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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
6章 変わりゆく真実
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5話 ちょっとした昔話

文字数(空白・改行含まない):2406字

 キリガミレイヤは今、フェルノウド王国の中ではなくとある都市への入口を、少し離れた岩陰から覗いていた。

 家族のような扱いをしている女子4人と共に。


「レイヤー、何してるにゃ〜?」


「ん?いや、ちょっと気になるところがあってね」


 猫耳の生えた獣人のミーナの問いかけに対し目も向けずに答えたレイヤに、もう一人の少女が聞いた。


「あれは国……ですか?」


「都市かな」


「とし?」


「あぁ、色んな技術が発展してるところ、他の国や村なんかとは全く違う見た目をしてるだろ」


「確かに異質を放ってますけど……」


「そ、そのとしっていうのは他の国とはどう違うのかな……?」


 これまでの会話を聞いていたサヤは、おどおどしながら言い、そして誰かに聞いた訳でもないのに、そのことに対してサヤとは性格が真逆の姉であるシヤが口を開いた。


「アタシも全然見当がつかないわね」


「それでレイヤー、どんな国なんだにゃ〜?」


「どんなって言われてもな…俺には風景がくっきり予想できるけど、多分お前たちには何ひとつとして分からないと思うな」


「それじゃあ行ってみるにゃ~!!」


 レイヤの答えを聞いて、3人の少女は各々がどんな感じの風景なのかを想像し、1人の獣人は今すぐにでも行きたそうな顔をしてレイヤを凝視する。


「あの中の風景が想像出来てもそう易々と入れるって訳ではないと思うぞ?」


「そうですかね……」


 レイヤの言ったことに対し、真面目な性格のフィーシャはもう一度その都市の入口を見ながら言った。


「あそこに並んでいる皆さん、私たちと同じような人達なのにスラスラ入っていきますよ?」


「確かに……でも技術が発展してるからこそスラスラ入ってるだけであって、やっぱり何も知らない俺たちが入るのはなぁ」


「なら行ってみるしかないにゃ!!」


 そう言いながらミーナは四つん這いになり、人間には追いつけぬような速さで並びに行った。


「あっ、ちょ…!はぁ……しょうがないなぁ、俺達も行くぞー」


 やると決めたミーナを止めるのには一苦労する、過去何度もそれを経験したレイヤは、今回ミーナを止めることはなく簡単に諦めてその列に並び始めるのであった。


「(大丈夫かなぁ)」


 ちょっとした不安を抱きながら……






 同時刻、ニルン邸では中学生3人組がリビングに集まっていた。


「ミシェリーちゃん一緒に宿題しよ〜」


「友よ、ここはゲームが優先だぞー、」


 そしてミシェリーは笹木 春と千歳 美希に宿題をするかゲームをするかの2択で迫られていた。


「ちょっと、美希も宿題終わってないんでしょ?一緒にしてあげるから!ゲームはその後」


「春はこんなことを言ってるけどなー、実はみんなでゲームがしたいんだぞー、だから今からゲームを──」


「だーかーらーーぁっ!!」


「いて」


 顔がひきつっているミシェリーに四つん這いで迫る美希の頭を、おもいっきり叩いて春は言った。


「あんたねぇ!今日のうちに終わらせなかったら部屋にあるゲーム全部、下崎さんに渡しちゃうよ?!」


「わーーー、それだけはー、それだけはおやめくださいーーー、」


「だったら今すぐ私たちと宿題済ませること!」


「はいー、」


「…………?」


 1連のやり取りを黙って見ていたミシェリーは、一つ気になったところがあった。


「あの、春ちゃん」


「ん?なになに?」


「下崎さん……?って誰ですか?」


 聞いているミシェリーもあまり関係のないようなことだと分かっておきながらただ単純に興味本位で聞いてみた。


「あぁ、下崎さんは三四素瀬荘の管理人さんだよ、ミシェリーちゃんも何回か三四素瀬荘に来たことあるけど、丁度のタイミングでいなかったりするからまだあったこと無かったかな?」


「管理人……さんですか」


「そうそう、とにかく優しい人でね、いつも頼っちゃうこともあるんだ」


「へぇ〜……。じゃあさっきのゲームを全部渡しちゃうってのは?」


「あぁ、別に永久的に返されないとか「返して」と言うとめっちゃ怖い、とかそんな深い事じゃないけど、ちょっと昔に起きたことがきっかけでね」


 笹木春は、いつのまにか手を動かすことやめて、昔のことを思い出していた。


「私たちが小学生の低学年くらいの事だったかな、ちょっとしたことで大喧嘩したことがあってね」


「昔から一緒だったんですね」


「その大喧嘩が原因で私が美希の大事にしていた物を管理人さんの下崎さんに「これ金庫に入れててください!」って思い切って渡して、それから美希は1週間ぐらい泣きじゃくってたわよ」


「それがトラウマかなんかになったんですか?」


「さすがにトラウマまでは無いけど…今思えばほんとにバカみたいな話だったなぁって」


「それで今必死に宿題やってるんですね……」


 すっかり話し込んでしまった2人は、視線を一人の少女へと移す、その少女は勢いよく宿題を済ませていき、よくよく見てみると、なんともう最後のプリントへと手をつけていた。


「やっべ!ミシェリーちゃんも早くやろ!」


「うっ、うん!」


 春とミシェリーの2人が宿題を終わらせた時には既に、美希は優雅にテレビゲームを楽しんでいた。


「一応 他人(ひと)()なんだからな、忘れんなよ〜」


 春は、道具を後片付けしながら1人で楽しんでいる美希に一言だけ言っておき、それからミシェリーは3人分のジュースを()ぎに冷蔵庫へと向かった。


「あれ?ミーちゃんここにいたんだ」


 ミシェリーは食事をするテーブルの上にちょこんと座っていた俺を見ると声をかけてから抱き上げた。


「ルチーナさんもいれば盛り上がってたのに、部屋に籠ってなにしてるのかな……」


「にゃ〜 」

(知らね)


「まいっか」


 また後で聞くことにしよう、そう決めるとミシェリーはコップを3つ用意してジュースを注ぎ始めた。





 一方その頃、ルチーナはというと……

 何時(いつ)ぞやの完全仮想空間で自信がゲームのキャラクターになって遊べる世界へと入り込んでいた。

 しかし目的はゲームとして楽しむ訳ではなく、また別のことをするためにやっていたのは、ルチーナ本人しか知らぬことであった。



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