6話 神願の塔の攻略難易度
あれから数十分後、清水は『神願の塔』とキルカイア都市の間を爆速で移動した訳だが……
「もうルチーナさん!!!」
「なっ、なんだよ…っ」
ゼェゼェと息切れしつつも目の前にいる相手に何かを訴えるような眼差しで大きく深呼吸をする清水、体いっぱいに吸い込んだ空気を一気に吐き出し、
「ほんとに酷いです!」
「なっ、なんの事かな〜ははは〜……」
「とぼけないでください!」
「うっ、」
「僕の能力だからと言っても流石にこんだけ連続で使いまくったらそりゃ疲れるものも疲れます!」
「………あ、待ち合わせの件どうなった?」
「また次の週の日曜に集合場所は同じで…って話そらさないでくださいよ!!!」
「なはは〜」
まあ、なんか楽しそうで何より。
清水的には能力の連続使用で肉体的にも精神的にもダブルで疲れてるんだろうけど、こうして見ると全く疲れたような感じにも見えない、対するルチーナはルチーナでそろそろ天罰というものを食らってもいい頃合いだと思う。
「はぁ…まあここで言い争っても何もないですし」
「だね〜、さっさとこの塔に入っちゃおうか」
『あー、ちょっとちょっと』
何やらいつの間にか塔の入口であろう無駄にでかい石でできた扉を前にしたルチーナと清水に、俺は一旦その行動を止めた
『2人とも『神願の塔』のてっぺんにいるかもしれない女神様に会って、何をするのか分かってる?』
「これからこの世界に転生者を送らないでください…?」
まず最初に清水の発言
「その前に女神様の力を取り戻させたいとね」
清水の発言に補足するかのように付け足すルチーナ。
『他には?』
「えぇっと……世界を平和にして欲しい…とか?」
「魔物がいない世界にする?」
『2つとも間違ってはないけど……もうひとつの目的は俺たちが日本に帰れるかどうか聞く、そしてもし帰れるのなら是非返してもらうこと』
「あぁ!それもありました!」
「それ大事!!」
『思い出したならそれで良し!』
と、こんな感じで『神願の塔』の頂上にいるであろう女神様に対する願いはこんな感じである。
目的が確認できたところで俺たちは転生者とその取り巻き的な存在(勝手に決めた)として着いてきたネコミミ少女の2人を前後に配置し早速塔内部へと足を踏み入れた。
ルチーナの下調べによると、この塔の内部は様々な層が存在するしており、それぞれの層で女神様に会う資格があるのか試練が待ち受けているらしい。
戦闘技術や知識、それに個人の体力筋力など様々な分野での試練にクリアすると女神とご対面できるらしいのだが……
「なんかルチーナさんの下調べとは全く違う感じでしたね」
「確かに魔物とかと戦わないと上層には登れないって書いてあったのになぁ……」
『全体的に生きてる感じなかったし……』
俺たちはただただ階段を登っていただけで女神様がいそうな大広間に来てしまった、奥の方に今までとは雰囲気の違う階段がまだ続いていて、おそらくその階段の先に女神様がいるのだろう。
「もしかしたら今までの長い階段が体力的な試練だったのかもしれませんしね」
「そうゆう考えもありか……」
『結構疲れたからりっきーの予想が合ってたりして』
「まあそれが正解なのかはあそこの階段の先に行けば分かりそうですし」
「とんどん進んじゃお〜」
そう気軽なやり取りをした2人プラス1匹は、再び足を動かした。




