10話 カオスな夜食
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「まま〜私 普通校行く〜」
「本当は魔法校じゃないとダメなんですけどね〜」
「なんだなんだ?どーゆーことだよフェミアぁ」
夜8時頃、4人の女性が夜の食卓を囲んでいた。
1人は見るからにスタイルのいい金髪のロングヘアのルチーナ。
1人はその向かい側に座っているニルン邸の長、フェミア
1人はルチーナの隣に座っている14歳とは思えないほどの見た目のミシェリー。
最後はフェミアの横に座っているノルア。
ここはニルン邸の食堂、今夜はルチーナの手料理を食べている最中であった。
「それがね、ミリー自体に魔法は発現してるんだけど……」
「私は魔法なんて興味無いもん!平和に暮らしたいし……」
「分かる分かる〜!」
ルチーナはわざとらしくブンブンと縦に首を振ってミシェリーに共感する
ミシェリーは近いうち学校に通うことになっている。
そしてこのキルカイア都市には大きく分けて2つの学校がある。
まずひとつは普通学校、通称普通校と言われる学校だ。
魔法や能力などが発現していないごく普通の人間のみが通える学校で、とても平和に暮らすことが出来る。
ふたつめは魔法学校、通称魔法校と言われている学校。
先程の普通校とは真逆となる学校で、魔法を使える者のみを通わせる学校で、普通校では平和に暮らすことが出来るのを裏腹に、魔法校は1日1爆発が起こるほど、平和と言える学校ではない。
キルカイア都市は恐ろしい程に治安がいいのだが、その都市と魔法校とは全く別、ルールなど全く違うのだ。
これは余談になるがこのキルカイア都市には年齢を除外して学校に行くことの出来ない人物が3人いる。
その3人の人物はこのキルカイア都市の中でもトップ3に入るほどの力を持った人間であり、また魔法とは違った"能力"を使える者でもあった。
「別にいいんじゃない?学校の許可さえ降りれば行けるし」
ルチーナはミシェリーを少しの危険にでも晒したくないのか、ミシェリーの思いに賛成して普通校を優先。
「それもそうね……」
ミシェリーの母であるフェミアは、ルチーナとミシェリーの圧に押されてやむなく普通校へと入学する方向に思考を変えた。
「ってか普通校と魔法校って何が違うのよ」
フェミアが圧に押されてから数十秒も経たないうちに、ルチーナは突然言った。
「かなり違ってくるわね〜」
深く考えなくても答えられるものだったのでフェミアはサラリと答える。
簡単に言うと、普通校は魔法に関する以外の常識的なことからこれから生きるのに大切な知識を学び、魔法校は常識的なことプラス魔法に関することをメインにして学ぶ、たったそれだけだ。
「まぁとりあえずミリーは普通校に行って友達沢山作れよ〜」
そう軽く言いながら手を振るルチーナ。
「友達いないルチーナさんに言われたくないよ〜だ!」
「何を〜?!」
今日の夜食は随分と騒がしいようで……
変わったな〜まだ1週間も経ってないのにどんどん変わっていくものだな〜。
つい最近ここに来たばかりの夕食はお皿とフォークが当たってカチャカチャなる音が響いてるけど、今は楽しそうな声が響いてる、お行儀は悪いけど、静かで寂しいよりはマシかな、俺的には。
『何勝手に感極まってんだ』
「にゃっ」
(うぉっっ)
だからいきなり脳内に話しかけるのやめてくれません?
ほんと心臓に悪いから!
「ほら!ミーちゃんだって友達が少ないって言ってるよ?!」
「違いますー!ただ何かに驚いただけですー!」
『くっそ話しかけなければよかった』
友達がどうこうと小さなことで食卓上でワーワー騒いでる2人を楽しくみるクロネコに、ルチーナは言った、
『友達居ないわけないからな!!』
いや知らねえよ?!聞いてねえしそんな情報生涯要らねえよ!!
ミリーが渾身の猫パンチでルチーナの足に思いっきり殴り掛かる、がしかし相手からしてみればただのマッサージに過ぎなかった。
そんな中横でフェミアが突然立ち上がり声を上げた。
「あら!明日はレシピ本の新刊発売日だったわ!」
いきなりフェミアがお料理のためのレシピ本の発売日を思い出して、何がを思い浮かべている。
そしてフェミアは友達であるルチーナの方を向いて…
「ねぇルチーナ〜明日久しぶりに書店に行きましょうよ」
「今話しかけないで!今からミリーに友達作りの辛さを叩き込んでやるから!」
だっ、誰か!この俺に救済をください!
お母さんはレシピ本で頭がいっぱいだし、
ルチーナとご主人は友達の事で喧嘩してるし、
ノルア館長はいつの間にかお皿を回収して洗い始めてるし、
「にゃぁぁぁっっっ」
(ってかルチーナは黙っとけえぇぇっ)
よくよく考えてみればそんなに騒がしくもない状況、しかしその状況をより一層うるさくしているのは確実にルチーナの友達作りの厳しさ話であった…




