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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
4章 ゲーム三昧
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10話 人って元気付けられるとなんでもできそう

(なあゆみ)


『ん?』


(これから何するんだ?)


 その日の夜、いつものように静まったニルン邸のルチーナの部屋にて、俺と結望は何かと習慣的にってきつつある話し合いを始めた。


『ん〜まぁお兄ちゃんが復活したからやらないといけないことはできふんだけど……』


(だけど?)


『どれからやればいいのか分からないって言うか』


 結望は分かりやすく天井に顔を向け悩んでいる。


 俺と結望はこの世界でしないといけないことが何個かある。

 まず1つ目はこの都市にある『脳力』という存在自体を消すこと、能力については知り渡っているわけでもなく、爆破事件のことを踏まえても未だ数十人と能力の存在を確認したことのある人物は2桁のみ、正直やろうと思えばルチーナ1人で可能な事だが、まだ実行する気に至っていない。それ以前にこの後に説明することを終えてからすべきことだ


 2つ目はこれまた『転生者』という概念を消すことだ。

 今この時代はキルカイア都市に関わらず他の国や村、街など、至って戦争のような事は起きておらず平和を保っているが、かつて大昔にあったように、転生者なるものがこの世界にやってくると、何かと強い力を所有してるが故に、人だけに留まらずモンスターにまで魔法やらなんやらを習得させてそれが強い力、戦える力だと思い始めたもの同士が争いを始め、やがて魔神大戦のような卑劣な争い事が再発してしまう。平和で暮らすことが1番の幸福と思っているルチーナや他の人間にとってはもう生きていく道をなくしてしまう。

 なのでその大元となるであろう転生者の概念をぶっ壊す。今はまだ細かいことは調べきれてはいないが、世界の中心にあると言われている『神願(しんがん)の塔』なる物を登り切れば髪にお願いをしてどうにかなるかもしれない、そこまでしか分かっていないし、そもそもとして『神願(しんがん)の塔』の確認はできていても、その塔自体雲のさらに上が頂上などと言われており、登る手段が今ひとつ出てこない。


 そして3つ目、これは世界を救うと言うより結望(ゆうみ)の私情も入ってきてはいるが、ルチーナの親友である能力者2人の願いを叶えるということだ。

 まず1人目の清水(しみず) 力弥(りきや)だが、この少年は元々結望や俺と同じ日本にきた者で、日本にいる家族や友達とのやり残したことを達成したいがためにルチーナに慕う形で、ルチーナと同じ日本に帰りたいという願いを叶えたかった。

 2人目の久城(くじょう) 雄久(たけひさ)、この男も元は日本人であるが、どうやらあっちで酷い目に会っていたようでほぼ自殺の形でこちらの世界にやってきた、そんな久城の願いだが、本人も話してくれやしないし、ルチーナが無理やり頭の中を覗きこもうがどうやっても願い事が見つからない。本当は叶えたい願い事があるのだろうけど、表にも裏にも出してくれない、そんな人で、こうなっているのにもまた訳があった。


 ざっと大きく分けて3つ、全てに何かと共通点がありそうな感じで、どれからすればいいのか悩んでいたんだろう、正直まとめてみると俺も何からすればいいのさわからなかなってきた。

 1度結望とこの3つをメインミッションというゲームのような形にしてクリアしようと話したことがあるが、決めた以降まだ手をつけてなかった。


(んー、えっと、まず最初に抑えておきたいのは、お前のその能力だよな〜?)


『私の能力?』


(だって、この3つのメインミッションをクリアするのにお前の能力は必要不可欠みたいなもんじゃん)


『それは、そうだけど……結局何が言いたいの?』


(だーーっ、それぐらい分かるだろ、まず能力自体を消すってのは1番最後あたりにクリアするんだよ)


『おぉ〜なるほどなるほど……あれでも、それ1番最後にしちゃったら私たちが日本に帰るってミッションはどうなるの?』


(そこらへんは適当に調整できるだろ)


『そ、そう……それで結局1番初めにすることは?』


(ん〜まあストレートに転生者って物をなくすってことなんだろうけど、それと同時進行みたいな形で雄久の話も聞き出したいところ)


『久城君最近メールの返信届いてないけど既読はついてるから見てるっちゃ見てるんだけどねぇ』


(一応既読は着くんだな……ダメもとで電話でもかけてみたら?)


『えげっ、電話ぁ?絶対出ないよ〜』


(まあやって損することはないし)


『じゃ、じゃぁ……』


 そう言いながら結望は渋々スマホを手に取って久城雄久に電話をかけてみた。

 正直なところ俺も結望も出てくれるとは思ってなかった、でてくれるとは思ってなかった(大事なことなので2回言いました)


『ん〜やっぱり出ないよー』


(んーーー)


 静かな部屋に電話の愉快そうなメロディだけが鳴り響き、やがて結望が久城に電話を掛けてから20秒、結望の手にもってるスマホから若干かすれた声が聞こえてきた。


『──ひ、久し、ぶり……』


「えっ、あっ、久しぶり……?」


 結望もまさか出るとは思ってなかったのか少しテンパりながらも疑問形で返してしまった。


『──何か、用…?』


「いや、えっと、その……ぁ-」


 先程と同じことを言うようだが、まさかでてくれるとは思っていなかった結望は何を聞けばいいのか分からないので、「えぇっと」と頭から湯気が出てきそうな勢いを(かも)し出して、その頭が真っ白になりかせている状態の思考を頑張って使って俺の脳内に話しかけて来た


『お兄ちゃん何言えばいいの?!』


(あーえぇっと、そうだな、あー、えーーっと……)


 やばい、俺もやばい、何も考えてねぇ!


『──ん?もしもーし』


「あ、ちょっともう少し、もう少しだから!」


『──?』


 電話越しでも伝わってくる久城のクエスチョンマーク、これはとりあえず、適当にこんな事でも言っとけば……


(とりあえず、約束をしろ!)


「や、約束?!」


『──約束?』


(えぇっとそうだな、ええ、あ次の日曜日に)


「次の日曜日に?」


(ええーっと、あーそーこーは、どこだ、昨日じゃねぇ今日パフェ食った所?!)


「あそこはスマイルスイーツってとこ!」


(な、なんだその名前。あぁいやそんな話は今じゃなくて、そうだ、次の日曜、そこで待ち合わせだ!)


「えっ、あの、次の日曜日にスマイルスイーツって所、であいましょう?」


『──スマイルスイーツって…』


(そうか、時間忘れてた、えぇっと時間何時がいいか聞いてくれるか?!)


「えっと、何時集合?なん、午前午後かな」


『──何時でもいいが……』


(よし、じゃあ正午で、正午にそこで待ち合わせ!)


「正午に!」


『──もう少し落ち着けないのか……?』


 分かってる、わかってるんです、傍から見てこの空間は一体なんなんだって、言われても自分でも納得しちゃうくらいわかってるんです。

 だって、こちら側からかけた電話にあたかも相手からかかってきたかのように対応するなんておかしいですもん……テンパりすぎ、俺たち。


『──とりあえず細かい話はその待ち合わせ場所で聞く』


「うっ、うん」


『──次の日曜日、正午にスマイルスイーツで大丈夫か』


『お兄ちゃん間違ってないよね?』


(間違ってるのか間違ってないのか正解を知らないからわからないけど、とりあえず合ってるぞ)


「大丈夫、…えっと、いきなり電話しちゃってごめんなさい…」


 待ち合わせの場所と時間をなんとか決めたすぐ後に、結望はしゃざいをした、俺も喋れたら謝りたかったが、ただにゃーにゃー言ってるだけど逆に煽ってるようにも聞こえなくないのでやめておいた。

 いきなりの謝罪に久城も困惑しているのか少し間を置いてから再び喋りだした


『──いや、こちらこそ返信をしなくて悪かった。とにかくあとの話はスマイルスイーツという所でやるということで』


「あ、全然平気、それより、どうして電話に出てくれたのかきになるんだけど……」


 謝罪したら謝罪されてという謎のコンボが決まったところで、結望が俺の心の声を代弁してくれるかのように (実際能力を使って読み取られていたのだろう)聞いてくれた。


『──いや、最近可愛い女の子2人を見かけて……』


「えっと……そろそろ切るね、また今度の日曜日に」


『──ごかっ─』


 ぷちっと音を立てて久城の声は途中で途切れてしまった。

 先程の久城の発言、それを聞いて俺はあらためて実感した。

 あいつ、今もロリコン継続中なんだな、って。

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