11話 また、行けます!
久城雄久が電話に出てくれた夜の翌日、ルチーナの朝はいつも通りノルアに起こされ、こっそりミシェリーのベッドに戻っていた俺も寝不足になど全くならずに気持ちいい朝を迎えられた。
「あ、そういえばルチーナ〜」
「んー?」
そして朝ごはん、ルチーナがいつも美味しいご飯を朝から作ってくれるフェミアとノルアに陰ながら感謝しつつパクパクと料理を口に運ぶ中、フェミアがいきなり聞いてきた。
「春ちゃん達から聞いたんだけと〜私も連れてって〜」
「……?」
「あれ〜私も食べたかったのにな〜」
「……あぁ!くそっあいつら言いやがったな……」
「秘密にしておくなんてイヤね〜、だ・か・ら!私も連れてって〜」
「場所だけ教えるから一人で言ってこいよぉ」
「んも〜どうしてよ〜」
なんか、すごい言い合ってるけど俺は無関係でいいよな、主催者でもないし、言ってしまえばゆみに外行こうって言われてしょうがなく言ったまでだし……うん、暖かいめで見守っておこう。
「あの二人今日は来ないのか?」
「話を変えようと無駄よ〜、今日もい来れれば来るって言ってたわ〜」
「んじゃあもしあの2人が来たらフェミアと3人で行けばいいじゃんか」
「そうね〜もし来たら、の話しね〜」
「まま!私も行きたい!」
「は〜い」
なんか話がまとまった。
結局ルチーナは行かないのか、いやあの女の子2人が来たら行かないだけで、来なかったらフェミア、ミシェリー、ルチーナの3人で行くのだろうか、どちらにせよちょっと俺は今動きたくない気分なので外には出たくない、………いや動かなくてもミシェリーの肩に乗ってけば……
1匹のクロネコが何やら考え事をしているちょうどその時、どこからか『ピンポーン』とインターホンの鳴る音がし、続けて1人の声が聞こえた。
「おっはようございまーす」
この声を聞いたフェミアはこの声の主を直ぐに察し、手に持っていた箸をそっと置いてパタパタと玄関の方へ向かっていった。
1分もしないうちに声の主である春と、もう1人の美希がリビングの方へ顔を出した。
「あ、おはようございます」
「おはようだぞー、」
顔を出すなり礼儀を忘れず礼をしながら朝の挨拶を言った2人に対し、朝食を食べている清水、ノルア、ルチーナもしっかりあいさつを返し、ミシェリーはそのまま春と美希の方へダッシュして会いに行った。
「お、おはよう春ちゃんと美希ちゃん」
「おはようミシェリー」
「おうおーう」
いちいち席を立って近くに寄ってから、しかもおはようと言うだけなのに、座りながら言ったらダメなんだろうか、まあ人には人のやり方もあるし、あんまし追及しないでおくか。
「2人とも〜フェミアがちょっと付き合って欲しいことあるんだってよ
」
みんなの挨拶が終わったところで、タイミングを見計らってルチーナが口を開いた。
「お母さんからですか?」
「なんだなんだー、」
言われた2人と一緒にミシェリーまでフェミアの方を向き、何を言われるのか、謎の期待をふくらませた。
2人にとってその期待を裏切るようなことじゃなければいいのだが……
「2人とも昨日ルチーナとおいしいスイーツを食べたでしょ〜」
「食べましたね」
「美味かったぞー、」
「ルチーナはもう行かないって言ってるけど〜もし良かったら春ちゃんと美希ちゃん、それにミリーと私の4人で食べに行かないかな〜なんて〜」
「えっ、私も?!」
横にいる2人と違ってあんまり大きな期待をしていなかったミシェリーはいきなり一緒に行くことになっていて若干驚いており、そしてその隣にいる2人も…
「いいんですか?!」
「今度はだんごも付け加えるぞー、」
期待を裏切られるようなことはなかったようで、とても嬉しそうにしていた。
「ありがと〜、今日のおやつの時間にでも行きましょうね〜」
「は〜い」
「おー、」
と、いうわけで、なんか勝手に予定が計画されていた。
スイーツを食べる組が話をしている間に、いつの間にかノルアと清水の手によって食器等と後片付けはおわっており、そして俺は何故かニコニコ笑顔になってるルチーナの腕の中にて、絶賛モフられ中。
今の俺の姿がネコであることを非にめっちゃいじってくる、俺が人間の姿になればこの感覚とはおさらばなのか……いやでも、だからといってこれからずっとこの姿でいるのも辛い、日本にも帰らなくちゃならないんだし。
あれ、ってか俺日本では死んだモノ扱いされてるんだよね、もし日本に帰ることが出来たらその時はどうなるんだろうか、全く別の体として戻ることになるのか、はたまた半透明の幽霊みたいな形で戻ってしまうのか、実際やってみないと分からないな。
まあ俺はともかく、ゆみのやつは……大丈夫か。べつに日本で"死んだわけじゃない"んだし、帰ったから帰ったで叱られるだけじゃ済まないだろうけど、帰ってきてくれたことに対して親は色んな感情が入り交じるものなのかな………
親の立場なんてあんまり考えることなんてないから、よく分からない、な。




