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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
6章 変わりゆく真実
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7話 たった一筋の電撃で

文字数(空白・改行含まない):2799字

 翌日、ミシェリーは朝早くから傘を傘をさし学校に行ったため現在家にはおらず、家にいるのはルチーナとフェミア、そしてノルアの3人だけである。

 フェミアとノルアはいつも通り家事をこなしており、ルチーナは一見落ち着いた表情でソファに座っているが、内心若干の焦りを覚えていた。

 その焦りの原因はと言うと、清水とクロネコのミリーがいないからである。

 清水はともかくクロネコはいつもルチーナのどこか近くにいて、もしどこかに行ったとして姿が見えなくなってもルチーナの能力を使えば簡単に意思疎通ができるはずなのだが、現在それが出来ない状態であった。クロネコだけでなく清水まで。


 ルチーナは一瞬自分の能力が衰えてきてるのではないかと、フェミアやノルア相手に試して見たが、簡単に操ることが出来た。

 これはもう清水とクロネコになにかあったとしか考えることが出来なかった。


「ちょっと出かけてくる。朝ごはんも外で食べてくるから準備しなくても大丈夫だからね」


「珍しいわね〜、何時頃に返ってくるの〜?」


「特に決まってない」


「天気予報ではこの後とても強い雨と落雷が予想されていますが、大丈夫ですか?」


「大丈夫、雨合羽(あまがっぱ)あるし」


「分かりました、ではもし何かあれば連絡を入れてください」


 フェミアはルチーナの珍しい行動に、ノルアはしっかりと確認をしてからルチーナの外出を認めた。

 ルチーナの目的はコンビニやショッピングなどではなく、能力の研究をしていた今となっては抜け殻の研究所である。

 先日の夜に奇襲の形で入り込んだものの、人どころか有利な情報すら収穫できなかったその研究所に、再びルチーナは足を運んでいるが正直そこで何をしようかなど決めずにずっと悩んで移動して気づいたらその研究所にいた、というわけで。


「だーちくしょう…いったい力橋の野郎どこに身ごもってやがる…」


 傘もささずにカッパ姿のまま研究所内をうろつき、手がかりになるものがないことは分かっているが、何をすればいいのか考えるついでにその研究所内を隅々まで捜索した。


(朝起きたらクロネコの飯能どころか清水の反応まで無くなってるし、力橋のほうが何かやらかさない限り手出しできない…!)


 雨足が強くなってきたのか、外から「ゴオォォ…」という音が聞こえてくる。

 雨の激しさに比例するかの如くルチーナの苛立ちも大きくなってゆく、ここへ来てもう30分の時間が経つが、やはりなんの情報も得ることが出来ない。


(そろそろ帰らないとまずいかな)


 ノルアの伝えた天気予報の通り、雷の音も聞こえ出てきた。


(ってか今何時だぁ?)


 ルチーナは四方の壁を見回し時計を探すが、見当たらなかったためデスクの上にあったデジタル時計に視線を移す。


(11時か、お腹空いた……そういえば昨日から何も食べてない……)


 昼食の事を考えるとお腹の虫が今にも泣き出しそうになったが、それを打ち消すかの如く凄まじい轟音が鳴り響き床から足へと振動が伝わり、そして研究所内の電気が暗転した。


(停電……?)


 ルチーナは気になって急いで外に出た、相変わらず黒く分厚い雲におおわれて、昼間のはずなのに夜みたいな景色になっているそのビル街は、どこを見てもあかりが消えていた。

 やはり落雷による停電らしい、ルチーナは初めて見るその景色に少し興奮した。


(おぉ!ここ数十年住んでて停電したことは何度かあるけどこんなビル街の中で停電した景色を見るのは初めて……!!)


 ルチーナは謎の感動をしたまま街を歩き眺めて行く。

 いつもならこんな暗かったら該当やら信号、住宅の暖かい明かりや、高層ビルの点々とした明かりで暗くなることが無いはずのこの都市が今、雷ひとつで暗闇に包まれている。


 ルチーナはどんどん足を進めていき、3人の少女の姿を発見する。


(あれは……ミリーとその友達かな?)


 視界の悪い中ゆっくりと3人に近づいていき、やがて相当近い距離になってからルチーナが確信したとき、相手側もこちらに気づいたようで、大雨の中手を振っている。何やら喋っているようだが雨と雷の騒音で何一つ聞こえない。


(今日は学校のはず……なんでここにいるんだろ)


「おい!お前ら今日は学校じゃねぇーのかよ?!」


 ルチーナと3人の距離はもう既に1m以内であるが、環境が故にこの至近距離で少し声をはりあげて話す。


「なんか今日は天候が凄いらしいからダッシュで家に帰れって先生が!」


 3人の中でいちばん声の大きさに自信のある笹木春が短く説明し、ルチーナもすぐに理解することが出来た。

 しかし笹木春と千歳美紀の帰る場所はともかくミシェリーの家はここからだと相当な距離がある。


「春と美紀はここから近いけどミリーはここから家に帰る気か?!」


 ルチーナは確認してみる


「さすがにこれじゃもう危ないので三四素瀬荘に泊まることにします!!」


 ミシェリーも慣れない大声で説明する。


「ルチーナさんもうちで泊まった方がいいですよ!!」


 春のそれを聞いたルチーナは、少しだけ考えてから「YES」と答えた。

 流石のルチーナもこの天候の中、腹が減りまくってるこの状態で長い道のりを経てニルン邸に行き着くのは無謀すぎると考えてた。

 また停電が復旧したらノルアに連絡するときめた。






 力橋渡と久城雄久はとある研究所内にて大慌てしていた。

 その原因は落雷による停電である。

 力橋はこれまでルチーナの持つ精神を自由に操れる能力を無効化するために、絶対に電磁バリアを張っている研究所内から外に出ることはしなかった。

 この電磁バリアを張っていれば、ルチーナからの精神攻撃を完全に遮断することが出来る、現に先程、この研究所には力橋と久城の2人以外に、清水力弥とクロネコのミリーが操られる前の記憶を取り戻して唖然としている。


 しかしいまさっきの落雷による広範囲の停電により、電磁バリアは勿論、研究所のコンピュータ全てがダウンしている。


「だからケチらずにサブ電源設置しとけば良かったんですよ!」


「しっ、仕方ないだろ…!!ほれ!早く電磁バリアの電力だけでも発電せねば!!」


 力橋はとてつもなく心もとないラジオ用の発電機を、少しだけ改造して電磁バリアへと直接供給しようとするが、所詮はラジオ用の手回し発電機、研究所全てを守る電磁バリアの電力を補えるほど発電効率は良くない。


「ほんとに緊急事態ですよ!!どうしましょうどうしましょう!!」


「動き回るなぁ!懐中電灯は1本しかないんだぞ!所内全体を灯せる訳では無い!!」


 勿論の事だが停電なので照明も全て暗転、太陽光も出るはずもなく……


「くっっそぉぉぉぉっっっ!!アイツが気づかないよう神頼みするしかないのか……!!」


「本当にそれしか方法はないです!!方法って言っていいのかも怪しいですよ?!?!」


 唐突に、力橋と久城は合掌し懐中電灯に照らされながら神頼みし始めた。

 だんだんとまともな意識を取り戻し始めた清水とクロネコのミリーは、その景色をまた唖然とし眺めるのであった。

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