美しい世界
2個目の短編です
1個目と全然違う感じだと思います
書いた私も、不思議な話描きたいと思っただけですが
若干テーマが伝わればいいかなと
思ってます
よく考えて見てください
僕は言った
君が死んだら僕も死ぬと
彼女は言った
私が死んでも生きてと
周りは言った
どっちが死のうが俺/私達には関係ないと
僕は言った
僕が死んでも生きてほしいと
彼女は言った
君が死んだら私も死ぬと
周りが言った
いっその事両方死ねよと
2人は言った
死のう、と
僕は/彼女は言った
一緒に死のう、と
世界は、、世界は酷く
酷く、醜いものだけど好きな人と一緒に死ねるなんて
なんて素敵なんだろう
世界が歪んでも、僕と彼女の関係は歪まない
それは確かな事で、確かでないもの
2人は死んだ
飛び降りて死んだ
と
思っていた
周りが見た
赤黒い水溜りを
確かな温もりをもった赤黒い水溜りを
だけどそこには赤黒い水溜りだけだった
僕と彼女がいるはずのところには赤黒い水溜りだけで
僕と彼女はいない
周りは恐怖におびえた
そして、その場から逃げた
もう二度とここに来ることはないと、そう何かに誓うように逃げだした
僕は見た
その逃げだす姿を
だけど、気づいた
僕が、いることに
死んだはずの僕がいることに
そして、彼女をさがした
彼女は隣にいた
彼女が言った
一緒に死んでくれてありがとう
と、
僕は言った
でも、死んでないみたいだよ
と、
彼女は言った
ううん、確かに私達は死んだのよ
だけど、君が考えてるような『死』ではなかったのよ
と、
僕は言った
じゃあ、一緒に死ねたんだねと、
彼女は笑った
僕も笑った
僕と彼女は笑いあった
でも、死んでなにも感じなかった、前の感じと変わらなかった
それはまるで、生きてる時と同じように
だけど、彼女といられて嬉しかった
幸せだった
それは一時のものでもいいと
本気でそう思った
同時にこれからどうしようと不安も考えた、僕と彼女のこれからを
彼女は言った
死んだ後も楽しもう?
僕は言った
そうだね
この世界は酷く醜いものだと思ってたけど
この世界は美しく、素敵なものだった
サラ…サラサラ…
彼女が言った
あ、もう時間だ
僕の前で彼女は灰になった
僕は驚きはしなかった
何故か冷静だった
だけど、何かが抜けた感覚になった
ぽっかりと胸に穴が開き始めて
僕も灰になった
世界が決める「死」とは
曖昧なもので、不安定で酷く醜かった
どうでした?
あなたが考える死ってなんですか?
灰になった2人は死んだのでしょうか、そこも考えてみると面白いのでぜひ