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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
5章 神願の塔
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5話 再び働く少年

 首を90度にまげたままのルチーナは、相手の顔も見ずに口を開き頼み事のようなことを言った。


「ところでりっきー」


「なんですか?」


 特に怪しむこともなく返事をした清水、それに対しゆっくりと顔を定位置に戻しこちらを向くルチーナ。


「いやぁ、ここまで言って察してくれてたら嬉しかったんだけど… 」


「?」


「ほら、今からこの転生者を塔のてっぺんに持っていくでしょ?」


「ですね」


「でも必ずしも今日明日のうちに帰ってこられる訳でもない」


「…それがどうしたんですか?」


「私ちさ、ある人と約束してたなーって」


「ま、さか…」


 ここまで言ってやっと察しが着いたのか清水は若干引きつった顔になり、なぜかあまり関係の無い俺を見てきた。

 そしてその視線を再びルチーナへともどし…


「そ、そんなの無理ですよ!実際さっきだって僕が行かされてまさかた僕が行かされてましたし!」


「………」


「なんで黙りこ──」


 ルチーナが黙り込むのを見て清水はなにか言おうとしたが突然清水の方も黙り込んでしまった。

 勿論誰の手によってされたのか分かってはいるが俺は関係ない、うん。


「もうこのままだと家に帰れるのはいつになることやら……」


 いつのまにか日は落ち、当たりは真っ暗に近い状態になっていた。

 そして既に清水の姿は消えていた。






 一方そのころキルカイア都市の一宮区にある1軒の御屋敷、ニルン邸にて


「ママー」


「なに〜?」


「ミーちゃんがいない!」


「ルチーナの部屋は〜?」


「どこにもいなかった!…っていうかみんな居なくなってるんだけど?!」


 ルチーナと清水、そしてこの屋敷での唯一の癒し生物とされてるクロネコの俺が居なくなったニルン邸には、フェミアとミシェリー、そしてノルアの3人という、ちょっと前の景色に戻っていた。


「ルチーナったらお昼から出かけるって言ってから帰ってないわね〜」


「お昼からずっと何やってんだろう……」


「そういえばその時清水君と一緒にあのネコちゃんも抱えてたわね〜 」


「えぇっっ?!」


「まぁあの二人のことだからネコちゃんに心配はいらないと思うけど……」


 しれっとルチーナと清水の心配ではなくクロネコだけの心配をしたフェミア、空いた口が塞がっていない娘を目の前にちょっと笑いそうになりながらも続けて言った。


「まぁ明日の朝には部屋で寝てると思うからミリーも早くお布団入りましょうね〜」


「むぅ……最近ルチーナさんばっかりミリーと一緒にいる……」


「なら今夜はお母さんと一緒に寝ましょうかね〜」


「…うん…… 」


 そう言いつつ2人はフェミアの部屋で寝る支度をしてから眠りにつくのであった…1人の少年が無感情で頑張っていることも知らずに……



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