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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
4章 ゲーム三昧
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5話 完成品にして失敗作の我が妹

 ノルアが1人部屋の中で小さくつぶやく少し前、結望と清水、そして俺は現在問題の公園の上空で少し状況の把握をしていた。


「これは降りようにも少し危ないかもしれませんね」


 清水の言う通り、現在降りるのは少し危険とみえた。

 公園内にはどこでどう爆発するかもわからない爆弾魔が1人、しかもその爆発の影響は公園内に留まることはなく大きくはないが外にも被害は出ている、この状況で下に降りようものならば直で爆発に当たらなくとも負傷は簡単にする。だからといってこのまま上空にいるのも危険ではある。

 今はまだ大丈夫だが風の影響で黒煙は周囲の上空に撒き散らされる、こうなって上空がダメになれば遠くに退いて様子を見るか最悪退散することとなる、そうならない為にもまず最初に思いついた事はというと……


(ゆみ、とりあえずここから確認できる範囲でいいから爆発させてるヤツを探すことはできるか?)


「んー、人が見えないとわたしの能力(スキル)も使いずらいし煙が邪魔になるかな……」


(そうか、そんじゃありっきー、お前少しくらいは大気自体も操作できるよな)


「できるっちゃ出来るけどさすがにこのベンチを動かすのと同時に難しいことをするのは、ちょっと無理がある 」


 清水は右手でベンチを指さしながら目線は公園の方へと集中していた。おそらく人影がないか探しているのだろう、見つかり次第結望に言ってほしい。


「それにしてもどうしてこんな大規模なことやっちゃったのかな……」


「爆発を起こせる能力(スキル)でしたっけ?やっぱり僕達みたいに能力は発現した時から最大出力が出来るみたいですね…」


(それになれるのが難しくて、あんなことになってんの?)


「まー爆発だからね〜、どうせ一回目のでかい爆破でビビってそのままもう1回ボーンって感じかな?」


「まあ原因の話は後にするとして、まずは研究員のやつらに見つかって捕られる前にこっちが押さえつけましょう!」


(そっか…研究員のやつらがいんのか…)


 このキルカイア都市には、3人の人間が能力を扱うことが出来た。

 そしてその3人以外で能力の存在を知っているものは2桁といない極秘中の極秘。

 その極秘中の極秘である研究内容は「魔法に代わる便利な社会」というふざけたような内容で、数少ない研究員は毎度毎度能力を使える3人を呼び込んでは同じようなことを毎回行っている。

 だが当の能力者本人たちは協力的ではないどころか猛反対してあるまである。

 それなのに何故能力をつかってその研究を終わらせないのかはまた別のお話。


 今は目の前で起きている爆破能力の後始末についてだ。

 清水と俺が硬い頭をフル回転させながら唸っていると、突然結望が声を上げた。


「ちょっと応援呼んでみる…」


(お、応援…?)


「そう、わたしの妹をね…」


「なるほど、その手がありましたか」


(妹……まあ今回は緊急事態っていってもいいか、よし呼んでいいぞ)


 2人と1匹は何やら意味深な会話をしながら応援を呼ぶことにした。


「いでよっ、完成品にして失敗作の我が妹よ!」


「いでよ〜っっ」


(ねえ、それ言わなくていいから?!)


 俺のツッコミをスルーして2人は「勝ったな」の表情を見せていた。

 先程結望の言っていた『完成品にして失敗作の我が妹』。

 何が完成で何が失敗なのか、正直よく分かっていないがとりあえずなんとなくカッコイイ感じの名前だったのでこれにしてみたという結望の適当さが滲み出てくるその"妹"の正体、それは……


『………やれるだけ、協力しますよ』


 突然、結望のような能力とは少し似ているようで同ではない"何か"をつかって(くう)で声がした、その声の主はよく聞きなれた声で。

 するとまた突然、清水の能力(スキル)によって宙に浮かせているベンチの目の前、何も無かった空中に急にその人影は現れた。


「一応緊急事態と聞いて"能力を重ねがけ"しましたが、何があったのですか?」


 その人影は言わずもがなノルアであった。

 結望にとっての『完成品にして失敗作の我が妹』であるノルア、先程の発言に能力を重ねがけという絶対に敵に回したくないようなことをサラッと言う人に対し、姉である結望は軽く応えた。


「いやいや、我が妹を呼ぶ時はだいたい緊急事態ですから、まあとりあえずここ一帯の煙を退()かすだけでいいよ」


「了解しました」


 そう言ってノルアはベンチには乗らずに宙に浮いたまま煙を退かすようなうごきをして、目の前に迫ってきていた黒煙を軽々とどけ、そしてまたこちらに帰ってきた。


 はぁ…もう普通にコイツ1人でこの事件解決出来そうだけど、最近平和なことばっかりだしな…たまにはスリルなんてものを味わいたいのだろうか。


「これでいいので──」


「しーーっ」


 終わったことを報告するためにやってきたノルアの口をいきなり抑える清水、


(今は集中タイムに入ってるから静かに)


 そして結望に聞こえないボリュームでノルアに小声で言い聞かせた。

 それを聞いて納得したノルアは何も言い返さずにそのままじっとしていた。


 それからものの数十秒、結望の「うっしゃぁぁ」といえ声と共に今度は清水が動き出した。

 どうやら結望は戦犯の爆弾魔を探し出すことに成功したらしく、そいつの脳内を勝手にいじくって誰も来ないような人気(ひとけ)のない所へと誘導、それから清水は手足の拘束にかかる。(紐とかをどこで調達したのかは謎)

 ちなみに宙に浮いていて俺たちの乗っているベンチは清水と共に地上へ着地。


「ふう、ぱっと見た感じ研究員の人は見当たらないからセーフかな?」


(とりあえずこの爆弾魔にあの薬飲ませてちゃんと効果あるのか確認したいな、でも……)


「効くか効かないかなんて関係なしにあの薬をばら撒く、でしょ?」


(お前勝手に人の読み見るのやめろ!)


「えっへへ〜」


 こうして、一宮中央公園で起きた爆破事件は、翌日の朝になっても未解決の状態でニュースに載り、こちらで捕らえた爆弾魔を実験台に対能力消却剤の効果もしっかりあることが判明、それから能力が消え失せた男の記憶を弄ってから解放、その男は真っ直ぐ家へと帰っていき、今日もニルン邸は賑やかに包まれていた……。

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