果が及ばないし、多すぎると連携も取り切れない。
勇者パーティーは既に8人、二人入れるなら、二人抜けなくてはならない。
現状勇者パーティーの男性は勇者フロックスと、俺の二人だけ。この入れ替えで勇者以外全員女性のパーティーになるのだ。
しかも全員が見目麗しい若い女性……
勇者はどう見ても、好みの容姿の女の子を入れたいだけだ。色々と思うところはあるが、リーダーとしての正式な権限行使という体裁を取られては、拒否することもできない。20年間生きてきて、1番の理不尽だ。
しかし、そもそも勇者パーティーに入ったのもギルドに紹介されただけで、どうしても勇者と共に戦いたいとか、そういう想いはない。結構大変だったし、いい機会かもしれない。
「ああ、あと申し訳ないが装備も引き渡して欲しい。魔王を倒すための力として有効活用させて貰う」
それは少し酷い。まぁ、でもいいか。
「小金貨で200枚、それが装備を引き渡す条件だ。俺だって新しい装備を買わなくてはならないから、これは譲れない」
小金貨200枚は大金だが、俺の冒険用装備である杖は古代の職人による逸品、売れば幾らになるか分からない。ローブも最上級品だ。十分に控えめな条件と言える。
「私も、同じ条件なら杖とローブとブレスレットは渡す」
隣に立つスティナが言う。
「分かったよ。それぞれ小金貨200枚をパーティーの財布から渡す」
がさがさと荷物を漁り、勇者フロックスは4つの革袋を取り出して放り投げる。
「確かに」
中身が金貨なことだけ確認すると、俺は荷物からローブを取り出し杖と共にテーブルの上に置く。スティナも同様テーブル上に。
「おう。じゃあお達者でな」
「ああ、頑張って魔王を倒してくれ」
俺とスティナはヒラヒラと手を振る勇者に背を向け歩き出す。個室のドアを開け、階段を降り、ホールを通って外へ。
よく晴れていて青空が綺麗だ。
「さて、とりあえず装備だけ買って街を出るかな」
勇者達はしばらくこの街を拠点にするだろう。正直気まずいし、街の人からあいつら勇者パーティー追放されたんだってという目で見られるのも居心地が悪い。
「えと、ご一緒してもいいですか?」
そう聞いてくるスティナ
「もちろん。一緒に来てくれたら嬉しい。一人は少し寂しいし」
スティナは2つ年下の18歳、魔法の腕も立つし、心優しい人格者だ。嫌な訳がない。
「じゃあよろしくお願いします」
スティナは笑顔を作ってそう言った。彼女の青い髪と青い瞳は、空の下で良く映えた。
スティナと並んで歩き出す。まず向かう先は武器屋だ。まだ午前中、上手く行けば今日中に別の町か村に行けるだろう。
しかし……俺の弱体化魔法なくて大丈夫かな勇者パーティー?
特にSTRダウン系は女性ばっかりのパーティーだからフル活用してたのだけど。
ま、仕方ないか。
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執筆初心者ですが、頑張ってみますので、よろしくお願いします。
今日中にもう何話か投稿したいです。