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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
3章 嵐の前の静けさ
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3話 暗闇に響く2つの寝息

文字数(空白・改行含まない):2360字

 なんだかんだ戻ってきたルチーナが買い出し隊と合流してから、5人は夜食に使う食材をたんまりと買い、ニルン邸の食堂にて豪華な夜食が並び、それぞれ好きな物にかぶりつく。


 久しぶりにな気がする豪華な夜食を、5人一緒にバクバクと食べたあと、フェミアとノルアは食器洗い、ミシェリーはお風呂、清水は自室の整理、そしてルチーナはクロネコを抱えてとある部屋に籠っていた。


 ルチーナの部屋ではないここは、いつの日かクロネコミリーが、ルチーナからちょっとしたドッキリを仕掛けられた、なにか冷たい空気が漂う怪しい部屋だった。


「よし、おいクロネコ、お前いろいろ聞きたいことあるだろ」


 ルチーナは部屋に入った後、すぐ近くにある椅子に座るなりなんなりいきなり話しかけてきた。人ではないクロネコに。


 ご主人の元を無理やり引き剥がされて、あのドッキリを仕掛けられた部屋に連れ込まれた挙句、簡単になにか聞きたいことはないって聞きやがって、おまえぇっっ!!


「どうどう、落ち着け落ち着けえ〜」


 けっ、ありますよ、たんまりとありますよ!


「ほうほう」


 ルチーナは真っ暗な部屋の中、軽く相槌を打った。


 えっと〜?まずどこからか…そうだ、まずこれを聞いてみるか。

 ずばりルチーナさん、この前あなたは日本からの転生者を何人もシバいてきたらしいですけど、何人ぐらいシバいたんですか?


「んぁ?そんなことか、んぁ〜確か10何人くらいか?」


 イコール ルチーナさんは500年以上生きてるってことでいいですか?


「なっ……」


 俺は呑気なルチーナに対して、なにか決定的な事を聞いた。

 この前、転生者が転移やらなにかを使って一瞬にして姿を消す少し前、ルチーナのしれっと言ったことをがっちり覚えていた。


 転生者は約50年に1人現れる。


 たしかこう言っていたのだ。

 今までに10人以上の転生者をシバいてきたルチーナ、転生者は約50年に1人のスペースで現れるらしい。

 でもこれはルチーナの眼中に入った目立った転生者のみをカウントしているだけで、転生者自体はもっと短い感覚で湧いている可能性だってある。

 ともかけルチーナさんの言うことによればこの人自身500以上あるのかもしれない。てなわけで聞いてみた訳だが……


「まて。この話は一旦…永遠に置いといて、他に聞きたいことあるか?」


 別に死ぬほど気になるって訳でもないので置いておく、一応レディーである。

 そしたら次にこのキルカイア都市にのみいる能力者って、根本的になんなのか聞いてみるとしよう。

 あとそれとそこに見える「見たらぶっ殺す」って書いてあるタンスの中身気になります。かなり気になります。


「能力者、さらにタンスの中身まで来たか…お前私と同じ能力持ってんだろ!」


 持ってるわけねぇだろ、ネコだぞ、俺ネコだぞ!それにルチーナさんも言ってたけどこの都市に能力使える人3人しか居ないんだろっ?!

 そもそもなんだよそのツッコミ!まるで俺がお前の思っていることを聞いてるみたいじゃんか!


「そうだよ、なんでも聞いていいって言った私も悪いかもしれないけど、そこまであんまり聞いて欲しくない所を素晴らしく突っついてくるお前が怖くなってきたんだよ?!」


 おっ、おう…


 ルチーナのあまりの勢いに若干引いてしまったのは内緒にして。


「分かったよ、まだ話すには早いかもしれないけんど、面白そうだから私の知ってる話全部お前と共有してやる」


 言いながらルチーナは缶コーヒーであろう飲み物を一気飲みした。

 この部屋思った以上に暗いけど、慣れてくれば少しは見える。っていうかネコってくらい所でも結構なんでも見えるような生き物なんだよな、なんで俺人間みたいに、全てが真っ暗に見えるんだよ。

 あとなんかもう気にしなくなってきたけど、俺普通のネコじゃないよな…さっき言った視力のことに関してもそうだけど、何より俺トイレ行ったことないんだよ、だっ大丈夫?俺。


『独り言は済んだか〜』


 1匹で、自分の体に関することをブツブツ言っていると、いつのまにか飲み終えたコーヒー缶を捨てに行って戻ってきたルチーナが、突然と脳内に話しかけてきた。


『お前の予想通り、私は何百年と生きてる。だからこの前みたいにキルカイア都市のみの情報をお前と共有するのとは違くてだな、今回の記憶共有はちょっとだけ不思議な感覚になる』


 キルカイア都市の時の情報を共有するのとは違う不思議な感覚?

 俺は身をブルブル震わせる。


 語りかけられてミリーは少し記憶を甦らせる。

 ある日の朝、俺はルチーナのお腹の上で少し不思議な感覚に襲われた。それはルチーナの能力の力。ルチーナの保有している記憶を、他人へと共有させる。

 あの時はキルカイア都市の1部の情報のみを共有しただけ、なので気絶や昏睡状態に至らずに記憶を共有することが出来た。


『まっ、気づけば終わってるって感じだ、精神を落ち着かせて。さっさと始めるよ』


 えっ、なになにっ?!何が起きんの?とととととりあえず目は瞑らせてもらいます?!

 この前やった時こんな緊張感なかったよね?……怖い怖い、優しくしてください…よ?!


『それじゃ、開始だ』


 目を瞑っているクロネコと対面するように、同じくルチーナも目を静かに閉じた。

 その時既にクロネコミリーは眠っていた。ルチーナの膝上で可愛らしい吐息を立てて寝てしまっていた。


 それを見たルチーナは、1匹のクロネコに話しかけるように、だが実際誰にも聞こえないような小さな声で、ひとつ言った。


「昔読んだ兄妹のストーリーを少し組み込んだ記憶でも入れてやるか……こいつも兄らしいから少しは発現の兆しくらいあるだろ……」


 子供のように小さく肩を揺らし1人笑った。それからミリーの頭をそっとひと撫でし、脳みそフル回転で簡単なストーリーを頭の中で組み上げ、それを膝の上で眠っているクロネコと共有した。

 本当の話ではない、空想上の物語を。

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