9話 一人二役
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ルチーナと久々の再会をしたミシェリーとノルアは、現在とある部屋にいた。
「ちゃんと掃除してくれてんだな〜」
「最近は特に暇を持て余していますからね」
そこはニルン邸二階、ミシェリーの部屋のすぐ隣にある部屋、言ってしまえばルチーナの部屋である。
「そうだミリー、お前近頃学校行くんだってな」
「なんで知ってるの?!」
「フェミアに聞いたんだよ」
「まっ、ままに…秘密って言ったのに……」
ミシェリーはしょぼんとしながら言った。
それに すまんすまん、と軽く手を振って謝るルチーナ。
ちなみに部屋の真ん中に置いてあるまる机の周りを囲むように3人は座っており、時計回りにミシェリー、ルチーナ、ノルアの順で、俺は今机のど真ん中に置物とされていた。
どこかに移動しようとすると意味もなく真ん中に戻される、軽く監禁されている。
「コイツと話がしたいからねぇ……ノルアに言えば分かるぞ?コイツの気持ちなんて」
「えっ、そうだったの?!」
ルチーナは机の真ん中に置かれた俺の頭を撫でながらそう言うと、ミシェリーが元気よく反応した、そしてその反応を見たのルアは無表情のまま「一応ですが」とだけ答えた。
初耳だぞ、ルチーナはともかくノルア館長まで人の心読めるのか?!さすがに読めるだけだよな…
いや読めるだけっていってもそれもすんごいヤバい力じゃないの?!
まって、俺今から考えてること読まれてそのままノルア館長の口からミシェリーに伝わる……まてよまてよ?!
『そのつもりですが何か?』
息をするように心を読んできたノルアに若干の驚きを見せつつ、いきなり脳内に話しかけるのはまだ慣れきっていないので、未だにビビることもしばしばある。
「私は鳴き声でしか分からんからな〜ノルア、あとは任せたぞ〜」
「早く聞きたいな〜ミーちゃんの気持ち!」
「今から読ませていただきますので少しお時間を」
2人の期待を今すぐにでも実行に移そうとしたが、ノルアは少し時間がかかると言って、時間も要らない事なのにわざと時間が欲しいと2人に言い、快く了承を得た。
まてルチーナ、お前今はサラッと嘘ついたよな、何一般人のフリしてんだか。
『さて、どうするよクロネコ』
いや、どうしろと言われても……って今のルチーナ?!は?ノルア館長は?
『ノルア館長ってなんだよ』
目の前にいるルチーナが顔を伏せてくすくすと笑い出す
(何がおかしい!ってか本当にどうなってんだよ?!)
『どうって、この場にいる中で精神をイジれるのは私だけ、ノルアは人の心なんて読めないよ、誰かに変わって相手の脳内に直接話しかけることだってできるよ』
クロネコの疑問に対してちゃんとした答えと同時にサラッとこわいことを言いながらもルチーナはやっとくすくす笑いをやめた。
『まとりあえずバカ正直にお前の考えてること話すなんてのは却下、適当に話しとくわ』
ルチーナは興味なさげに脳内へと話しかけてくる、少しづつ慣れてきている気がしなくも無いが、やはりどこかむず痒い感じが来る。
とりあえずルチーナが勝手に言ってくれるんだし、変な事を言わないよう祈るだけでだけど……嫌な予感画するぞ。
「お二人共、分かりましたよ」
「ほんとっ?!」
「早く聞きたいね〜」
ノルアが心を読めるという前提を忘れかけていたが、ルチーナはしっかりとノルアを"操作し"考えていたのか少し時間を置いてノルアが言うと、それを待ってたと言わんばかりにミシェリーとルチーナが興味津々に寄ってきた。まあなんとも演技がよろしゅうこと。
「どうやらこの子はルチーナ様の事が気になるようです」
「んぉ?私か?」
「多分、私とミシェリー様と過ごしていたミリーにとって、あなたは部外者と思われているかもしれません」
おぉ!流石ノルア館長!話し方が上手い。って考えたのはルチーナか、こいつ無駄に演技上手いのなんなんだよ。
「私ね〜別に部外者って訳じゃないし〜、っていうかどうやって私が部外者じゃないことをコイツに伝えるんだ?」
ルチーナはそう言いながらまた俺を撫でていた。
自然と手が出るほど撫でるのは気持ちいいですか、まぁ俺からしてもなんか気持ちいいからそのまま撫でてて欲しい。
それにしてもどうやって部外者じゃないことを伝えるかね〜、なかなか難しそうだなぁ…今みたいに撫で続ければ俺も認めるような行動とるけど…
俺がそんなこと思っている時にはもう遅かった、既にルチーナの手は触れておらず、代わりにご主人がなでなでしてくれている。いつの間に代わったのか全くわからなかった。
「ノルアさんってミーちゃんに話すことも出来るの?」
ルチーナが嘘っぽく悩んでいると、俺を撫でているご主人が急に聞いた。
それにノルアは悩むことも無く答えた。
「一応できますが…」
それを聞いたルチーナは「それだぁ!」と手を叩いてノルアに頼み込んだ。
「なぁ、ノルア〜私が部外者じゃないってことコイツに教えてあげてくれ〜」
「なんとか言ってみます」
ノルアはルチーナの頼みを快く受け取ると、俺に視線を合わせてきた。
なんかこう、改めて目を合わせるとやっぱりノルア館長、図書館の館長だわ…怖いっちゃ怖いけどなんか懐かしい感じがするのはなんでかな
『なんか1人で芝居してるみたいでアホらしくなってきた』
いきなり話しかけたかと思ったらそんなどうでもいいこと聞いてきやがって、見てるこっちは面白いから続けて欲しいけどね。
たまに自分で忘れそうになるが、今現在ノルアはルチーナが操作しており、実質ミシェリー相手に演技しまくっている状態になっている訳で……
『んーーー部外者じゃないと認められる方法ねえ』
(そんな悩むんならそれこそ記憶いじればいい話なんじゃないの?)
『私はこの家の部外者じゃないってだけ伝えられても、どんな経緯があってそうなったのかまで付け加えないと、色々おかしくなるからね』
どうやらいろいろとすっ飛ばしては行けないようなこともあるらしい。
『とりあえず私に懐くような行動とって、それしか思いつかない』
なんとも人任せな感じで投げかけるルチーナ、ここで理って部外者だー!と言い追い出す訳にもいかないので、それっぽい行動とやらをやってやろうじゃないか。
俺はぎこちなくもルチーナに歩み寄り、なんかそれっぽい仕草をしようとしたけど何したらいいのか分からなかったので、とりあえず右前脚をルチーナの方へ上げた。
するとルチーナは何かわかったかのように、俺の体を持ち上げて抱っこをしてくれた。
「お前やっと私が味方だと理解したかー可愛い奴めー」
分かりやすく棒読みで頭をわしゃわしゃと撫でられているので、何とか一件落着だと思いたい。
それにしてもこいつデカイな、どんな生活送ったらこんなでかさになるのだろうか…
それに対してご主人様は膨らみすらない真っ直ぐだ、ノルア館長によると確かご主人は14歳だったはず…
まだ成長期だ、ここからどんどんでかくなるのだろう。がんばれご主人!
『お前の方が部外者だろ変態野郎』
「なんか妙にミーちゃんから視線を感じる……あっ、わわわ私まだ成長期だから!」
「はっはーそういやミリーはまだでかくなってねぇのか!」
「おっぱい揺らしながら言わないで!私だって今からおっきくなるもん!」
え、ご主人なんでわかったの……
視線…だよな。やっぱ女は視線を感じることが多いって、そゆことなのかな…
ってかルチーナ貴様!変態野郎って言った割には自分だってそのでっけえ乳揺らして挑発してるじゃねえかそっちも変態に変わりねえだろ?!
『あっそ』




