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平和な日常にはバトルが必須【圧倒的処女作】  作者: 作作ころっけ
1章 偽りの始まり
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1話 ミリー、ご主人の肩に乗る

章タイトルが偽りの始まりってあるので、1章12話分の7割が嘘の話となっております……(なんで)


文字数(空白・改行含まない):2348字

(………ん〜〜朝?)


 朝である時間をとっくに通り越してお昼ちょい前、俺は窓から差し込む太陽(太陽って名前かわからないが)の光で目を覚ました。


(やっぱ夢なんかじゃないのか……)


 やはり自分の姿はネコ、真っ黒なネコだった。

 あの爆発でぶっ飛ばされて死んだ、そしてこの世界に来た。全てが信じられない話だし、信じたくもない、だってもうあの世界に戻れないかもしれないから。


(ん…?この感覚…あ、しっぽか)


 目が覚めてまず初めに自分の体のあちらこちらを確認してみた、人の手にあたる前足、そして後ろ足としっぽがあった。

 ひょろっとしたしっぽでちょっとケツの辺りに力を入れる感覚でグッとしてみたら、真っ黒のしっぽがヒョイっと持ち上がった。


(本物のネコはこんな意識しなくてもできるんだろうな……)


 そのあと俺はしばらくしっぽで遊んでいた。

 上にやったり下にやったり、左右にフリフリと降ってみたり、色々やっているうちに、少し慣れた気がした。


 そして揺れるしっぽを目で追っていて周りを見てみるとやっと気づいた、というか思い出した。


(ここベットの上じゃん…ってかご主人になるあの子どこ〜?!)


 ここはベットの上であった。

 昨日色々した後にご主人である結構な金髪の美少女ミシェリーと一緒に寝たんだった。


(今何時なんだろう)


 クロネコになったケン…いや、ここではもうミリー。

 クロネコになったミリーは、今が何時なのか確かめるべく、部屋を見渡してみる。

 ここが異世界なら日本とおなじ時計があるのかわからないが、昨日この家(と言うよりはほぼ豪邸に近かったが)をミシェリーに軽々と持ち上げられながらいろいろ見ていたが、なんと日本とおなじ全く同じ時計があったのだ。

 夜眠るまで信じられなかったがあれは確かに日本にあった時計だ、1から12の数字、そしてそれを指してる三本の針。昨晩はそれについて考えてたらいつの間にか眠っていたのだ。


「ミーっちゃっん起っきてっるかっな〜♪」


 俺が時計のことについてまた少し考えようとしていると、突然ドアの向こう側からリズムに乗っている少女の声が聞こえた。我が主ミシェリーである。


「あぁーっ!起きてるーおはよ〜ミーちゃんっ!」


 とそこでドアが開かれた瞬間、先程までリズムに乗っていたであろう少女、ミシェリーがこちらの姿を見て、瞬間移動でもしたかのようにササッとこちらに駆け寄ってきた。そして抱き上げて顔に擦すれだした。


「にゃーにゃにゃにゃーーっ!」

(うがぁっ!そんなに寄られるとっ!)


「はぁっ!喋ったぁ!ミーちゃんが初めて私の前で喋った〜っっ」


 ミリーは必死にもがき喋ろうとしたが、なんと頭では言ってるつもりでも、口からは「にゃーにゃー」としか言えなくなっていた。なんとも違和感がすごい。

 ミリーは早く降ろして欲しいと思っていたが、ミシェリーはミリーが鳴いた事により更に高い高いをするようにミリーを両手で掴んでバンザイ状態になっていた。


「にゃーにゃーにゃーっ」

(ってかお前この場合は喋ったじゃなくて鳴いたじゃねぇのかよ?!)


「はぅ…可愛すぎ……私の肩にのせてあげるっ!これが私の夢だったり…」


 そう言いながらミシェリーをミリーの体をポンと肩にのっけた。

 なんで可愛いから肩に乗せるのか分からない、もしかしたらこの世界での常識か流行か、とにかく、結構ぴったしなサイズ感だったので、結構揺られても落ちることは少ない筈。

 いやなんで安心してんだ俺、足ぐらいあるんだから歩こうぜ俺……


「さっ!ミーちゃんっ!外で遊びましょ!」


「にゃにゃっ」

(いきなりっ)


「うんうん、遊びたいよねそれじゃぁ早速行きましょう!」


 もうどうにでもなれ…そう思いながら女の子の肩に乗せられたミリーはだるそうにべたぁっとなっていた、歩く度に振動が響いて長時間は居られない。それでもずんずん小走りで伝わる反動がなんか結構楽しかったりする。





「ミリー、折角なら今度学校で意思疎通魔法を覚えてくるのはどう〜?」


 お庭でミシェリーがはしゃいでるのを眺めたあと、今は昼食タイム。

 ミシェリーは家族間ではミリーの愛称で呼ばれており、なぜこの名前を俺に着けたのかややこしくなるから、も少し考えて欲しかったところ。


 ちなみに俺はミシェリーの膝にちょこんと乗っかっている、さすがにお食事の時は肩に乗っけるのはキツかったようだった。


 そんなお昼食タイムに話しかけてきたのはミシェリーの母、フェミアだった。


「意思疎通魔法?!何それ面白そう!!でも難しいんじゃないの?」


「もちろんそうよ〜動物との意志疎通、お話ができる魔法なんてすごいんだから〜むずかしいに決まってるのよ〜」


「よしっ!わかった!ミーちゃんとお話しできるなら私頑張る!」


「うんうん、頑張れ〜」


 なにやら俺とお話がしたいらしくミシェリーは「意志疎通」なる魔法を覚えられるよう頑張るみたい。


 俺としてもがんばって覚えてほしいものだ、これでもしお互いの気持ちがわかるのなら、それはもういろんなことを話し合える気がする。

 頑張るのだ、ご主人。


 ……しかしなんだろうかこの感覚、この世界に意思疎通魔法なるものはない感じがする感覚…そもそもこの世界に来たばかりなのに魔法がない気がするなんて誰もが思うことかもしれない、今は考えても何も真実なんて出ないから置いておくか。


 その後も食事は続き、ミシェリーのこれから習う「意志疎通」の魔法の話も続いた。

 食事が終わったあとも俺と話すことが楽しみなせいかミシェリーとフェミアはどんどん話を進めていき、最終的にはこうなった。


「これから一緒に学校に行きましょうね~ミーちゃっん♪」


「にゃーにゃにゃっ」

(どうしてこうなった?!?!)


「いひひっ、ミーちゃん嬉しそうっ!」


 はやく人間の意思疎通ができるようになりたい、しみじみそう思う俺であった……

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