2話 ノルアの記憶
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説教とは、目上のものが下のものに怒りとともに教訓を教えたり、また宗教的な意味もあったりするが、大体の人が説教の時間、長々と喋って逆にストレスを植え付けることもある。
そしてそのストレスにより、また説教をさせられるというローテーションが完成してしまうのだ。
でも、ストレスを感じる以前に本当に反省するものもいることにはいる。
それが……
「本当に反省する気あるの?」
「ありまず〜〜…なんでもじまずがらぁ〜…」
泣きじゃくって声を上げたその人の名はルチーナ、現在フェミアとノルアによって正座をさせられ、怒られている最中であった。
「ほほぉ…今なんでもするって言ったよねぇ?」
「あ…あぃ」
「それじゃあ何個か頼みましょうかねぇ〜」
フェミアは悪魔的な笑みで怒りを表現し、ルチーナに更なる怯えを植え付けた。
それによりルチーナは精神制御というキルカイア都市に3人しか存在しない能力者でありながら、抗うことは出来なかったのだ。
フェミア曰くこれが幼馴染の特権よ〜、と言うことらしい。本当に幼馴染であるのかは置いといて。
「それじゃ一先ずこれだけは絶対ね〜…これから必要な時以外の能力の使用はやめてね〜 」
「うん…」
「お次は…これから週3でいいからこのでっかいお家を掃除をして〜」
「ひっ……」
「それからぁ…うーん…いざ考えると意外と無いものね〜ノルアちゃん何かある?」
フェミアはルチーナに与える罰をこれ以上思い浮かぶことがなかったので、ノルアにバトンタッチする。
そしてノルアからはフェミアのような罰と言うには程遠いことを言った。
「それではルチーナさん」
「うぐ」
ノルアは今までのように「様」ではなく「さん」と呼び
「先程私の記憶を見た、とおっしゃいましたね」
「言った……わ?」
ルチーナが疎かに答えると
「その件について後で話をしたいのですがよろしいですか」
「へい……」
ノルアによる要望を承諾(承諾も何も半強制適ではあったが)したところでフェミアはひとつやりたいことがあるのか提案した。
「これからちよっとだけ3人でやりたいことがあるんだけど〜、おふたりもお話があるって言うじゃない?」
「えぇ。それがとうしたのですか?」
「今だけは許してあげるからルチーナ、適当にノルアちゃんの話を聞いてあげて〜、あ、なるべく早くね〜。私は着替えてくる〜」
ばいばーいと手を振って自室に使ったフェミアを横目に2人は真剣な表情で見つめあった。
「それで?聞きたいことってなんだよ」
ルチーナはフェミアがいなくなったことを使って先程までの態度と一変、急に崩した。
「単刀直入に、私の記憶を見たこと前提で言います」
「おう」
「私は記憶がどこからかないようなのです。なにか知っていれば教えていただけませんか?」
「記憶がない……ねえ」
ノルアの言ったことに対し、ルチーナは焦りひとつ見せずに一言言った。そして更にノルアは言った。
「それに、何故か『あなた』という存在に強く惹かれるのです」
「私?……別にそのことに関して何も知らない」
「そう…ですか」
ルチーナの何かを隠したような答えにノルアは肩を落とす。
そんなノルアを見たルチーナが慰め程度に
「まっ。これからの人生色んなこと経験するし。そのうち何かの弾みで思い出すってこともあるって聞くけど?」
「そ、そうなんですか……」
あのノルアが今にも泣きそうな目でルチーナを真っ直ぐ見た。
そして最後に一言
「ありがとうございます。私も記憶を取り戻す為に色々と体験してみます」
「おう。それじゃさっさと着替えてこい、何だかフェミアは魔法校を覗きたいんだってよ」
「はいっ!」
ルチーナはそう聞かせてノルアを自室に向かわせた。
フェミアに叱られている最中にも関わらず表では反省した様子のルチーナだが、内心全く反省しておらず、挙句の果てに怒っている側の思っていることを読み取って、できるだけ早く説教タイムを終わらそうとまでしていたのだ。
「私の記憶ね……またその日になったら教えてやる……つっても無駄だからそのまんまにでもしとくか」
そしてルチーナは影でそっと覗き見しているフェミアに気づかず1人になった時ポツリと呟いた。




