1話 あやつり人形
文字数(空白・改行含まない):2266字
「くっそぉ…精神系の能力に対抗する手段を得たとはいえまだ力量が少ないか…」
ある男は研究所のような所でモニターを前に悩んでいた。
「力橋さん、まだ問題があるんですか?」
力橋 渉に疑問を抱いたその少年は部屋の角に何十箱と重ねられたダンボールの中身を整理しながら目を向けずに聞いた。
「いや、大きな問題はもう解決した」
「精神系の能力に対抗する手段ってやつですよね」
「そうだ、でもアイツの力に対してまともに抵抗するにはまだ効力が小さくてな」
「へー……あっ、懐かし〜昔よくこれで遊んでたなぁ」
自分から聞いたものの返ってきた答えを聞き流しながらその少年はダンボールの中身をがさごそとしていた。
「お前今全部聞き流したろ」
「べつに…全部聞いて……あぁぁ!このゲームも懐かしぃぃ!!」
「はぁ…」
「なにため息ついちゃってるんですか〜。あっ、力橋さんもこのゲームやります?」
「はぁぁぁ……」
「分かりましたよちゃんと片付けの続きしますからその手に持ってる怪しい試験管、元の場所に戻してください!」
「まったく、しっかりしてくれよ」
「了解了解」
力橋はその少年、エリアスタ学園の制服を着たその少年に対しため息混じりで忠告した
「今日の夜なのに呑気なものだな、もう少し緊張感とやらをもてよな」
「いや〜、だって1番の大敵がすやすや眠ってる間にササッと人間ひとりとネコ1匹拘束してこっちに持ってくるだけの仕事ですよ?」
「いくら2つの能力を使えるとはいえひとつはまだ慣れてないこともあると思うけどな」
「時間はもう無い。でしたっけ、慣れるまで待つより先に動いた方がいいってあなたも言ってましたし」
「……だな、俺がこんなんでどうしろって話だな。よし!何かあったらすぐ連絡しろよ」
「連絡した所で逃れられるかは分かりませんけどね」
その少年は目の前にいる力橋 渉に信頼の目を向けまったく悪みのない言葉で返した。
エリアスタ学園の制服を着たその少年は、魔法を使うことはできないが、空気中の酸素や窒素などを操る能力と物体の質量をあるていど操れる能力の2種類の力を持っていた。
やろうと思えば目の前にいる力橋 渉など秒で土に還せるが、命の恩人としてそれは許されざる行為。
その少年、久城 雄久はそのためにも全力を尽くすのだった
「よー、ひさしぶりだな〜」
ルチーナは待ち合わせのことに関してなるべく触れないようにと気をつけながらお久しぶりのあいさつを交わした。
「ひさしぶりだな、結望、それとお前もな」
久城 雄久はふたたびあいさつを、そしてお前と言ってクロネコである俺の方を覗き込んだ。
(うーむ、なんだか久しぶりなのか分からない感覚…)
『久しぶりすぎて感覚がおかしくなってるんじゃない?』
(多分そうだな。しっかし久しぶりの友人だと言うのに喋れないとなると不便だな)
『あはは、そうだりっきーも呼んできてよ』
(おう)
そう応えてクロネコはその小さな4本足でその場を離れた。
「クロネコちゃんは清水くんを呼びに行ったのかしら、お菓子とジュース置いとくから自由に食べていいわよ〜」
「ありがとフェミア」
「ありがとうございます」
「それじゃあゆっくりしていってね〜」
そう言ってフェミアはリビングをでて階段を上がっていった。
それとすれ違うようにクロネコと清水がこちらの方へやってきた
(連れてきたぞ〜)
『ありがと』
「おお!久城!!久しぶりだなぁ」
「おう清水、ひさしぶりだ」
2人はルチーナの前で熱い握手をかまし、その熱気がこちらまで来そうだった。
「あいさつはおわった〜?」
「あっ、あぁ」
ルチーナはわざとらしく聞き、半強制的にその久しぶりの出会いの握手を終わらせ、突然真面目な面になり口を開いた。
「じゃあ2人とも、今夜。作戦開始ね」
「わかってる」
「了解!」
(作戦だ?なんも聞いてねぇぞ俺は)
『あれ?言ってなかっっけ 』
(普段から俺の心読みとったりしまくってるせいでいつのまにか言ってる気持ちになってたんじゃないのか)
『私としたことが…』
(そんなに落ち込まなくても……んで作戦ってのは?)
俺は本当に何も聞いてなかった。
逆になんで久城と清水のふたりが知ってるのかが謎だし、清水はともかく久城も特に疑問も持ってないのは何か不思議な気持ちになるが…今気にしても何もならないか、さっさと作とやらを聞いてみよう。
『作戦って言っても、ガッツリいえば正面突破みたいな感じになるのかな、目標は力橋 渉の無力化、そして私の能力で記憶をかいざんしておわり。これだけ』
(力橋?……あぁ確かお前の考察が正しければ力橋が能力者を大量生産して平和とは真逆の世界にしようって考えをしてるから、それを止める。だからその作成ってことでいいのか? )
『さすがお兄ちゃん!察しがいい!』
(察しがいい以前にその作戦を早く教えとけよな…なんで今なんだよ…)
『だから忘れてたっていってるでしょ!?』
ルチーナはムスッとしたままジュースを手に取りがぶがぶと飲み始めた。
「まぁ僕が本気出せば気絶ぐらい簡単だけど、力加減が難しそうなんだよなぁ」
「気絶とかなら久城のほうの能力の方が確実だからなるべくそっちでお願いね」
(作成聞いたのはいいが俺何も出番ないな)
『確かに…お兄ちゃんは家で残ってて、ちょっと危ないからね 』
(大人しくそうしてますよ)
『多分1時間もいらないと思うけどね』
(寝とくか)
こうしてルチーナ側の作成は決まった。
ルチーナの考察が合っているのか、それとも間違っているのか。
今起こっている出来事のどちらが本当のことなのか。
久城 雄久という人物は一体どちらが正解なのか。
どちらが操られているか──
めちゃくちゃ長い期間放置しててすみませんでしたァァっ<(_ _)>
毎日「次はどんな話にしようかなぁ」と妄想しては一日が終わり、妄想しては一日が終わり、なんだかんだで前回から3ヶ月とかいう失踪してるんじゃないかってレベルで間が開きました。
べつに失踪してるわけじゃないので安心して欲しいのですが、昨日個人的にめちゃくちゃ「いい感じやん!」ってなるストーリーがパッと出てきて、それを書きたいなぁって思ったんですけどそのストーリーとこの作品の世界観があってなかったり無理やり合わせたとしても当分先の話になってからそれが登場になったりといろいろと先の長いことになってしまいました。
これからは週一は無理でも最低ラインひと月更新無しは完結までやらないようにします…はい。




