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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
2章 true start
21/73

8話 謎の少年

文字数(空白・改行含まない):2931字

 フェルノゥド王国の中央広場にある噴水、そこには石製でできた背もたれのない椅子があり、その椅子に1人の少年と1人の女性の姿があった。


「早速、その古代魔法使えるやつのこと教えてください!」


 そう言ったのはまだ無邪気の影がちらほらみえる見た目をした1人の少年、清水力弥(しみずりきや)であり、話かけられたその女性の名は……


「そんなに興味を持たれては何から何まで話してしまいますよ?」


 噴水のある中央広場からすぐ歩いたところにある冒険者ギルドの受付嬢、ミルスフィーナであった。


「えっとですね、どこから話しましょうか……なにか聞きたいことあります?」


 ミルスフィーナは飛んでいた5人の人間についていろいろ話せるようだが、あまりにも話せることが多くて全て話そうにも何をどこから話せばいいのか迷っていた。そこでミルスフィーナは相手の聞きたいことだけを答えるこの形に変えた。


「そう言われましても……そうですね、さっき僕が捕らえるのは難しいと言ってましたがあの人たちはどう凄いんですか?」


 清水力弥はひとまず最初にそれを聞いた。

 それに対してミルスフィーナは笑顔のまま口を開いて答えた。


「まず今この世界には3種類の火、水、風の魔法しかないと言うのはご存知ですよね?」


「その程度なら」


 清水はミルスフィーナの問いに頷きながら短く答える


「それでは、太古に先に述べた3つの魔法以外にも他の魔法があったのはご存知ですか?」


「一応光魔法や闇魔法などが代表的で、その2つの魔法は魔神対戦の時の衝撃で存在諸共消失したっていうのは知識としてありますけど……」


 清水は言われてもいないのに説明をした、しかしその話が本当のことなのかは正直わかっていない、答えを知っているのかそれを止めずに最後まで聞いたミルスフィーナは今の説明に付け加えるように言った。


「その他にも特殊なもので雷魔法や土魔法というのもあったのですが、それも色々な事故によってなくなったとされ、今ではどれだけ強大な魔導師でも使うことの出来ないモノなんですが」


 ミルスフィーナは清水に視線を送り、その次は分かりますよね?という目で訴えてくる。それに答えるように清水は口を開いた。


「それなのにあの人間はその失われたはずの古代魔法のひとつ、重力魔法を使ってとんでいた。ってことですよね」


「そうです、あの人は重力魔法の他にも様々な古代魔法を使われるのです。なので今じゃ世界最強の賢者様と呼ばれていて、どんな人間でも手出し出来ないような強さなのです!」


 ミルスフィーナはまるで我が子のように胸を張ってドヤッた。


「やっぱり能力とかでは無いんですか?」


 胸を張ってふんすっと鼻息を荒らげているミルスフィーナに清水は唐突に聞いた。

 しかしその問いにミルスフィーナは首を傾げながら


「能力?なんですかそれは、古代魔法に似たものですか?」


「やっ、そ、そう!あの人たちってどれだけ古代魔法使えるのかなぁってぇ、のっ、能力なんて言葉言いましたっけ?」


 なにかを隠すかなように慌てて言ったことを訂正する清水にミルスフィーナは、傾げていた首を更に傾げ、頭のクエスチョンマークがひとつ増えていた。


 清水が焦っていたのは単純。

昔からキルカイア都市は何故か警備が硬い、それに伴い不思議なルールも沢山ある中、こんなものがある。

『キルカイア都市内の「能力」について外の世界での他言無用』

 というどんな意味があるのか分からないもので、そうだったらキルカイア都市に住んでいる人をこんな簡単に外に出してしまっていいものなのか、こんなルール一体誰がどんな意図で作ったのか、そんな話は一旦置いておいて。


 とりあえず今清水が言った『能力』という言葉はキルカイア都市の外である世界では広げたくないらしい。全く意味のわからないルールである。


「あの、続きを話してもいいですか?」


 ミルスフィーナは慌てふためいている清水に尋ねると清水は「おっ、おう!」と、一旦落ち着きを取り戻した。


「えぇっと、それじゃあ次聞きたいこと聞いてもいいですか?」


「なんでも答えられますよ!」


「それではその人間は賢者って呼ばれてましたけど、そうなると剣技についての評価とかどうなんですか?」


そんな誰もが知っているようなこと聞いてどうするの?と言わんばかりにミルスフィーナは多少驚いたものの、これまでの清水の言動を元に分かりやすく説明をした。


「いえ、それが凄いんです!魔法の腕も最強と言われながら剣の腕も最強って言われてるんです!!」


「は?」


 余りの異例さに清水は間抜けな声を出した。


 この世界には(キルカイア都市などの発展都市除き)魔法派と剣派の、基本的にふたつの流派に別れており、剣派の者は、魔力が全く無いものがほとんど全てで主に男性が多く、魔法派の者は、生まれつきからの魔力や魔力増幅の鍛錬を積み上げた者、すなわち魔力量の多い物が多い、体の関係もあり主に女性が多い。


 そんな中、魔力もあり、剣の腕もあるという人間もたまに居たりする、が。それはどちらも中途半端に行き詰まっている状態で、魔法の面だけを見るとイマイチな魔力量で生活に役立つぐらいのものであり、魔物と戦うには少し心細い。それとは逆に剣の面であってもそれも魔法と同様なんともイマイチな物になってしまい、少し魔物と戦うことはできても、剣技の筋が少しいいだけなので強力なものには勝てっこない。

 なのでこの世界ではそのような魔法半分剣半分の才能と言えるのか分からない流派は好まれておらず、風評や偏見が重なりに重なって落ちこぼれとまでいわれている。


 それでも先程の空を飛んでいた古代魔法を扱うことの出来る人間は違った。

 魔法の面でも強大な魔力を会得している魔導師の何杯もの魔力、そして威力を出せる魔法を持ち、剣の腕も国王直属の衛兵になって欲しいほどの腕前。


 この世界では100年、1000年に1人の英雄とまで呼ばれている。


「まぁ、大方こんなところで大丈夫?」


 今までの話を全て切るとミルスフィーナはその場にたって背伸びをした。

 その間清水はまた新たな質問を考えている途中で、その悩み混んでいる少年の姿を見たミルスフィーナは背伸びしたまま


「もうちょっとでお仕事に戻らないといけないから次が最後の質問になるかなぁ」


「もうラストですか?!」


 いきなり出てきた言葉に清水は少しガッカリしながらもしみじみと最後の質問を考えて聞いてみた。


「それじゃあその色々とすごい人がいまさっき飛んで行った場所ってどこなんですか?」


「どうやらこの国から少し先の山に火竜が出たそうで、ギルドが騒がしくなってる時には既に飛び出して言ったと聞いています」


 清水力弥はその言葉を聞いた瞬間眉をひそめた。

 またまた悩み込む少年を見ながらミルスフィーナは「機会があったらまた話してあげるからね」と別れの言葉を告げ、冒険者ギルドの方へと小走りで言ってしまった。


 ミルズフィーナの背中を眺めながら清水は独り言を呟いた。


「火竜か……あの肉美味いんだよな……そうだな、火竜の肉を持てるだけ持ってそのついでにその人間を捕まえて…よし、これだ!これで帰れる、お土産が決まった!」


 そう言ってその少年は、いまさっき入ってきたばかりの門を出て。5人が上空で飛んで行った方角と同じ方へと飛び出した、

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